今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 金崎春彦 島根大学医学部産科婦人科

監修: 岩瀬明 群馬大学大学院医学系研究科産科婦人科学講座

著者校正/監修レビュー済:2023/12/06
参考ガイドライン:
  1. 日本産科婦人科学会/日本産婦人科医会:産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023
  1. Endocrine Society:Diagnosis and Treatment of Hyperprolactinemia: An Endocrine Society Clinical Practice Guideline 2011
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 産婦人科診療ガイドライン 婦人科外来編2023の発行に伴いレビューを行った。
  1. 以下の推奨文を追加した。
  1. 甲状腺機能低下症を伴う場合は甲状腺ホルモン補充による治療を行う(推奨度2)
  1. 上記(※本文参照)に該当しない視床下部性の治療適応例に対してはドパミン作動薬による治療を行う(推奨度1)
  1. 下垂体卒中、視力視野障害を起こす腫瘍、薬剤抵抗例、薬剤療法不耐応例などは、脳神経外科医に紹介する(推奨度2)
  1. 以下の推奨文を削除した。
  1. 乳汁漏出の有無は左右とも確認する(推奨度2)
  1. 視床下部性に対しては、ドパミン作働薬による治療を行う(推奨度1)
  1. 不妊治療における排卵誘発にレトロゾール療法を追加した。

概要・推奨   

高プロラクチン血症の診断
  1. 月経異常や乳汁漏出がある場合にはプロラクチン(PRL)測定を行う(推奨度1)
  1. プロラクチン値が高い場合、甲状腺機能検査も行う(推奨度2)
  1. 薬剤服用(精神科、内科)、甲状腺疾患症状の有無、頭痛、視野狭窄の有無を問診する(推奨度2)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲
閲覧にはご契
閲覧にはご契約が必要となり
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となりま

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 一般婦人における高プロラクチン血症の頻度は0.4%、卵巣機能異常の婦人では9~17%にみられる。
  1. 患者は多くの場合、月経異常、乳汁漏出を主訴に来院する。高プロラクチン血症の頻度は無月経患者の21.7%といわれる。高プロラクチン血症の原因について表に示した[1]
 
高プロラクチン血症の原因

<図表> 高プロラクチン血症を起こす薬剤

出典

B M Biller, A Luciano, P G Crosignani, M Molitch, D Olive, R Rebar, J Sanfilippo, J Webster, H Zacur
Guidelines for the diagnosis and treatment of hyperprolactinemia.
J Reprod Med. 1999 Dec;44(12 Suppl):1075-84.
Abstract/Text Hyperprolactinemia is the most common endocrine disorder of the hypothalamic-pituitary axis. While it can occur in men, it occurs more commonly in women. The prevalence of hyperprolactinemia ranges from 0.4% in an unselected normal adult population to as high as 9-17% in women with reproductive disorders. There are many possible causes of hyperprolactinemia, falling into three general categories: physiologic, pharmacologic and pathologic. When specific treatable underlying causes have been eliminated and in cases of severe hyperprolactinemia, the most likely cause is a prolactin (PRL)-secreting pituitary adenoma. Microadenomas should be treated medically, with a dopamine agonist, if there is an indication for therapy (such as amenorrhea, infertility or bothersome galactorrhea). If there is no indication for therapy, microadenomas may be followed conservatively, as growth is uncommon. Macroadenomas may grow larger; medical therapy is recommended initially, with neurosurgical evaluation reserved for specific clinical situations, such as failure of medical therapy and evidence of mass effect despite medical therapy. In the United States, the dopamine agonists indicated for treatment of hyperprolactinemia are bromocriptine and cabergoline. Bromocriptine is usually given once or twice daily, while cabergoline has a long duration of action and is given once or twice weekly. Results of comparative studies indicate that cabergoline is clearly superior to bromocriptine in efficacy (PRL suppression, restoration of gonadal function) and tolerability.

PMID 10649814
 
  1. 乳汁分泌女性の約50%ではプロラクチンは正常範囲内である。乳汁分泌があっても卵巣機能が正常の場合も多い。
  1. 乳汁分泌を伴わない無月経患者の15%に高プロラクチン血症が認められる。
  1. 乳汁分泌と無月経を持つ患者の2/3に高プロラクチン血症が認められ、その1/3にプロラクチノーマがあるといわれる。
  1. 高プロラクチン血症の原因は多岐にわたる。実際に臨床現場で経験するものを大別すると、生理的因子(妊娠、授乳など)、下垂体疾患(プロラクチノーマなど)、薬物服用(ドパミンアゴニストなど)、その他(甲状腺機能低下症など)に分けられる。
  1. プロラクチンは睡眠、運動、食事・飲水、精神的ストレス、妊娠、授乳、乳房刺激などの生理的要因によっても上昇する。
  1. 頻度の高い疾患としてはプロラクチノーマ34.3%、Argonz-del-Castillo症候群17.8%、Chiari-Frommel症候群12.8%、原発性甲状腺機能低下症5.2%、Acromegalyに伴うもの4.4%、間脳腫瘍2.6%などである。
  1. 薬剤によるものが8.6%にみられる。薬剤性のものとしては、スルピリド(精神科、消化器内科で処方)が最も多い。
  1. 比較的まれな疾患としてはサルコイドーシス、ヘルペスや胸部手術などの胸壁疾患、そのほか慢性腎不全や、肝硬変、てんかんなどがある。
  1. 高プロラクチン血症を来す疾患の一部である、プロラクチノーマによる下垂体性PRL分泌亢進症は指定難病であり、重症度基準で中等症以上の場合などでは、申請し認定されると保険料の自己負担分の一部が公費負担として助成される。
  1. 下垂体性PRL分泌亢進症 平成27年1月施行
  1. 難病法に基づく医療費助成制度
問診・診察のポイント  
  1. 乳汁分泌、月経異常、排卵障害などがある場合には病歴を詳細に検討し、生理的原因、精神科疾患、消化器疾患の既往と薬剤服用を問診する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
金崎春彦 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:岩瀬明 : 講演料(あすか製薬(株),富士製薬工業(株))[2025年]

ページ上部に戻る

高プロラクチン血症

戻る