今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 渡部玲子 国際医療福祉大学成田病院 血液内科

監修: 宮﨑泰司 長崎大学病院血液内科

著者校正/監修レビュー済:2024/05/29
参考ガイドライン:
  1. 日本血液学会:造血器腫瘍治療ガイドライン 2023年 第3版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版』の発行に伴いレビューを行い、予後評価や治療アルゴリズムを刷新、イブルチニブ併用レジメンも追加した。
  1. さまざまな治療法があるため、臨床医は個々の患者の病状に合わせた治療法を選択する必要がある。
 

概要・推奨   

病態・疫学・診察 

疾患情報  
  1. 原発性マクログロブリン血症(waldenstrӧm macroglobulinemia:WM)はまれなB細胞性のリンパ増殖性腫瘍である。
  1. リンパ形質細胞の骨髄およびリンパ系臓器への浸潤を特徴とし、IgMの単クローン性増殖を特徴とする。
  1. 発症年齢の中央値は63~68歳と高齢者、やや男性に多い。
  1. 多彩な症状を呈し、通常緩徐に進行するが、時に過粘稠度症候群による出血症状などが突然生じることがある。
  1. 現時点で根治療法は確立されていない。
  1. B細胞性リンパ腫への治療のほか、多発性骨髄腫に対する新規治療薬も有効であることが知られている。
  1. ゲノム解析の結果、MYD88L265P遺伝子変異が本疾患の診断、治療方針の決定に重要であることが示された。この遺伝子変異を有する場合、ブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬(BTK阻害薬)イブルチニブの高い奏効率が期待できることが示されている。
問診・診察のポイント  
  1. WM患者の症状は多彩である。過粘稠症候群の症状とともに、自己抗体による膠原病様の症状や神経学的症状なども認められる。さまざまな症状をチェックする必要がある。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
渡部玲子 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:宮﨑泰司 : 未申告[2024年]

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原発性マクログロブリン血症

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