今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 小泉賢洋 東海大学 腎内分泌代謝内科

監修: 花房規男 東京女子医科大学 血液浄化療法科

著者校正済:2025/06/25
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正を行った。
  1. 概要・推奨欄に小見出しをつけ、より簡潔に疾患情報を理解できるようにした。
  1. 症例として、典型例(慢性腎不全に伴う高P血症)、難渋例(腫瘍崩壊症候群に伴う高P血症)を加筆した。

概要・推奨   

病態・診断
  1. 高リン(P)血症は、血清P濃度が基準値を超過する場合を指し、一般に基準値は2.5~4.5 mg/dL程度とされている。
  1. 高P血症を来す機序として、①大量Pの急性負荷、②慢性腎不全、③近位尿細管でのP再吸収の増加――が挙げられる。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 高リン(P)血症は、血清P濃度が基準値を超過する場合を指し、一般に基準値は2.5~4.5 mg/dL程度とされている。
  1. 健常人では1日リン(P)摂取量が4,000 mg(130 mmol)までは血清P値の上昇を認めず、これを超えてもわずかに上昇するのみである。
  1. 高P血症を来す機序として、①大量Pの急性負荷、②慢性腎不全、③近位尿細管でのP再吸収の増加――が挙げられる。
  1. 実臨床にて遭遇する高P血症の原因として、慢性腎臓病に伴う骨・ミネラル代謝異常(CKD-MBD)が最も多い。慢性腎臓病では早期の段階からP蓄積傾向を示すが、当初血清P値は上昇せず、GFR(糸球体濾過量)が25~40 mL/分以下に低下した場合に初めて高P血症が顕在化するとされている[1][2](慢性腎臓病を原因とする低Ca血症(CKD-MBD)の詳細は、“低カルシウム血症”を参照)。
 
  1. 非CKD患者においても、高P血症は心血管イベントの発症と関連する可能性がある(推奨度2、O)
  1. 近年、慢性腎臓病(CKD)に伴う骨ミネラル代謝異常が骨病変だけではなく、血管石灰化をはじめとした異所性石灰化を介して生命予後やQOLに大きな影響を及ぼすことが明らかとなり、CKD-MBD(CKD-mineral and bone disorder)という疾患概念が提唱された。このCKD-MBDにおける骨ミネラル代謝異常のなかでも、高P血症は心血管イベントの発症や生命予後に強く影響を与える因子であることが報告されている[3][4]
  1. さらに、血清P値と心血管イベントの発症との関連性が非CKD患者においても成立することが、3,000人以上を対象とした大規模観察研究において示されている[5]。この研究で注目すべきは、腎機能正常で血清P値が正常値内であっても、正常高値で心血管イベントが増加するという点である。血清P値が体内総P量のよい指標ではないことから、たとえ血清P値が正常範囲でも体内総P値がすでに上昇している可能性が示唆される。
問診・診察のポイント  
  1. 薬剤歴:活性型ビタミンD製剤、P含有製剤(特に、大腸鏡の前処置に使用されるリン酸水素Na・リン酸二水素Na配合錠[ビジクリア])、ビスホスホネート製剤。
  1. 既往歴:糖尿病(ケトアシドーシス)、悪性腫瘍(腫瘍崩壊症候群)、巨人症あるいは末端肥大症。
  1. 食生活:高P食(乳製品、肉類などに含まれる有機リンとファーストフードや、缶詰などに食品添加物として含まれる無機リンがあり、特に無機リンは腸から吸収されやすく血中P濃度が上昇しやすい)。
  1. 家族歴:家族性腫瘍状石灰化症(familial tumoral calcinosis:近位尿細管におけるP再吸収亢進)。
  1. 症状:高P血症に特異的な症状は存在しない。腎不全患者における慢性高P血症では、二次性副甲状腺亢進症を進行させ異所性石灰化を惹起する。一方、急性の高P血症では、高度の低Ca血症を引き起こすことによりテタニーなどの症状を間接的に来すことがある。
 
  1. リン酸水素Na・リン酸二水素Na配合錠(ビジクリア)を使用する際には、急性リン酸腎症の発症に注意する(推奨度2、O)
  1. 大腸内視鏡前の腸管洗浄薬として、ポリエチレングリコールを主体としたニフレックやマグネシウムを主体としたマグコロールが使用されてきたが、大量の水に溶解して服用しなければならないという欠点があった。2007年、日本で初めての錠剤タイプの腸管洗浄薬であるビジクリアが発売されたが、副作用として急性リン酸腎症が報告されており、2009年には厚生労働省が注意喚起の通達を出している。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
小泉賢洋 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:花房規男 : 未申告[2024年]

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高リン血症

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