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著者: 駒形嘉紀 杏林大学医学部 腎臓・リウマチ膠原病内科

監修: 長瀬隆英 東京大学名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2023/06/22
参考ガイドライン:
  1. 厚生労働省 難治性血管炎に関する調査研究班:抗リン脂質抗体症候群・好酸球性多発血管炎性肉芽腫症・結節性多発動脈炎・リウマトイド血管炎の治療の手引き 2020
  1. アメリカリウマチ学会(American College of Rheumatology;ACR):2021 American College of Rheumatology/Vasculitis Foundation Guideline
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 治療に関する厚労省からの新ガイドライン、診断・治療に関するアメリカリウマチ学会からの新ガイドラインを踏まえて大幅に改訂を行った。
  1. 難病法に基づく難病申請数をベースに最近の疫学について改訂した。
  1. 厚労省研究班から出版された最新の「治療の手引き2020」を踏まえて、治療アルゴリズムを新たに記載した。
  1. アメリカリウマチ学会(ACR)から2021年にANCA関連血管炎についての分類基準が発表されたので、新たに記載した。
  1. ACRからは同時に新しい治療ガイドラインも発表されたので、その内容にも触れた。

概要・推奨   

  1. 重症でないEGPAの寛解導入治療ではグルココルチコイド単独による治療をする(推奨度1)
  1. 重症でないEGPAに対してグルココルチコイド単独による寛解導入治療が効果不十分の場合、あるいは重要臓器病変を有する重症例の場合、静注シクロホスファミドパルスをグルココルチコイドに追加併用する(推奨度1)
  1. グルココルチコイド単独あるいはグルココルチコイドに免疫抑制薬を併用しても、寛解とならなかったか、寛解後に再発した治療抵抗性のEGPAの寛解導入治療では、メポリズマブを併用する(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(Eosinophilic Granulomatosis with polyantiitis; EGPA)は、気管支喘息やアレルギー性鼻炎を前駆症状とし、高度の好酸球増加と全身多臓器(循環器、消化器、神経、腎臓、皮膚など)に障害を示す壊死性血管炎である[1]
  1. 原因・病因は不明であるが、約3-4割にミエロペルオキシダーゼに対する自己抗体(MPO-ANCA)が検出され、全身性血管炎に分類される。
  1. 早期診断、早期治療が予後に大きく影響する。特に末梢神経障害はその後のQOLに影響が大きい。また心合併症、消化管穿孔は重要な生命予後因子である。
  1. 全身性血管炎の分類が2012年に改訂され(Chapel Hill分類2012)、以前のChurg-Strauss症候群という名称から好酸球性多発血管炎性肉芽腫症に変更となった。同時にWegener肉芽腫症は多発血管炎性肉芽腫症に変更となっている。
  1. 好酸球性多発血管炎性肉芽腫症は指定難病であり、重症度分類3度以上などは、難病申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。(平成27年1月施行
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
  1. 難病申請数からの推計では、年々患者数は増加している。これは実際の患者数の増加の要素よりも、疾患認知度の上昇によりこれまで見逃されていた患者が新たに本疾患と診断されるようになったことが大きく関与していると思われる。
 
問診・診察のポイント  
  1. 気管支喘息の先行は約95%に認められる。大半が成人発症であり、気管支喘息出現から3年以内の発症が多い。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
駒形嘉紀 : 講演料(グラクソ・スミスクライン(株))[2024年]
監修:長瀬隆英 : 特に申告事項無し[2024年]

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好酸球性多発血管炎性肉芽腫症

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