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著者: 鈴木正志 大分大学医学部 耳鼻咽喉科学講座

著者: 渡辺哲生 大分大学医学部 耳鼻咽喉科学講座

監修: 森山寛1) 東京慈恵会医科大学附属病院

監修: 小島博己2) 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正/監修レビュー済:2025/01/29
参考ガイドライン:
  1. 厚生労働省健康局結核感染症課抗微生物薬適正使用の手引き 第三版
  1. 日本感染症学会:気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言(改訂版)
  1. ドイツ科学医療専門家協議会(AWMF):Clinical practice guideline: tonsillitis I. Diagnostics and nonsurgical management. (2016)
  1. ドイツ科学医療専門家協議会(AWMF):Clinical practice guideline: tonsillitis II. Surgical management. (2016)
  1. 米国耳鼻咽喉科・頭頸部外科学会(AAO-HNSF):Clinical Practice Guideline: Tonsillectomy in Children (Update) February 2019
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、鑑別疾患へ「COVID-19による喉頭炎」を追記した。
 

概要・推奨   

  1. 急性扁桃炎では治療においてウイルス性か細菌性かの鑑別、重症度が重要である。原因の鑑別にはCentorスコア、McIsaacスコア(G)、成人では気道感染症の抗菌薬適正使用に関する提言に示されている重症度分類(J)が参考となる(推奨度2)。原因の鑑別にはCentorスコア、McIsaacスコア(G)、重症度には急性咽頭・扁桃炎スコアリングシステム(J)が参考となる(推奨度2)
  1. 反復性扁桃炎では口蓋扁桃摘出術が適応となる。小児においては推奨される(推奨度2)が、成人においては効果について検討を要する(G)。
  1. 扁桃周囲膿瘍では抗菌薬投与に加えて穿刺吸引、切開排膿、即時扁摘が推奨される(G)(推奨度2)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 急性扁桃炎は、細菌またはウイルスなどの感染によって起こる。
  1. 起炎菌としてはA群ß溶血性連鎖球菌が最も多く、小児では15~30%、成人では10~15%で検出される。ウイルスの関与は、小児では10~40%、成人では20~30%とされる。
  1. 急性炎症が咽頭粘膜に強い場合には急性咽頭炎、口蓋扁桃の炎症が強い場合には急性扁桃炎とされ、多くの場合は急性咽頭・扁桃炎の病態をとる。
  1. 慢性扁桃炎は、ワルダイエル咽頭輪に所属する扁桃・リンパ組織に生じた慢性炎症と定義され、①慢性単純扁桃炎、②反復性扁桃炎、③扁桃病巣感染症――に大きく分類される。
  1. 急性炎症が口蓋扁桃を超えて周囲組織(扁桃周囲間隙)に波及した場合に扁桃周囲炎となり、さらに膿瘍を形成した場合に扁桃周囲膿瘍となる。
 
扁桃周囲組織

扁桃周囲膿瘍は扁桃周囲間隙(扁桃被膜と上咽頭収縮筋との間)に膿瘍を形成する。

問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発熱の有無、その程度

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
鈴木正志 : 特に申告事項無し[2024年]
渡辺哲生 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:森山寛 : 未申告[2024年]
監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2024年]

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