今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 安村良男 社会医療法人中央会 尼崎中央病院 循環器内科

監修: 伊藤浩 川崎医科大学総合内科学3教室

著者校正/監修レビュー済:2022/07/06
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

概要・推奨   

  1. 初発の心不全患者や心不全増悪時はうっ血症状や徴候を認めることが多い。うっ血症状や徴候を伴う浮腫が認められる患者には利尿薬の使用が勧められる(推奨度1)
  1. 収縮機能障害を伴う心不全(HFrEF:heart failure with reduced ejection fraction)の診断がつき次第、早期にACE阻害薬を導入すべきである(推奨度1)
  1. β遮断薬の禁忌症例でない限りは、HFrEFにはβ遮断薬は必須の治療薬である(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 心不全とは何らかの心臓機能障害、すなわち、心臓に器質的および/あるいは機能的異常が生じて心ポンプ機能の代償機転が破綻した結果、呼吸困難・倦怠感や浮腫が出現し、それに伴い運動耐容能が低下する臨床症候群として定義される。同じ心不全でもHFpEF(HF with preserved EF)では病態の首座は心臓のみならず、血管にもあることが異なる。いずれの場合も心不全は進行性であり、生命を縮める病気であることが明記されている。
 
心不全とそのリスクの進展ステージ

明らかな心不全症状がない場合は心不全のリスク群で、ステージAかBである。心不全症状がある場合は心不全群でステージCかDである。

出典

脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方に関する検討会:脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る診療提供体制の在り方について(平成29年7月)図20.(厚生労働省)(http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000173149.pdf)をもとに作成
 
  1. LVEFの低下した心不全(HFrEF)は、左室駆出率が40%未満と定義される。
  1. 心臓機能障害の原因として、心筋の異常(虚血性心疾患、心筋症など)、血行動態の異常(高血圧など)、不整脈などがある。
  1. 心筋梗塞など何らかの心筋障害に引き続く左室の拡大(リモデリング)と、心機能低下に対する代償機転(神経体液性因子の亢進)が進行性の心不全をもたらす。
  1. 心不全患者の総数は2005年には推定約100万人、2020年には120万人達するとされている。収縮および拡張不全を合わせた慢性心不全患者は、1年間に人口10万人あたり約40人発症する。
  1. 心不全患者全体での院内死亡率、1年死亡率はいずれも10%弱と報告されている。またJCARE-CARD試験における心不全患者の再入院率は退院後6カ月で27%、1年で35%と報告されている。
  1. 2017年に日本循環器学会/日本心不全学会合同ガイドライン「急性・慢性心不全診療ガイドライン(2017年改訂版)」が発表された。このガイドラインでは心不全の分類として左室駆出率(LVEF)であらわされる左室収縮能による分類がなされている(検査施行時のLVEFによる心不全の分類:<図表>)。この分類のどのグループに属するかによって治療方針が異なる。心筋梗塞後や拡張型心筋症(特発性でも二次性でも)は従来、収縮機能障害による心不全と呼ばれており、新しい分類ではLVEFの低下した心不全(HFrEF)と呼ばれる。LVEFが50%以上の症例はHFpEFと呼ばれ、LVEFが軽度低下している症例(40~49%)はHFmrEF(HF with mid-range EF)と呼ばれる。HFmrEFの臨床的特徴は十分には明らかにされてはおらず、治療の選択は個々の病態に応じて判断する。
 
検査施行時のLVEF による心不全の分類

出典

日本循環器学会/日本心不全学会編:2021年JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Tsutsui.pdf (2021年4月閲覧)班長 筒井裕之、p48、表6 検査施行時のLVEF による心不全の分類
 
  1. 以上の3つの分類は治療開始時のLVEFによる分類であり、LVEFは治療効果や自然経過によって変化することがわかっている。そこで、2021年のアップデート版ではLVEF の経時的変化によって治療経過からさらに予後が推定できるように心不全の分類がなされている。
 
LVEFの経時的変化による心不全の分類

出典

日本循環器学会/日本心不全学会編:2021年JCS/JHFS ガイドライン フォーカスアップデート版 急性・慢性心不全診療.https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2021/03/JCS2021_Tsutsui.pdf (2021年4月閲覧)班長 筒井裕之、p10、表7 LVEF の経時的変化による心不全の分類
問診・診察のポイント  
  1. 心不全を疑う症状は、肺うっ血による左心不全症状と全身うっ血による右心不全症状である。ときに抹消冷感や全身倦怠感など、組織低灌流による所見や症状を伴う場合がある(表<図表>)。いずれの症状であっても、基本的には水分貯留を伴っていることが多い。心不全の症状や所見はすべての症例で認めるわけではない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
安村良男 : 未申告[2024年]
監修:伊藤浩 : 講演料(第一三共(株),大塚製薬(株))[2024年]

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慢性心不全 収縮機能障害

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