今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 原永修作 琉球大学病院 総合臨床研修・教育センター

監修: 藤田次郎 琉球大学名誉教授、おもと会グループ特別顧問

著者校正/監修レビュー済:2023/05/10
参考ガイドライン:
  1. 日本呼吸器学会:咳嗽・喀痰の診療ガイドライン 2019
  1. 日本感染症学会:気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言
  1. CHEST Expert Cough Panel: Acute Cough Due to Acute Bronchitis in Immunocompetent Adult Outpatients: CHEST Expert Panel Report
  1. American Academy of Pediatrics: Clinical Practice Guideline: The Diagnosis, Management, and Prevention of Bronchiolitis
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 急性気管支炎は2020年に発表されたCHEST Expert Panel Report「Acute Cough Due to Acute Bronchitis in Immunocompetent Adult Outpatients」に沿った内容とした。
  1. 急性細気管支炎については「Clinical Practice Guideline: The Diagnosis, Management, and Prevention of Bronchiolitis」に沿った内容とした。
  1. 新型コロナウイルスについても記載した。
  1. 2020年の患者調査結果が公開されたため、急性気管支炎、細気管支炎の外来患者数の年次推移のグラフを最新のデータに更新した。

概要・推奨   

  1. インフルエンザワクチン接種は健常成人においてすぐれた予防効果を示す(推奨度2)
  1. 急性気管支炎ではほとんどの症例がウイルスによる感染のため、抗菌薬の投与は推奨されない(推奨度3)
  1. 健常人の急性気管支炎では気管支拡張薬(β2刺激薬)の効果は乏しいため、ルーチンでの使用は推奨されない(推奨度3)
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  1. 急性細気管支炎におけるβ2刺激薬の投与は臨床経過を短縮するが、酸素化や入院率の改善にはつながらない(推奨度3)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
急性気管支炎:[1][2][3][4][5][6][7]
  1. 急性気管支炎は急性の咳を特徴とし、日常診療においてよくみられる疾患の1つで、喀痰は伴わないこともある。
  1. 急性気管支炎は気管支の感染症で、肺炎を伴わないものを指す。
  1. 急性気管支炎の通常1-3週間程度で自然軽快する。
  1. 健常人の急性気管支炎の起因病原体はウイルスが最も多く、ライノウイルス、エンテロウイルス、インフルエンザ(A,B), パラインフルエンザウイルス、コロナウイルス、respiratory syncytial(RS)ウイルス、ヒトメタニューモウイルスなどが主な原因である。
  1. 百日咳菌やマイコプラズマ、肺炎クラミジアなどの非定型病原体や一般細菌でも原因となりうるが稀である。
  1. COPDや気管支拡張症といった呼吸器疾患や、心不全などの基礎疾患がある場合は細菌感染の割合が増える。
  1. 急性気管支炎の診断は病歴と身体所見によってなされ、画像診断や血液検査は不要である。
  1. インフルエンザウイルスや百日咳、マイコプラズマが原因である場合には抗原検査や抗体検査が有用である。
 
急性細気管支炎([DiseaseID:1552 細気管支炎(小児科)]も参照):[8]
  1. 急性細気管支炎は幼小児や基礎疾患のある成人に発症する細気管支レベルでの急性炎症である。
  1. 季節性の流行がみられる。
  1. RSウイルスが原因としては多い。
  1. 近年、乳幼児や高齢者、基礎疾患のある成人でヒトメタニューモウイルスが原因となることが報告されている。
  1. 鼻汁、咳嗽、微熱に引き続いて呼吸困難や喘鳴を認める。
  1. 急性細気管支炎では呼吸状態の悪化により入院加療を要することがあるため、診断と重症度判定を行う必要がある。
  1. 重症化のリスクとして12週未満、未熟児、心肺疾患の基礎疾患、免疫不全状態などがある。
  1. 治療は支持療法が主体である。
問診・診察のポイント  
急性気管支炎:
  1. 急性気管支炎では咳嗽や喀痰といった気道の炎症による症状や発熱などの全身症状がみられる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
原永修作 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:藤田次郎 : 特に申告事項無し[2024年]

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急性気管支炎・急性細気管支炎

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