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著者: 福田智美 東京慈恵会医科大学附属病院 耳鼻咽喉・頭頸部外科

監修: 森山寛1) 東京慈恵会医科大学附属病院

監修: 小島博己2) 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正済:2025/05/14
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について追記・修正を行った。
  1. 「気道閉塞を生じた食物の誤嚥」による死亡者数のデータおよび出典を最新の情報へ改訂した。
  1. 症例報告として典型例を報告した。

概要・推奨   

  1. 呼吸障害の程度、感染徴候の有無をまず確認すること。
  1. 発症時の状況やエピソード、異物の種類を詳しく聴取し、診察・検査を行い、異物の部位と状態を正確に把握するよう努める。
  1. CTなどによる画像検査が重要だが、X線透過性の異物も念頭に置くこと。
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まとめ 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 異物による窒息は消費者庁の注意勧告[1][2]にもあるように、プライマリケアにおいて最も重要である。
  1. 咽頭異物が大半を占め、喉頭異物は比較的まれである[3]
  1. 咽頭異物の部位は中咽頭、特に口蓋扁桃、次いで舌扁桃に多く、わが国では魚骨異物が多い[4][5]。小児では玩具、脳梗塞などの基礎疾患を持つ高齢者では、大きな食物塊や薬包装(PTP)、義歯、ガラスや金属片の食事への混入も原因となる[4][6]。喉頭異物は気道異物のうち喉頭の異物で、小児では魚骨、老人では餅などが多い[3][4]
  1. 咽頭異物と喉頭異物は餅などの異物では同時に発生する。
  1. 咽喉頭異物症は小児と高齢者に多いが、好発する異物の種類が異なる。
  1. 小児の咽喉頭異物と成人の咽喉頭異物では取り扱いが異なるので分けて記載する。
 
気道閉塞を生じた食物の誤嚥による死亡者数(令和4年、年代別)

厚生労働省の「人口動態統計」()によると、令和4年における「その他の不慮の窒息」のうち「気道閉塞を生じた食物の誤えん」による死亡者数は4,696人である。このうち4,297人が65歳以上の高齢者であり、全体の9割以上と非常に高い割合を占めている。
厚生労働省「人口動態調査」の統計表「人口動態統計(確定数)」(2022年)下巻 表1-1「死亡数、死因(三桁基本分類)・性・年齢(5歳階級)別(ICD-10コード V~Y、U)」

出典

消費者庁. コラムVol.5 冬に増加する高齢者の事故に注意! ―餅による窒息. [https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_safety/child/project_001/mail/20231227/](2025年5月参照)
問診・診察のポイント  
問診のポイント
  1. 問診で一番大事な内容は、異物症発症の現場の確認である。

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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
福田智美 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:森山寛 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2025年]

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小児の咽喉頭異物・成人の咽喉頭異物

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