今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 米田稔1) 医誠会国際総合病院整形外科

著者: 山田真一2) 関西メディカル病院 整形外科

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2022/03/02
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 多岐にわたる投球肩の病態をアルゴリズムを中心とした診断治療が行える体系に改変した(「治療」項目掲載のアルゴリズムを参照)。

概要・推奨   

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 野球肩とは投球時の肩の異常により本来の自身最高のパフォーマンスが発揮できない肩関節状態の総称であり、その病態は多岐にわたる。1つの疾患名ではないことを、まず理解しなければならない。
 
野球肩

投球は下半身から始まる運動連鎖にてボールにエネルギーを伝える動作である。この身体全体で行わなければならない運動の一部の機能が悪化し、それを補うために肩を酷使する結果、肩に障害が発生する。

出典

Kibler WB: The Role of the Scapula in Athletic Shoulder Function. Am J Sports Med 26: 325-337, 1988
から改変
 
  1. 野球肩のほとんどがオーバーユースによる疲労や微小外傷の繰り返しが基盤となって発症する。
  1. その病態は多彩で、全身運動としての運動連鎖・協調運動の乱れから、肩甲骨の運動機能不全や肩の後方タイトネスなどの機能異常、さらには腱板疎部損傷、関節唇損傷、腱板損傷などの器質的損傷まで、さまざまな病態が複雑に絡みあっている。
  1. まず投球を障害している痛みの原因となっている病態を把握・確定しなければならないが、その病変がなぜ発生したのか、そのメカニズムを熟考し、その原因にもアプローチする必要がある。それが改善されなければ、再発は必至である。
 
問診・診察のポイント  
想起:
以下の内容を想起しながら、問診・診察を行っていく。
  1. 小学生で比較的急に疼痛が出現し、その後改善なく投球時痛が持続している場合はリトルリーグ肩(上腕骨近位骨端線離解)を想起する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
米田稔 : 特に申告事項無し[2024年]
山田真一 : 未申告[2024年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共(株))[2024年]

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野球肩

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