今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 杉田和成 佐賀大学医学部内科学講座 皮膚科 教授

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2023/09/13
参考ガイドライン:
  1. 日本皮膚科学会:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン-2:褥瘡診療ガイドライン
  1. 日本皮膚科学会:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン-3:糖尿病性潰瘍・壊疽ガイドライン
  1. 日本皮膚科学会:膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン2014年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 新型コロナウイルス(COVID-19)感染患者に皮膚症状が生じることがあり、鑑別疾患表に追記した。
  1. 『創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン』『膿疱性乾癬(汎発型)診療ガイドライン』を参照に、下記の点を加筆・修正した。
  1. 一般感染症にともなう皮膚疾患として、褥瘡、糖尿病性皮膚潰瘍を鑑別疾患表に追記した。
  1. 膿疱性乾癬は急激な発熱とともに全身の皮膚が潮紅する疾患であり、鑑別疾患表のその他の項目に追記した。

概要・推奨   

  1. 先行症状、熱型、皮疹の形態や部位に加え、粘膜症状や内臓所見などから鑑別する(推奨度1)
  1. 比較的短期間の経過で感染症が誘因と考えられる場合、細菌性か細菌性以外をまず鑑別に挙げる(推奨度1)
  1. 細菌性が疑われる場合、感染部位を特定することを意識することで原因菌の同定が容易になることがあり、初期の抗生剤投与についても効率よく実施できる。
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 発熱物質(外因性・内因性のどちらも重要である)に対して体温調節中枢が反応した結果生じる。
  1. 皮疹が先行する場合と発熱が先行する場合がある。
  1. 皮疹はさまざまな形態を呈して非特異的であることが多い。疾患によっては典型的な症状を呈することもある。
  1. 局所症状にとどまるものから全身に至るまで多彩である。
  1. 常に治療の緊急性を考慮する必要がある。
  1. 熱型が診断の参考になることもあり、問診、臨床経過に留意すべきである。
  1. 皮膚症状のみならず、粘膜症状、内臓所見などの所見にも絶えず気をつけることが重要である。
患者の訴え内容  
  1. 痒くないのに全身が赤くなってきたと思っていたら、体がだるくなった。

診断方針 

診断  
発熱を伴う皮膚疾患の診断アルゴリズム(感染症を疑う場合)

比較的短期間の経過で感染症が誘因と考えられる場合、細菌性か細菌性以外をまず鑑別に挙げる。
細菌性が疑われる場合、感染部位を特定することを意識することで原因菌の同定が容易なることがあり、初期の抗生剤投与についても効率よく実施できる。
細菌性以外の場合は、海外渡航の有無を含めた旅行歴などの患者エピソードと併せて、地域で流行している可能性のある疾患を把握することで、より迅速な対応が可能となる。

出典

谷崎英昭先生ご提供
 
発熱を伴う皮膚疾患の診断アルゴリズム(感染症以外を疑う場合)

中長期的な発熱や皮疹の遷延が認められる場合は鑑別がやや多岐にわたる。
膠原病や自己免疫疾患の場合、除外診断も含めて診断決定までに時間を要する場合があり、悪性腫瘍が疑われる場合は診断を急ぐ必要がある。薬疹や外的要因は同定が困難なことも多く、生活歴、(処方薬剤以外の)内服歴などにも注意が必要である。

出典

谷崎英昭先生ご提供
 
鑑別疾患表
一般感染症に伴うもの
  1. 皮膚および軟部組織に局在するもの
  1. せつ
  1. よう
  1. 瘭疽
  1. 膿瘍
  1. 蜂窩織炎 <図表>
  1. 丹毒
  1. 壊死性筋膜炎
  1. ガス壊疽
  1. 褥瘡
  1. 糖尿病性潰瘍
  1. 全身の感染症
  1. 菌血症
  1. 敗血症
  1. 毒素性ショック症候群(TSS)
  1. TSS様症候群
  1. 呼吸器系感染症
  1. 肝・胆道系感染症
  1. 尿路感染症
  1. その他の感染症
  1. 水疱性ウイルス性発疹症(ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルスなど)
  1. EBウイルス感染症 <図表>
  1. サイトメガロウイルス感染症
  1. 風疹
  1. 麻疹
  1. 新型コロナウイルス(COVID-19)感染[1]
  1. ツツガ虫病 <図表>
  1. 日本紅斑熱
  1. Weil病
  1. アメーバ症
  1. マラリア
  1. 旋毛虫症
  1. 昆虫毒
  1. 蛇毒
悪性腫瘍
  1. 造血器・網内系腫瘍
  1.  白血病 (<図表>
  1. 悪性リンパ腫 など
  1. 固形癌
  1. 胃癌
  1.  肺癌 
  1. 肝癌
  1. 腎癌
  1. 膵癌
  1. 大腸癌
  1. 転移性癌
膠原病や自己免疫疾患
中毒疹・薬疹
皮膚疾患が原因
  1. 熱傷 <図表>
  1. 紅皮症
  1. 蕁麻疹 <図表>
  1. 多形滲出性紅斑
  1. 結節性紅斑
  1. 接触皮膚炎
  1. 炎症性の皮疹が広範囲をしめる場合
その他
  1. 膿疱性乾癬
  1. 脱水
  1. 心因性発熱
  1. 甲状腺機能亢進症
  1. 体温調節障害
緊急対応  
  1. 全身状態の把握とともに、感染症、悪性腫瘍、中毒疹、膠原病、自己免疫疾患の順に検査を実施する。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
杉田和成 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(サノフィ(株),日本イーライリリー(株),アッヴィ合同会社,協和キリン(株))[2024年]

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発熱を伴う皮膚疾患

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