今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 川村祐介 虎の門病院 肝臓センター 内科

監修: 持田智 埼玉医科大学 消化器内科・肝臓内科

著者校正/監修レビュー済:2025/03/12
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、肝細胞腺腫についてWHO分類において導入されている遺伝子変異に基づいた亜型について追記した。
  1. 肝細胞腺腫は、WHO分類2010において、遺伝子型により4つの亜型に分類される(①Hepatocyte nuclear factor 1α(HNF1α)不活型(H-HCA)、②β-catenin活性化型(b-HCA)、③Inflammatory HCA(I-HCA)、④分類不能型(u-HCA))。WHO分類2019ではb-HCAに新たにエクソン3変異型、エクソン7/8変異亜型、IHCA+b-HCA合併型、sonic hedgehog HCA(ShHCA)の亜型が追加された。遺伝子型の違いによりMRI画像所見に多様性があり、特に悪性転化リスクが高いとされるb-HCAは、脂肪化が少なく肝細胞相画像で高信号を示すことが多い点に留意する。

概要・推奨   

  1. 肝臓の良性腫瘍はいくつか種類があるが、本項では肝血管腫と肝腺腫:アデノーマについて解説する。
 
肝血管腫:
  1. 肝血管腫は、良性の肝腫瘍の中で最も頻度が高く、剖検例の約5%にみられる。臨床症状、身体所見を呈することはほとんどない。巨大血管腫の場合、きわめてまれに上腹部不快感、右上腹部痛、圧排による閉塞性黄疸、胃拡張などの症状を来すことがある。
  1. 肝血管腫は健診、人間ドック時の腹部画像検査、特に腹部超音波検査で発見されることが多い。造影剤を用いた画像検査で特徴的な造影パターンを認めれば肝血管腫の診断が確定する。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 肝臓の良性腫瘍はいくつか種類があるが、本項では肝血管腫と肝腺腫:アデノーマについて解説する。
 
肝血管腫:
  1. 肝血管腫は良性の肝腫瘍の中で最も頻度が高く、剖検例の約5%にみられる。中高年>若年、女性>男性、肝右葉に多くみられる。大きさは数mmから数cmまでさまざまだが、ほとんどが無症状で健診時の腹部超音波検査で偶然発見されることが多い[1][2]
  1. 肝血管腫の割面は暗赤色でスポンジ状を呈し、組織像は内皮細胞で覆われた多数の血管腔と線維性隔壁からなる。
  1. 肝血管腫は部分的な壊死、石灰化、線維化、硝子様硬化などの退行性変化を来し、このため典型的な画像所見を示さないことがある。硝子様硬化が著しい血管腫をsclerosed hemangiomaまたはhyalinized hemangioma (硝子様血管腫)と呼ぶ[1][3]
  1. 多くの場合、無症状で経過し治療の必要はない[1][2]。大きな血管腫の場合、きわめてまれに周辺臓器の圧排、血管腫内の出血、血栓形成、血管腫の破裂により、上腹部不快感、右季肋部痛などの症状を来すことがある[4]。巨大血管腫内に大量の血栓が生じ、血小板、凝固因子が消費され播種性血管内凝固症候群(DIC)となる病態をKasabach-Merritt症候群と呼ぶ[5]。このように症状や合併症を伴う場合は外科的切除の適応となる。
 
肝腺腫:アデノーマ:
  1. 肝腺腫は肝細胞由来の良性腫瘍で20~40歳代の女性に好発し、経口避妊薬内服(5年以上の内服)との関連が深い[6]。発生頻度は肝血管腫、限局性結節性過形成(focal nodular hyperplasia、FNH)より低く、欧米での頻度は10万人に4人程度[7]であるが、わが国の頻度はさらに低いとされる[8]
  1. 肝腺腫は糖原病1型の22~75%、3型の25%に合併するとされ、多くは20歳以下で肝腺腫が発生する[9][10]
  1. 肝細胞腺腫は、WHO Classification of the Tumor of the Digestive System 2010[11]において、遺伝子型により以下の4つの亜型に分類される(①Hepatocyte nuclear factor 1α(HNF1α)不活型(H-HCA)、②β-catenin活性化型(b-HCA)、③Inflammatory HCA(I-HCA)、④分類不能型(u-HCA))。
    WHO Classification of the Tumor of the Digestive System 2019[12]では、b-HCAに新たにエクソン3変異型、エクソン7/8変異亜型、IHCA+b-HCA合併型、sonic hedgehog HCA(ShHCA)の亜型が追加された。肝細胞腺腫内での割合は、H-HCA 20~30%、b-HCA 25%、I-HCA 30~45%程度である。これらの遺伝子型の差異により、MRI画像所見(早期濃染の程度、肝細胞相での信号値)にも多様性があり、悪性転化リスクが高いと報告されているb-HCAの特徴的なMRI画像所見として、脂肪化が少なく肝細胞相画像で高信号を呈することが多い点を捉える必要がある。
  1. 肝腺腫は正常肝に発生し、境界明瞭な充実性腫瘍で被膜を伴うことがあり、しばしば腫瘍内に出血や壊死を伴う。組織学的には異型に乏しい核とグリコーゲンに富む明調な胞体を持つ腫瘍細胞が、索状、敷石状に配列し、腫瘍内には門脈域は存在しない[13]
  1. 多くの場合、無症状であるが、巨大な腺腫の場合、上腹部不快感、圧迫感などの症状を認める[8][14]。腫瘍破裂や、腫瘍内出血を起こした場合は、突然の腹痛を来し、貧血、白血球増加を認める[8][15]。巨大な腺腫や多発する腺腫は悪性化することがある[16][17]
問診・診察のポイント  
肝血管腫:
  1. 肝血管腫によって臨床症状、身体所見を呈することはほとんどない[1][2]。巨大血管腫の場合、きわめてまれに上腹部不快感、右上腹部痛、圧排による閉塞性黄疸、胃拡張などの症状を来すことがある[4]
 
肝腺腫:アデノーマ:
  1. 肝腺腫では、経口避妊薬内服の有無、服薬期間などを聴取する。妊娠の有無も確認する。糖原病の病歴の有無を確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
川村祐介 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:持田智 : 講演料(エーザイ(株),中外製薬(株),あすか製薬(株),東レ(株),ギリアド・サイエンシズ(株),アッヴィ合同会社)[2025年]

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肝良性腫瘍(肝血管腫、アデノーマ)

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