今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 濱田洋実 筑波大学 医学医療系産科婦人科学

監修: 金山尚裕 静岡医療科学専門大学校

著者校正/監修レビュー済:2024/09/04
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン産科編2023
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン産科編2023の発行に伴うレビューを行った。
  1. 新たな内容の追加はないが、既存の説明の補足等を行った。
 

概要・推奨   

  1. 妊娠12週未満の流産診断時には、異所性妊娠(正所異所同時妊娠を含む)の否定に努めなくてはならない(推奨度1)
  1. 妊娠12週未満の稽留流産・不全流産・進行流産の場合は、待機的管理、あるいは外科的治療(子宮内容除去術)を行う(推奨度1)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 流産(abortion)とは妊娠22週未満の妊娠中絶をいう。
  1. このうち、何らかの病的な原因により、あるいは原因は不明ながら、自然に起こる流産を自然流産(spontaneous abortion)という。
  1. 一方、母体保護法に基づいて人工的に中絶された流産を人工流産(artificial abortion)という。
  1. 臨床的妊娠の約15%が結果的に自然流産に終わることが知られている。
  1. 自然流産のほとんどが妊娠12週未満で起こり、妊娠12週以降の流産は全自然流産の10%程度とされている。
  1. 自然流産の分類としては、どのような観点から分類するかによって次の表のように分類されている[1][2]
 
自然流産の分類

自然流産は、その妊娠期間、臨床的形式等、あるいは子宮内容の状態により表のように分類される。

出典

濱田洋実:流産.ペリネイタルケア2007夏季増刊.2007; 40-46. を元に作図
 
  1. なお、表(<図表>)以外に「切迫流産」という病名があるが、これは流産の1つではない。 >詳細情報 
  1. 以下、本項での「流産」は「自然流産」を指す。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 主訴、現病歴を詳細に聴取するのはもちろん、年齢、身長・体重、月経歴、過去の妊娠・分娩歴、今回の妊娠における不妊治療の有無(ある場合はその治療内容)、婦人科および他科の合併疾患や既往歴の有無、家族歴などについて問診を行う。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
濱田洋実 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:金山尚裕 : 特に申告事項無し[2024年]

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