今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 坪川直人 新潟手の外科研究所

監修: 落合直之 キッコーマン総合病院外科系センター

著者校正/監修レビュー済:2021/04/07
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 肘関節授動術の治療方法、肘関節鏡視下の関節授動術の追加

概要・推奨   

  1. 疼痛、可動域制限により日常生活動作(ADL)に支障がある場合は関節授動術が推奨される。
  1. 肘部管症候群による尺骨神経麻痺を合併する場合は尺骨神経皮下前方移行術をあわせて行うことが推奨される。

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 肘関節は腕尺関節、腕橈関節、近位橈尺関節の3つの関節からなる。
  1. 変形性肘関節症とは、関節軟骨の老化性退行変性を基盤とし、これに何らかの原因が加わって関節軟骨の変性および骨棘、骨堤を生じる関節疾患である。
 
肘関節を形成する上腕骨、橈骨、尺骨

a:前面 b:後面 c:側面

出典

著者提供
 
  1. 腕尺関節軟骨自体の変性よりも、鉤状突起窩、肘頭窩、橈骨窩、上腕骨小頭などの上腕骨側の骨堤、および尺骨鉤状突起、肘頭、橈骨頭の骨棘が形成され、関節遊離体が存在する場合もある[1]
 
変形性肘関節症の病態

骨棘、骨堤の好発部位
a:上腕骨(掌側)
b:上腕骨(背側)
c:上腕骨(内側)
d:前腕骨(尺側)
e:前腕骨(掌側)

 
  1. 一次性関節症(加齢、労働・スポーツなどによる過度の使用)、外傷(関節内骨折、靱帯損傷)、炎症による関節炎などの原因が考えられる。
  1. 一次性関節症は男性が4倍と圧倒的に多く、特に50歳以上に多い。
  1. 40~50%の症例に肘部管症候群を合併する。<図表>
  1. 症状として肘痛、可動域制限が主症状で、肘部管症候群による小指、環指のしびれ、手内在筋の萎縮が加わる。
 
肘部管症候群合併症例

手内在筋の萎縮

出典

著者提供
 
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期、職業歴、外傷歴、スポーツ歴を確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
坪川直人 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:落合直之 : 未申告[2024年]

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変形性肘関節症

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