今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 能瀬宏行 横浜市立みなと赤十字病院 整形外科

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2024/07/10
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。内容に大きな変更はなく、主に文章の校正を行った。
 

概要・推奨   

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 1972年Neerが、腕を挙上する際に、上腕骨頭が烏口肩峰アーチをスムーズに通過せず腱板が肩峰や烏口肩峰靭帯にインピンジメントして痛みが引き起こされる病態を肩峰下インピンジメント症候群として提唱した[1]。インピンジメント(impingement)とは「衝突する、突き当たる」という意味である。
  1. 文字通り衝突するという病態だけではなく、肩を持ち上げるときに増悪する、非外傷性で一般的に片側性の肩峰下周囲の痛みも、subacromial pain syndromeとしてインピンジメント症候群の範疇ととらえられている[2]
  1. 肩峰下の骨棘や肩鎖関節の肥大、大結節骨折後の変形、石灰沈着性腱板炎、滑液包の肥厚、腱板機能不全や腱板(不全)断裂などが、インピンジメント症候群に関与している[3]
  1. 解剖学的に肩峰と烏口突起の間に烏口肩峰靱帯があり烏口肩峰アーチを形成し、烏口肩峰アーチと上腕骨頭の間に肩峰下滑液包と肩腱板が介在している。
 
 
上腕骨頭と烏口肩峰アーチ

烏口肩峰アーチと上腕骨頭との間に肩峰下滑液包と腱板が介在している。
左肩側方より見た図
 

出典

Nancy M. Major - Musculoskeletal MRI, 3rd Edition, 2019.より一部改編
 
  1. 繰り返す投球動作が腱板関節面と関節窩後縁との衝突を引き起こす、インターナルインピンジメントと呼ばれる病態がある。( 野球肩  参照)
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 腕をあげる動作や作業、スポーツで肩の痛みがあるか確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
能瀬宏行 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共(株))[2025年]

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インピンジメント症候群

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