今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 神保圭佑 順天堂大学小児科

著者: 大塚宜一 順天堂大学小児科

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正済:2025/05/14
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正した。
  1. 用語を最新のものに変更した。
  1. 文章全体をわかりやすい表現とし、曖昧な表現は削除した。

概要・推奨   

  1. 小児急性腹痛症の最大の原因は便秘症である。
  1. 急性腹痛症に対する診断前の不用意な鎮痛は現時点で推奨されない(推奨度3)
  1. 慢性腹痛症は小児・学童の9~15%に合併する非常に多い主訴だが、大部分が機能性消化管障害である。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 腹痛は小児科外来ではよく遭遇する主訴だが鑑別診断が幅広く、病態を理解し適切に鑑別を進める必要がある。
  1. 急性腹痛の多くはウイルス性胃腸炎や便秘症などの比較的軽症な疾患によって引き起こされるが、急性腹症といわれる緊急に外科的な介入を要する重症疾患が含まれることに常に注意が必要である。
  1. 急性腹痛は腹部臓器以外に、胸部疾患や心因反応により発症することがある。
  1. 2~3週間を超えて持続する慢性腹痛に関しては、機能性疾患、器質的疾患、および心理社会的要因の関与について鑑別する必要がある。なお、一般に遷延性腹痛とは12週を超える腹痛のことを指す。
 
  1. 慢性腹痛は小児・学童の9~15%に合併する非常に多い主訴である。
  1. 一般人口中の慢性腹痛症の有病率については、この分野の古典であるApleyを含めて複数の研究がある[1]。近年の疫学についてはChitkaraのシステムレビューを参照されたい[2]
  1. 注意:いわゆる慢性腹痛とApleyの反復性腹痛(recurrent abdominal pain:RAP)の間には定義のギャップがある。海外のガイドラインではRAPという用語を使用しない動きがあり、近年の文献については対象症例に注意して研究デザインを検討する必要がある。ただし、わが国のガイドライン( >詳細情報 の「推薦図書」参照)ではRAPという用語を残している。
問診・診察のポイント  
  1. 急性腹痛の鑑別ポイントは、迅速に重症度評価を行い急性腹症を鑑別することである。一般・救急外来における症例の多くは感染性胃腸炎や便秘症などの軽症疾患だが、急性腹症はときに致死的な経過をたどることがあり注意を要する。また、まれではあるが、帰宅後に感染性胃腸炎を契機に腸重積症を発症することもあり、帰宅後の再診依頼には注意深い配慮が必要である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
神保圭佑 : 特に申告事項無し[2024年]
大塚宜一 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2025年]

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腹痛(小児科)

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