今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 樋口敬和 獨協医科大学埼玉医療センター 輸血部

監修: 神田善伸 自治医科大学附属病院 血液科

著者校正/監修レビュー済:2024/03/21
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、表記の一部を修正、好中球増多を来す病態を追記した。

概要・推奨   

  1. 末梢血好中球数(桿状核球+分葉核球)が7,000~8,000 /μL以上を好中球増多とする。
  1. 好中球増多症は一次性(腫瘍性)増多と二次性(反応性)増多に分類される。
  1. 好中球数だけでは一次性と二次性を鑑別できない。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 好中球増多は非常によくみられる血球異常で、通常、末梢血好中球数(桿状核球+分葉核球)が7,000~8,000 /μL以上を好中球増多とする。
  1. 末梢血白血球数が50,000 /μL以上で、未熟な好中球系細胞(後骨髄球、骨髄球、ときに前骨髄球、骨髄芽球)が出現する場合を類白血病反応と呼ぶ(これよりも少ない白血球数でも類白血病反応と呼ぶこともある)。
  1. 好中球増多は、①産生亢進、②骨髄から末梢血への遊出の亢進、③末梢血管内での辺縁プールから循環プールへの移行の亢進、④血液から組織への移行の低下、⑤これらの原因の複合――により生ずる。
  1. 生体内の好中球の約1/2が骨髄中に貯蔵され、前駆細胞とともに大きな貯蔵プールが存在する。必要時には、この大きな好中球貯蔵プールが迅速に反応して、数時間で循環血液中の好中球を3倍のレベルにまで増加させることができる。
  1. 好中球は、骨髄中で約7~14日で骨髄芽球から分葉核好中球に成熟する。必要時には約48時間で成熟する。
  1. 桿状核好中球と分葉核好中球が末梢血中に出ていき、末梢血中を約半日循環した後に組織に移行し、組織間を1~4日遊走した後にアポトーシスに至る。
  1. 末梢血液中の好中球は生体内の好中球の約5%で、血管内で辺縁プールと循環プールに約半数ずつ存在する。
  1. 好中球増多症は一次性(腫瘍性)増多と二次性(反応性)増多に分類され、好中球増多の原因の大部分は二次性のものである。<図表><図表>
  1. 好中球数だけでは一次性、二次性を鑑別できない。
  1. 左方移動は、末梢血液中で桿状核好中球の比率が増加した状態であるが、通常は後骨髄球や骨髄球を認める。
  1. 好中球増多以外の白血球分画、赤血球、血小板の異常に注目する。これらに異常を認める場合は一次性(骨髄増殖性腫瘍)の可能性を考慮する。<図表>
  1. 二次性(反応性)好中球増多では、原因疾患を明らかにすることが大切である。
  1. 反応性好中球増多の原因は多岐にわたるが、急性細菌感染症が最も頻度が高く、発熱を伴った好中球増多ではまず急性細菌感染症を念頭に置く。
  1. 原因不明の軽度の好中球増多で喫煙者であれば、喫煙が原因である可能性を考え、禁煙を指示して経過観察する。
  1. 精査しても好中球増多の原因が確定できない場合は、悪性腫瘍が潜在している可能性も念頭に置いて経過観察する。
 
  1. 入院患者の30,000 /μL以上の白血球増多の原因として感染症、ストレス、炎症、産科疾患が多い(O)。
  1. 教育病院である総合病院に1年間に入院した造血器腫瘍以外の原因により白血球数が30,000 /μL以上であった成人173例(成人入院患者の0.59%)について後方視的に検討した[1]
  1. 白血球数の平均値は37,700 /μLで、最も多かったものは88,000 /μLで、14例(8.0%)が50,000 /μLを超えていた。大部分(134例)の症例で、白血球数が30,000 /μL以上であったのは1日だけで、白血球数が2日以上30,000 /μL以上であった患者の死亡率は有意に高かった(61.5% vs 31.3%、P=0.001)が、白血球増多の程度と死亡率には関連がなかった。白血球増多の原因としては、感染症が最も多く83例(47.9%)で、虚血/ストレス48例(22.7%)、炎症12例(6.9%)、産婦人科領域疾患12例(6.9%)であった。全体では66人(38.1%)が入院中に死亡し、高齢、感染症、敗血症が死亡と関連していた。
問診・診察のポイント  
 
問診:
  1. 既往歴の確認

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
樋口敬和 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:神田善伸 : 講演料(旭化成(株),MSD(株),ノバルティスファーマ(株),ファイザー(株),サノフィ(株),中外製薬(株),アステラス製薬(株),協和キリン(株)),奨学(奨励)寄付など(協和キリン(株),中外製薬(株))[2024年]

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好中球増多

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