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著者: 田邉信宏 千葉県済生会習志野病院 肺高血圧症センター

監修: 久保惠嗣 信州大学名誉教授

著者校正/監修レビュー済:2022/07/06
参考ガイドライン:
  1. 日本肺高血圧・肺循環学会慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)診療ガイドライン 2022(2022年5月閲覧)
  1. 日本循環器学会肺高血圧症治療ガイドライン(2017年改訂版)(2022年4月閲覧)
  1. Konstantinides SV, Meyer G, Becattini C, Bueno H, Geersing G-J, Harjola V-P, Huisman MV, Humbert M, Jennings CS, Jimenez D, Kucher N, Lang IM, Lankeit M, Lorusso R, Mazzolai L, Meneveau N, Ní Áinle F, Prandoni P, Pruszczyk P, Righini M, Torbicki A, Van Belle E, Zamorano JL, ESC Scientific Document Group. 2019 ESC Guidelines for the diagnosis and management of acute pulmonary embolism developed in collaboration with the European Respiratory Society (ERS). Eur Heart J 2020; 41: 543–603.
  1. Delcroix M, Torbicki A, Gopalan D, Sitbon O, Klok FA, Lang I, Jenkins D, Kim NH, Humbert M, Jais X, Vonk Noordegraaf A, Pepke-Zaba J, Brénot P, Dorfmuller P, Fadel E, Ghofrani HA, Hoeper MM, Jansa P, Madani M, Matsubara H, Ogo T, Grünig E, D'Armini A, Galie N, Meyer B, Corkery P, Meszaros G, Mayer E, Simonneau G. ERS statement on chronic thromboembolic pulmonary hypertension Eur Respir J. 2021 Jun 17;57(6):2002828. doi: 10.1183/13993003.02828-2020. Print 2021 Jun.PMID: 33334946
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 慢性血栓塞栓性肺高血圧症発症予測のため、急性肺塞栓症後3−6ケ月に臨床的評価を行うことを明記。
  1. バルーン肺動脈拡張術の海外での普及、ガイドライン記載に基づきエビンデンスランクを変更。
  1. セレキシパグを用いた慢性血栓塞栓性肺高血圧症の無作為化比較試験の結果および適用追加。

概要・推奨   

  1. 原因不明の労作時の息切れを呈する患者では、慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)を疑うことが重要である(推奨度1)
  1. CTEPH発症の予測のため、急性血栓肺塞栓症後3-6ケ月後に臨床的評価をすることが有用である(推奨度1)
  1. 肺換気・血流スキャンは、CTEPH診断において、胸部造影CTより特異度、敏感度ともに高く、肺血流スキャンが正常の場合、本症は否定される(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. CTEPHは、器質化した血栓により肺動脈が慢性的に閉塞を起こし、肺高血圧症を合併するもので、労作時の息切れが特徴である。
  1. CTEPHは、指定難病であり、Stage2以上を認める場合などでは申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される([平成27年1月施行])。2020年度末で4,608人の患者が存在する[1]
  1.  難病法に基づく医療費助成制度 
  1. 肺動脈性肺高血圧症との鑑別には、肺換気・血流スキャンが有用で、本症では換気に異常を認めない区域性の血流欠損を呈する。
  1. 確定診断は、胸部造影CTあるいは肺動脈造影の慢性血栓所見と、右心カテーテル検査で、肺動脈楔入圧が正常な肺高血圧症を確認することによる(認定基準の表)[2]
 
CTEPHの診断基準

本症は、厚生労働省の特定疾患、治療給付対象疾患であり、表の認定基準を満たすものとされる。

出典

日本肺高血圧・肺循環学会他編:[http://jpcphs.org/pdf/guideline/cteph_guideline.pdf 慢性血栓塞栓性肺高血圧症(CTEPH)診療ガイドライン 2022]、p5-7、日本肺高血圧・肺循環学会、2022(2022年5月閲覧)
 
  1. 肺高血圧症の重症な例では内科的治療には限界があり、予後不良とされてきたが、PEA(<図表>)によりQOLや生命予後の改善が得られる症例が存在する。
 
PEAによって、摘出された血栓内膜標本

内弾性板のところで、剝離面をみつけ、血栓を内膜とともに鋳型状に摘出する。

出典

著者提供
 
PEAによって、摘出された血栓内膜標本 

内弾性板のところで、剝離面をみつけ、血栓を内膜とともに鋳型状に摘出する。
術前 平均肺動脈圧70 mmHg、肺血管抵抗1,699 dyn・s・cm-5であったが、術後 平均肺動脈圧16 mmHg、肺血管抵抗183 dyn・s・cm-5まで改善した。

出典

著者提供
 
  1. BPAによって、肺血行動態、予後の改善が得られるため、手術の適応とならない例では、熟練した医師によるBPAを考慮する。
問診・診察のポイント  
  1. 労作時の息切れを主訴とする患者では、本症を疑うことが最も重要である[2][3]
  1. 呼吸器疾患患者で、肺機能低下に比して息切れが強い場合も、本症を疑う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
田邉信宏 : 講演料(日本新薬(株),MSD(株),持田製薬(株))[2025年]
監修:久保惠嗣 : 特に申告事項無し[2025年]

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