今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 張田豊 東京大学 生殖・発達・加齢医学専攻 小児医学講座

監修: 五十嵐隆 国立成育医療研究センター

著者校正済:2025/04/01
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. KDIGO 2021 CLINICAL PRACTICE GUIDELINE FOR THE MANAGEMENT OF GLOMERULAR DISEASES Chapter 7: Infection-related glomerulonephritis.Kidney International (2021) 100, S172–S186)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、Nephritis-associated plasmin receptor (NAPlr)や予後について最近の知見を追加した(Yoshizawa N, et al. Int. J. Mol. Sci. 2022;23(17):9974.、 Dhakal AK, et al. Pediatr Nephrol. 2023;38:3327-3336.)。

概要・推奨   

  1. 急性腎炎症候群は、急性に発症する血尿、蛋白尿、高血圧、糸球体濾過率の低下およびNaと水分の貯留(浮腫)を来す症候群である。(推奨度1)
  1. 小児の急性腎炎の大半は急性溶連菌感染後急性糸球体腎炎であるがほかの病原体を原因とする場合もある。(推奨度1)
  1. 溶連菌感染後急性糸球体腎炎のほとんどは完全に治癒し、とくに小児では予後良好である。(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 急性腎炎症候群は、急性に発症する血尿、蛋白尿、高血圧、糸球体濾過率の低下およびNaと水分の貯留(浮腫)を来す症候群である。(<図表>
  1. ほとんどが急性糸球体腎炎によるものであり、その大部分(8~9割)はA群β溶連菌の感染が原因である。上気道感染後に平均10日間、皮膚感染後には約2週間の潜伏期間をおいて発症する。(アルゴリズム)急性溶連菌感染後急性糸球体腎炎(APSGN)は対症療法が主であり、乏尿期には塩分制限(3~5g/日)、飲水制限を行う。浮腫が著明な場合は利尿薬を用いる。自然治癒することが多い。
  1. 高血圧が持続する場合は、降圧薬(Ca拮抗薬、α1遮断薬、アンジオテンシン変換酵素[ACE]阻害薬、アンジオテンシンⅡレセプター拮抗薬など)を併用する
  1. 大部分は回復するが、重症例や遷延化する症例に対しては、慢性腎炎の急性増悪との鑑別が必要であり、腎生検が必要となる。
  1. いったん急性腎炎が治癒したのちも尿異常の再発が数割の患者にみられるため、フォローアップが大切である。
 
  1. 溶連菌感染後急性糸球体腎炎の疫学
  1. 先進国での溶連菌感染後急性糸球体腎炎は変化している。1960年代に比べ、罹患年齢が上昇し、罹患頻度が減少、軽症例が増加している。以前は溶連菌による膿皮症が原因の大半であったが、近年では大半が咽頭炎を契機としている。社会経済的な環境の変化がその原因と考えられている[1]
問診・診察のポイント  
  1. 先行感染後、コーヒー残渣様の肉眼的血尿、浮腫などで発症することが多い。高血圧脳症などで発病する場合や蛋白尿と浮腫が著明でネフローゼ症状により診断される場合もある。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
張田豊 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:五十嵐隆 : 特に申告事項無し[2024年]

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急性腎炎症候群(小児科)

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