今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 櫻井大樹 山梨大学大学院総合研究部医学域 耳鼻咽喉科・頭頸部外科学講座

監修: 小島博己 東京慈恵会医科大学 耳鼻咽喉科

著者校正/監修レビュー済:2025/07/23
参考ガイドライン:
  1. 日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会:鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版(改訂第10版)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版』の内容を反映し、アレルギー性鼻炎の機序、鑑別疾患を追記した。また、治療選択肢となる使用可能な薬剤を改訂した。

概要・推奨   

  1. くしゃみとは、鼻粘膜に分布する三叉神経終末の刺激情報がC線維を上行し、脳幹のくしゃみ中枢に伝達された結果誘発される、発作性の爆発的な呼気のことである。
  1. 通年性アレルギー性鼻炎、花粉症では、鼻アレルギー診療ガイドラインで重症度に応じた治療法が推奨されている。
  1. 通年性アレルギー性鼻炎の重症や花粉症の重症()以上では、手術治療も選択肢となるため、専門医に相談することを考慮する必要がある。

病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 鼻粘膜に分布する三叉神経終末を刺激すると、その情報がC線維を上行し、脳幹のくしゃみ中枢に伝達される。反射性に激しい呼気運動が誘発され、発作性の爆発的な呼気として現れるのがくしゃみである。
  1. 三叉神経終末を刺激するものには、機械的刺激、温度・湿度の変化、化学的刺激物質、炎症やアレルギー反応がある。
  1. くしゃみを起こす最も代表的疾患であるアレルギー性鼻炎や花粉症では、吸入抗原が鼻粘膜に入ると肥満細胞からヒスタミンが遊離し、三叉神経終末(知覚神経)を刺激する。ほかに神経ペプチドも三叉神経終末を刺激し、くしゃみの原因となり得る。
 
アレルギー性鼻炎発症のメカニズム

出典

日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー学会/鼻アレルギー診療ガイドライン作成委員会編. 鼻アレルギー診療ガイドライン 2024年版 改訂第10版, 金原出版, 2024, p15, 図4.
問診・診察のポイント  
 
  1. くしゃみの訴えのほかに、鼻漏や鼻閉が随伴するかどうか、鼻漏は水様性かどうか聴取する。またくしゃみ、鼻漏、鼻閉の程度が比例するかどうか確認する。さらに眼の症状があるか確認する。

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監修:小島博己 : 特に申告事項無し[2025年]

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くしゃみ

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