今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松浦一登 国立がん研究センター東病院 頭頸部外科

監修: 森山寛1) 東京慈恵会医科大学附属病院

監修: 小島博己2) 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正/監修レビュー済:2025/03/12
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、追記・修正を行った。主な修正点は以下である。
  1. 術式の選択について追記した。
  1. 副咽頭間隙腫瘍切除の場合に認められる合併症、手術の合併症の頻度について追記した。
 

概要・推奨   

  1. 耳下腺由来の良性腫瘍の場合は手術が推奨される(推奨度1)
  1. 神経原性腫瘍の場合、由来神経を同定して手術を決める(推奨度2)
  1. 嚢胞性疾患では手術以外の治療法の選択ができる(推奨度1)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 副咽頭間隙腫瘍は副咽頭間隙を占拠する腫瘍であり、副咽頭間隙内あるいはその周囲にある臓器から発生して進展してきた腫瘍の総称である。約80%が良性腫瘍であるが約20%に悪性腫瘍が発⽣する[1][2][3][4]
  1. 副咽頭間隙とは内側は中・上咽頭収縮筋で、外側の境界は内側および外側翼突筋、下顎技、咬筋、耳下腺深葉で境されている。また上方が頭蓋底で、下方が舌骨大角に位置し、頭蓋底を底面とし舌骨を頂点とする円錐形を呈している。比較的粗な組織と脂肪で占められた間隙である[5]
 
副咽頭間隙シェーマ

出典

加藤孝邦先生ご提供
 
  1. 副咽頭間隙は2つに分けられる。茎状突起から口蓋帆張筋へ連なる筋膜により仕切りされ、完全に閉鎖されているのではなく一部は交通している。この仕切りより、茎突前隙(前区)と茎突後隙(後区)に分かれる。茎突前隙には耳下腺深葉と外頸動脈、三叉神経の第3枝の枝が含まれ、ほとんどが脂肪組織である。茎突後隙には内頸動脈、内頸静脈、下位脳神経(舌咽神経、迷走神経、副神経、舌下神経)、交感神経、リンパ節が含まれている。
  1. 茎突前隙には耳下腺組織との境界があり、耳下腺深葉由来の腫瘍が発生することが多く、大部分は多形腺腫である。
  1. 茎突後隙では神経や血管が走行しているので神経由来の腫瘍が発生することが多く、大部分は神経鞘腫である。
  1. 副咽頭間隙腫瘍の多くは良性腫瘍であるが、悪性腫瘍も発生する。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 主訴としては頸部腫脹、咽頭腫脹、咽頭違和感、異物感、嚥下時の違和感、耳閉感、耳痛、ホルネル徴候などがあるが、最近では検診で指摘されて無症状で来院することも珍しくない。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
監修:森山寛 : 未申告[2024年]
監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2024年]

ページ上部に戻る

副咽頭間隙腫瘍

戻る