今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 錦織直人1) 一路会錦織病院

著者: 中島祥介2) 奈良県立医科大学 消化器・小児外科・乳腺外科学教室

監修: 杉原健一 東京医科歯科大学大学院

著者校正/監修レビュー済:2022/10/26
参考ガイドライン:
  1. 日本循環器学会/日本血管外科学会:2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドライン(https://www.j-circ.or.jp/cms/wp-content/uploads/2022/03/JCS2022_Azuma.pdf)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 2022年改訂版 末梢動脈疾患ガイドラインに基づき、SMA閉塞症の診断と治療の内容を加えた。

概要・推奨   

  1. SMA閉塞症の疫学と初期診断:発症頻度は毎年5.6~8.6人/10万人と低いが、死亡率は24~94%と予後不良で、生命予後の改善には早期診断・治療が求められる(推奨度1J)
  1. SMA閉塞症の血液検査所見:初期では血液検査で炎症所見の上昇を伴わない場合もある。
  1. SMA閉塞症の画像診断による確定診断:問診・理学的所見・血液検査は必須であるが確定診断に至ることは困難であり、確定診断には画像評価が必須である(推奨度1J)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
上腸間膜動脈(SMA)閉塞症:
  1. 上腸間膜動脈閉塞症とは、血栓、塞栓を原因として発症する腸管・腸間膜虚血症で致死的な腹部救急疾患である。
  1. 10万人に5.3~8.6人に発症し、腸間膜血管閉塞疾患の約7割を占め、塞栓症が約7割、血栓症が約3割と報告されている。
  1. 閉塞部位により腸管の虚血範囲は決定されるが、全小腸から右側結腸に及ぶ広範囲壊死を生じ得る。
  1. 死亡率は24~94%と高率である。広範囲な小腸壊死を生じると、いったん救命しても術後短腸症候群を来し、免疫能低下や静脈栄養離脱困難となる。また動脈塞栓症の場合、多発塞栓が高頻度であり注意を要する。死亡率は約2~9割と高率であり、大量腸切除後の短腸症候群が問題となることも多い。
 
  1. SMA閉塞症の疫学と初期診断:発症頻度は毎年5.6~8.6人/10万人と低いが[1]、死亡率は24~94%と予後不良で[2]、生命予後の改善には早期診断・治療が求められる(推奨度1J)
  1. 救命の第1のポイントは早期診断であり、急性腹症の患者において当疾患も念頭に鑑別診断にあたることが大切である。
  1. 病歴:突然に発症する激しい腹痛が主訴であることが多い。本疾患を念頭に鑑別診断を行わない限り、早期診断は困難である。また循環器系の基礎疾患を伴う場合も多く、既往症などの問診も重要である[3]
 
上腸間膜静脈(SMV)血栓症:
  1. 上腸間膜静脈(SMV)血栓症とは、何らかの原因により腸間膜静脈内に血栓が形成され、末梢側に伸展すると直静脈から壁内静脈が閉塞するとうっ血性腸管壊死が生じ、中枢側伸展では肝機能異常や門脈圧亢進を生じることである。
  1. 腸間膜血管閉塞疾患の5~15%と報告されている。死亡率は欧米で15~40%、わが国で8~17%と報告されている。また血栓の再発率は11~29%と高率であり、注意を要する。
  1. 何らかの原因により腸間膜静脈内に血栓が形成され、末梢側に伸展すると直静脈から壁内静脈が閉塞し、うっ血性腸管壊死が生じ、中枢側に伸展すると肝機機能異常や門脈圧亢進を生じる。
  1. 血栓の伸展速度や側副血行路の発達の程度が、症状・予後に関与する。急速に腸管壊死に至る「急性型」、側副血行路の発達により症状の乏しい「慢性型」、慢性型の経過中に血栓の増大により発症する「亜急性型」に分類される。
 
  1. SMV血栓症の疫学と初期診断:発症頻度は毎年1.8人/10万人と低いが[4]、死亡率は5~76%と予後不良で[5][6][7]、急性腹症の患者において当疾患も念頭に鑑別診断にあたることが大切である(推奨度1)
  1. 腹痛や嘔気・嘔吐など非特異的な症状であり早期診断が難しい場合が多く、診断に48時間以上要した症例が75~86%を占めたとの報告もある[8]
  1. 病歴:腹痛、嘔気・嘔吐、下痢・下血、腹部膨満などの非特異的な症状の場合が多く、血栓形成が緩徐な症例では側副血行路の形成で症状が乏しい場合もある。本疾患を念頭に鑑別診断を行わない限り、早期診断は困難である。
  1. 追記:初期では腸管膜の動脈の血流は保たれるが、静脈血栓により徐々にうっ血と虚血が進行し、最終的に動脈閉塞が生じ腸管壊死を来すと考えられる[9]
問診・診察のポイント  
SMA閉塞症:
  1. 初期には激烈な腹痛や下痢が出現し、進行すると腸管壊死より汎発性腹膜炎を来しショック状態に陥る。腹膜刺激症状が発現する前に、まず激しい腹痛を訴える。腹部膨満、筋性防御などは発症後数時間で認められるようになり腸管穿孔などに起因するショック状態などは日単位の後に陥る。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
錦織直人 : 特に申告事項無し[2024年]
中島祥介 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:杉原健一 : 特に申告事項無し[2024年]

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上腸間膜動脈閉塞症・上腸間膜静脈血栓症

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