今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 岩崎博之 東京大学 小児科

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正/監修レビュー済:2022/08/03
参考ガイドライン:
  1. 国際頭痛学会・頭痛分類委員会著, 日本頭痛学会・国際頭痛分類委員会訳:国際頭痛分類第3版
  1. 日本神経学会日本頭痛学会:慢性頭痛の診療ガイドライン2013
  1. 日本神経学会日本頭痛学会日本神経治療学会:頭痛の診療ガイドライン2021
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 全体を見直し、また頭痛の診療ガイドライン2021に基づき改訂を行った。

概要・推奨   

  1. 小児・思春期の片頭痛は、国際頭痛分類第3版を用いて診断する。
  1. 小児の慢性頭痛患者に対するルーチン検査で、脳波検査は診断には有用ではない。
  1. 頭部画像検査は、神経学的所見の異常や、中枢神経疾患を疑わせる身体所見があるときに考慮される。小児の慢性頭痛患者に対するルーチン検査としては有用ではない。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 頭痛は主観的な訴えであり、本人にしかわからないことから診断に苦慮することが多い。
  1. 問診は頭痛診療に際して最も大切なことであり、症状の特徴から頭痛を分類していく。
  1. 基礎に原因疾患のない一次性頭痛と、原因疾患のある二次性頭痛に分類する。一次性頭痛が圧倒的に多いが、二次性頭痛、特に頭痛を伴う危険な疾患を鑑別することが大切である。(図アルゴリズム
  1. 一次性頭痛では、大きくは片頭痛(表<図表>)と緊張型頭痛(表<図表>)とを区別して対応する。
  1. 日本人小児・思春期の学校基盤調査で片頭痛の有病率は小学生で3.5%(男4.0%、女2.9%)、中学生で4.8~5.0%(男3.1~3.3%、女6.5~7.0%)、高校生で15.6%(男13.7%、女17.5%)というデータがある。
  1. 日本人小児・思春期の学校基盤調査で緊張型頭痛の有病率は小学生で5.4%(男4.6%、女6.1%)、中学生で11.2%(男10.2%、女12.2%)、高校生で26.8%(男23.0%、女30.6%)というデータがある。
問診・診察のポイント  
  1. 頭痛を伴う危険な疾患を念頭に置いて、以下の問診を行う。①急な発症か。②これまでで一番痛い激烈な頭痛か。③頭痛が段々と強くなってきているか。(図アルゴリズム
  1. 上記問診に「はい」がある場合、診察にて神経学的所見がある(手足が動かしづらい、ふらついて歩く、しびれる、感覚がない等)場合、てんかん発作を伴う場合、繰り返す嘔吐を伴う場合には、緊急疾患を考えて頭部MRI(MRAも行う)や頭部CT検査を行う。必要に応じて脳波検査も行う(過呼吸負荷はモヤモヤ病を疑う場合には行わない)。

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常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
岩崎博之 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2024年]

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