今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 三井良之1) 近畿大学 医学部 教育センター・脳神経内科学

著者: 楠進2) 近畿大学 医学部 脳神経内科学

監修: 永山正雄 国際医療福祉大学医学部・成田病院 脳神経内科、集中治療部

著者校正/監修レビュー済:2024/10/31
参考ガイドライン:
  1. 日本神経学会:ギラン・バレー症候群、フィッシャー症候群診療ガイドライン2013
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. ワクチン接種後の発症率も含めて、Covid-19パンデミックに伴う新たな知見を追記した。

概要・推奨   

  1. 歩行困難のあるギラン・バレー症候群(GBS)患者の治療としてガンマグロブリン大量静注療法(Intravenous Immunoglobulin、IVIg)が推奨される(推奨度1)
  1. 歩行困難のあるGBS患者の治療として、血漿交換療法(plasma exchange、PE)が推奨される(推奨度1)
  1. 歩行困難のあるGBS患者の治療として、免疫吸着療法(Immunoadsorption Plasmapheresis、IAPP)、二重膜濾過法(Double filtration Plasmapheresis、DFPP)が推奨されるが、PEに比べるとエビデンスレベルは低い(推奨度2)
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  1. 重症度は、GBS disability score[1]()を用いることが多く、治療適応や経過観察の指標として利用されている。予後予測スケールとして、modified Erasmus GBS Outcome Score[2](以下mEGOS,)やErasmus GBS Respiratory Insufficiency Score[3](以下EGRIS,)が、長期の機能予後や人工呼吸器装着が必要となる症例の予測に役立つ。mEGOSは、半年後の独歩可能性を、入院当日、7日目の臨床症状から予測するスコアであり、簡便に施行できる。本邦でもその有用性が確認されている[4]。また、EGRISは5点以上で人工呼吸管理が必要となる確率が高くなる(推奨度2)
  1. 一般に、肺活量12~15 mL/kg以下の場合、あるいは予測値よりも30~40%低下している場合、室内空気でPO2 70 mmHg以下、4~6時間にわたって肺活量低下傾向のあるとき、高度の球麻痺があり誤嚥が認められる場合などは、気管挿管、人工呼吸器管理が推奨される(推奨度2)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
三井良之 : 特に申告事項無し[2024年]
楠進 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:永山正雄 : 特に申告事項無し[2024年]

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