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著者: 中西健史 明治国際医療大学 臨床医学講座 皮膚科

監修: 戸倉新樹 掛川市・袋井市病院企業団立 中東遠総合医療センター 参与/浜松医科大学 名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2023/01/25
参考ガイドライン:
  1. 日本皮膚科学会:創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン3 糖尿病性皮膚潰瘍 第2版
  1. IWGDF(The International Working Group on the Diabetic Foot):Practical guidelines on the prevention and management of diabetic foot disease 2019
 
  1. 現在、糖尿病性皮膚潰瘍に関するわが国のガイドラインは、日本皮膚科学会の創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2017)、日本形成外科学会・日本創傷外科学会・日本頭蓋顎顔面外科学会3学会合同のガイドライン(2021)**、日本糖尿病学会のガイドライン(2019)***の3つが存在する。
  1. **:日本形成外科学会/日本創傷外科学会/日本頭蓋顎顔面外科学会 編:形成外科診療ガイドライン 3 2021年版 創傷疾患.金原出版、2021.第IV編 慢性創傷診療ガイドライン 3章 糖尿病性潰瘍.p.238-268
  1. ***:日本糖尿病学会 編・著:糖尿病診療ガイドライン2019.南江堂、2019.p.183-199
  1. 国際的にはIWDGF (2019) のものが、代表的である。
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 今回の改訂では、疫学、分類、予防、検査、治療の分野に多岐にわたり手を加えた。
  1. 指導料、手技料などの算定について項目を新設した。

概要・推奨   

  1. 現在、糖尿病性皮膚潰瘍に関するわが国のガイドラインは、日本皮膚科学会の創傷・褥瘡・熱傷ガイドライン(2017)、日本形成外科学会・日本創傷外科学会・日本頭蓋顎顔面外科学会3学会合同のガイドライン(2021)、日本糖尿病学会のガイドライン(2019)の3つが存在する。
  1. 重症度分類には、ワグナー分類やテキサス大学分類、またIWGDF(international working group on diabetic foot)によるリスク分類や、創傷に対する血行動態に加え潰瘍の部位や深さ、感染を加味したWIfI分類などいくつかの種類が国際的に知られている。
  1. 潰瘍病変に対する検査は、血行動態、神経障害、感染の3つが主な対象となる。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 糖尿病が強く疑われる患者はとうとう1,000万人の大台にのった(平成28年 国民健康・栄養調査結果の概要)。
  1. 糖尿病性皮膚潰瘍は、三大合併症(腎症、網膜症、神経障害)以外の合併症として最近注目されている。
  1. 糖尿病性皮膚潰瘍は、放置しておくと下肢切断につながる。
  1. 糖尿病性皮膚潰瘍は、血行障害、神経障害、感染症のいずれか、もしくは組み合わさって起こる。
  1. 急性増悪を呈する場合(細菌感染、動脈閉塞)には、生命に関わることもある。
  1. 単独診療科で治癒させることは困難なことが多く、チームで取り組む必要がある。
  1. 関連する診療科が多岐にわたるため、疾患概念的にいえば結合組織病(俗に言う膠原病)と同様、中心になってマネージメントする診療科あるいは米国のような足病医を設ける必要がある。
  1. 下肢の血管の走行、足の構造など解剖学的知識がなければ、疾患を理解することはできない。
  1. 間欠性跛行の有無、安静時痛がないかなど末梢性動脈疾患(peripheral arterial disease、PAD)のような虚血症状に関する問診も重要である。PADについては末梢動脈疾患(PAD)を参照されたい。
  1. 糖尿病患者が生涯のうち、足病変を発症する可能性は15~25%である[1][2][3]
  1. 2025年には全世界で3億3,300万人が糖尿病になると予測されている[4]
  1. 世界のどこかで17秒ごとに糖尿病と診断され、20秒ごとに糖尿病で足が切断され、7秒ごとに糖尿病が原因で死亡している[5]
  1. 米国では2006年の1年間で65,700肢が糖尿病関連で切断された[6]。わが国では罹患率や大切断に関する大規模調査はほとんど行われていない。参考までに厚生労働省の2007年度国民健康栄養調査によると、医師から糖尿病といわれた人で足壊疽がある人は0.7%(856人中)であったとされている[7]
重症度・予後  
  1. 糖尿病性潰瘍の臨床ガイドラインとして国際的に用いられているものとして、国際糖尿病足病変ワーキンググループの分類[8]、American College of Foot and Ankle SurgeonsによるDiabetic Foot Disorders[9]が、わが国では日本皮膚科学会[10]、日本糖尿病学会[11]、日本形成外科学会・日本創傷外科学会・日本頭蓋顎顔面外科学会[12]による3つのガイドラインがある。
  1. 糖尿病足病変の重症度分類として国際的に使用されているものに、ワグナー分類[13]、テキサス大学分類[14]、PEDIS Ulcer Classification[15]、またIWGDF (international working group on diabetic foot) によるリスク分類[16]、創傷に対する血行動態に加え潰瘍の部位や深さ、感染を加味したWIfI分類[17]などいくつかの種類が国際的に知られている。
  1. 糖尿病足病変に関する合併症管理料で重視されている項目は、足の潰瘍や切断の既往の有無、知覚神経低下や神経障害による足の変形、末梢血管障害の有無がリスクファクターとして挙げられている。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
中西健史 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:戸倉新樹 : 講演料(サノフィ(株),日本イーライリリー(株),アッヴィ合同会社,マルホ(株))[2025年]

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糖尿病性皮膚潰瘍(糖尿病足病変)

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