今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 大場雄一郎 大阪急性期・総合医療センター 総合内科・感染症科

監修: 具芳明 東京科学大学大学院医歯学総合研究科 統合臨床感染症学分野

著者校正/監修レビュー済:2024/11/27
参考ガイドライン:
  1. Clinical Practice Guidelines by the Infectious Diseases Society of America:2018 Update on Diagnosis, Treatment, Chemoprophylaxis, and Institutional Outbreak Management of Seasonal Influenza Clinical Infectious Diseases 2019;68(6):e1–47
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 近年の季節性インフルエンザの流行状況に変化があり、流行状況に関するデータを更新した。
  1. 2018年より薬価収載されているバロキサビル(ゾフルーザ)について、この数年で有効性および安全性の評価に関する臨床研究報告が積み上がり、2023年11月に日本感染症学会から治療薬の位置付けの見直しの提言があったため、その点について追記した。
  1. 日本感染症学会では12歳~19歳および成人のインフルエンザに対する外来治療ではバロキサビルをオセルタミビルと同等の推奨度にすることを提言した。また、入院を要する重症患者ではバロキサビルの投与は可能であるが、有効性を裏付けるエビデンスが不十分のため、推奨/非推奨を論じることができないとされている。
  1. さらに同提言では、12歳未満小児インフルエンザを対象としたRCTでバロキサビル投与群での耐性変異株の出現率が高かった結果を受けて(Baker J, et al. Pediatr Infect Dis J. 2020 Aug;39(8):700-705.)、12歳未満の小児に対するバロキサビルの投与は、慎重な投与適応判断が必要であり積極的な推奨とはならなかった。小児科学会でも、バロキサビルの投与は12歳未満6歳以上の小児に対しては慎重な投与適応判断、5歳以下の小児に対しては積極的に推奨しないという立場をとっている。

概要・推奨   

  1. インフルエンザ迅速診断キットは、特異度は高いが感度が高くないため、疑いの強いケースの診断確定はできるが診断除外はできない。したがって、ある程度疑っている場合や診断を確定する必要性が高い場合のみ実施が推奨される(推奨度2)
  1. インフルエンザとCOVID-19は発熱と呼吸器症状が類似するので、COVID-19の流行下でその鑑別をするために診断用の鼻咽頭スワブ検体を採取する場合は、飛沫感染対策を行なえる場所でマスク、手袋、ガウン、飛沫シールドの個人防護具を着脱しながら行う必要がある(推奨度2)
  1. インフルエンザとともにCOVID-19も疑う患者背景や臨床経過の場合は、飛沫感染対策を行いながら鼻咽頭スワブ検体を採取し、双方に対する診断検査を行なう(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報  
ポイント:
  1. インフルエンザとは、気道粘膜にインフルエンザA、もしくはBウイルスが感染して引き起こされる呼吸器感染症である。上気道、下気道症状に加え、発熱、頭痛、筋肉痛を伴う。
  1. インフルエンザは、感染症法の5類感染症の定点報告対象に分類される。インフルエンザ定点医療機関を受診しインフルエンザと診断した患者数、および基幹定点医療機関に入院したインフルエンザ患者について、週単位(月~日)で最寄りの保健所に届け出る必要がある。また、学校保健安全法で第二種感染症に指定されており、「発症した後五日を経過し、かつ、解熱した後二日(幼児では三日)を経過するまで」を出席停止の期間の基準としている。
  1. また、鳥インフルエンザのうち、A型インフルエンザウイルス(H7N9、H5N1)は、2類感染症に、それ以外の鳥インフルエンザは4類感染症に分類されている。どちらの場合も、病原体の分離・同定およびPCRによる遺伝子の検出を行った場合は、ただちに保健所に届け出る必要がある。
  1.  感染症法に基づく医師の届出 
 
インフルエンザの種類:
  1. インフルエンザには、A型、B型、C型、の3種類が知られているが、そのうちA型とB型が人に感染する。A型、B型インフルエンザウイルスの表面には、ヘマグルチニン(HA)、ノイラミニダーゼ(NA)という2つのスパイク蛋白があり、A型ではHAは16種類、NAは9種類存在し、多数の組み合わせが存在する。一方、B型は、HA、NAとも1種類であるが、HAの抗原性の差異によりビクトリア系統と山形系統に大別される。
  1. また、A型インフルエンザは、ヒトに感染する人型と、鳥に感染する鳥型(鳥インフルエンザ)が存在する。鳥インフルエンザは通常ヒトには感染しないが、ごくまれにヒトへウイルスが感染する。H5、H7、H9亜型ウイルスのヒトへの感染が報告されており、1997年の香港でのA/H5N1、2003年オランダでのA/H7N7による事例では、ヒトからヒトへの感染伝播も起こったと報告されている。特に、鳥にて感染を繰り返すうちに遺伝子が変化し、強毒性を示すようになるものがあり、それがヒトに感染をした場合、公衆衛生的な対応が必要となることがある。
  1. なお、豚は、人型、鳥型インフルエンザの両方に感染する。その結果、豚の体内で遺伝子が混ざり合って新型を生じたのが、2009年に世界中で流行したインフルエンザ(H1N1)2009であり、当時は新型インフルエンザや豚インフルエンザ(swine influenza)とも呼ばれていた。
 
季節型インフルエンザ:
  1. 現在の季節性インフルエンザは、主にインフルエンザA型である、香港A型(H3N2)、インフルエンザ(H1N1)2009などとインフルエンザB型によって発生している。なお、旧 AH1 亜型(ソ連)は2009/10シーズン以降まったく報告されていない。
 
パンデミック:
  1. 過去100年間に5回のパンデミックが起きたことが知られており、そのたびに新種のインフルエンザが発見されている。そのうち1回は、インフルエンザ(H1N1)2009(pdmAH1N1)による感染症である。pdmAH1N1は、2009年当初は新型インフルエンザあるいは豚インフルエンザ(swine influenza)とも呼ばれていた。pdmAH1N1の流行は2010年にピークを迎えその後一度沈静化したものの、その後も再流行を繰り返している。厚生労働省は2011年からpdmAH1N1を通常の季節性インフルエンザとして取り扱っている。
 
季節性インフルエンザの最近の流行状況:
  1. 2020年初めからCOVID-19パンデミックに対して社会全体で行われた感染拡大防止対策の影響で、2022年末まで季節性インフルエンザの流行は抑制されていたが、その感染拡大防止対策が緩和されるようになった2023年初めより、従来と同じパターンの季節性インフルエンザの冬季流行が再び起きている。2023年秋季から年末にかけてはインフルエンザA型(H3とH1 pdm09)、2024年初めから春季にかけてはインフルエンザB型(ビクトリア系統)が流行した。
 
インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第35週 9/13更新)

出典

「インフルエンザ過去10年間との比較グラフ(第35週 9/13更新)」国立感染症研究所(https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-m/813-idsc/map.html)をもとに作成
 
週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数

出典

「週別インフルエンザウイルス分離・検出報告数」国立感染症研究所(https://kansen-levelmap.mhlw.go.jp/Byogentai/Pdf/data2j.pdf)をもとに作成
 
問診・診察のポイント  
ポイント:
  1. 問診と病歴聴取に当たって以下を把握する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
大場雄一郎 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:具芳明 : 研究費・助成金など(MSD(株),ビオメリュー・ジャパン(株))[2025年]

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