今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

改訂のポイント:
  1. 『成人肺炎診療ガイドライン2024』の発行に伴い、関連した記載を改訂した。
  1. 「成人肺炎診療ガイドライン2024」では、わが国から報告されたレジオネラ診断予測スコアの使用が推奨されている(Miyashita N, et al. J Infect Chemother. 2019 Jun;25(6):407-412.)。このスコアは6つのパラメーターからなり、各項目を1点として合計3点以上でレジオネラ肺炎を疑う。
  1. わが国におけるレジオネラ症の性別・年齢群別報告数のデータを更新した。

概要・推奨   

  1. レジオネラ肺炎とは、細胞内寄生細菌であるLegionella が原因でおこる疾患で、日本では、感染症法4類疾患で「ただちに届出が必要」な疾患である。
  1. Legionella は、水中の原生動物(自由生活性アメーバ)のなかで寄生・増殖している。季節性があり夏から秋に多いが、年間を通じて発生する。感染源によっては、大規模な集団感染につながり、院内発生もある。ヒト-ヒト感染はない。
  1. 症状は多彩で、咳、呼吸困難、胸痛などの肺炎症状から、消化器症状(下痢、腹痛)、神経症状(頭痛、意識障害)などの肺外症状がみられる。肺炎球菌などの定型肺炎と比較して、肺外症状を呈しやすい。
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と
  1. レジオネラ肺炎の原因は、わが国では半数前後がL. pneumophila serogroup 1である。尿中抗原検査(イムノクロマト法)で検出できるのは、従来はL. pneumophila 血清型1のみであった。2019年に15種類の血清型(1~15)を検出できる尿中抗原検査が日本で販売された。したがって、各施設で用いている検査キットの特徴を確認する必要がある(推奨度1)
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となり
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となり
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には ご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には ご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. レジオネラ肺炎とは、細胞内寄生細菌であるLegionella が原因でおこる疾患で、肺炎と肺外症状(肝、腎、消化器、中枢神経系)を来す。
  1. なお、Legionella は、肺炎のほかにインフルエンザ様熱性疾患であるポンティアック熱を来すこともあるが、本項はレジオネラ肺炎について示す。
  1. Legionella は、水中のバイオフィルム内に生息する原生動物(自由生活性アメーバ)のなかで寄生・増殖している。季節性があり夏から秋に多いが、年間を通じて発生する。感染源によっては、大規模な集団感染につながり、院内発生もある。ヒト-ヒト感染はない。
  1. Legionella に曝露しても発病率(attack rate)は2~7%と高くないが、臓器移植や免疫抑制患者では高い[1][2]。潜伏期間は2~10日である[1]
  1. レジオネラ肺炎は、成人市中肺炎の2~3%、院内肺炎の1%未満、小児肺炎の1%未満で原因になる。
  1. 日本では、感染症法4類疾患で「ただちに届出が必要」な疾患である。これによると、2010年は751件であったが、それ以降毎年報告数が増加している。
 
感染症法に基づく日本でのレジオネラ症の届出数

1999年(平成11年)の感染症法の施行以降の届け出数を示す。2008年以降800件前後が報告されていたが、2010年以降は増加し、2013年には1,111例が報告された。2020年には2,000例を超えている。

出典

「レジオネラ症」(厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_00393.html#Q9)(2024年11月閲覧)
 
  1. レジオネラ肺炎は、市中肺炎において鑑別するよう推奨される。また、医療介護関連肺炎・院内肺炎においても、頻度は高くないが重症化しやすい患者群であり、ハイリスク者では鑑別として考慮する(推奨度1)
  1. 日本呼吸器学会成人肺炎診療ガイドライン2017によると、レジオネラ肺炎は、市中肺炎の1.0%を占める[3]
  1. また、院内肺炎においてもレジオネラは原因菌になり得ることを示したコホート研究がある。2010年Jespersenらの報告で、1995~2005年のデンマークのpopulation-basedなサーベイランスシステムを利用したレジオネラ肺炎の入院例を調査した結果、272例(81.9%)の市中例と60例(18.1%)の院内例(院内の定義=10日以内の退院歴または入院後2日以降の発症)があった[4]
  1. 発症から診断までの時間は、市中:5.5日vs 院内例:12日で、院内例で長かった(p<0.001)。30日死亡率は、市中例12.9%、院内例33.3%であった[4]
  1. デンマークにおけるレジオネラ肺炎の入院サーベイランス(1995~2005年):図<図表>
  1. 日本における医療関連レジオネラ肺炎の報告は、新生児病棟の給水系・加湿器・ミルク加温器に関連した院内例(慶応大学、1996年)[5]、院内展望風呂(24時間風呂)に関連した院内例(名古屋大学、2000年)[6][7]などがある。
  1. 家庭用加湿器が感染源となる事例は1990年代から報告されていたが、高齢者介護施設での集団発生を受けて、2018年に厚労省は「レジオネラ症を予防するために必要な措置に関する技術上の指針」[8]を改訂し、加湿器対策を明記した。この事例は、2017年12月大分県の老人ホームで80代男性2名が発病、2018年1月にショートステイ利用の90代男性1名が発病し、1名死亡したものである。
  1. この指針では、「高齢者、新生児及び免疫機能の低下を来す疾患にかかっている者が多い医療施設、社会福祉施設等においては、入浴設備、空気調和設備の冷却塔、給湯設備、加湿器等における衛生上の措置を徹底して講ずることが必要である。」と記載されている。
  1. 現実には、医療施設などにおける水質衛生の認知と対策は不十分であり、近年の医療施設における環境調査報告ではレジオネラ菌の高い陽性率が指摘されている[9][10][11][12]
  1. これらのことから、レジオネラ肺炎は、市中肺炎において鑑別するよう推奨される。また、院内肺炎においても、まれではあるが報告はあるため、移植や免疫抑制患者などのハイリスク者では鑑別として重要となる。
 
デンマークにおけるレジオネラ肺炎の入院サーベイランス(1995~2005年)

市中例<緑>272例(81.9%)、院内例<青>60例(18.1%)(院内の定義=10日以内の退院歴または入院後2日以降の発症)の生存曲線

出典

Jespersen S, Søgaard OS, Schønheyder HC, Fine MJ, Ostergaard L.
Clinical features and predictors of mortality in admitted patients with community- and hospital-acquired legionellosis: a Danish historical cohort study.
BMC Infect Dis. 2010 May 21;10:124. doi: 10.1186/1471-2334-10-124. Epub 2010 May 21.
Abstract/Text BACKGROUND: Legionella is a common cause of bacterial pneumonia. Community-acquired [CAL] and hospital-acquired legionellosis [HAL] may have different presentations and outcome. We aimed to compare clinical characteristics and examine predictors of mortality for CAL and HAL.
METHODS: We identified hospitalized cases of legionellosis in 4 Danish counties from January 1995 to December 2005 using the Danish national surveillance system and databases at departments of clinical microbiology. Clinical and laboratory data were retrieved from medical records; vital status was obtained from the Danish Civil Registration System. We calculated 30- and 90-day case fatality rates and identified independent predictors of mortality using logistic regression analyses.
RESULTS: We included 272 cases of CAL and 60 cases of HAL. Signs and symptoms of HAL were less pronounced than for CAL and time from in-hospital symptoms to legionellosis diagnosis was shorter for CAL than for HAL (5.5 days vs. 12 days p < 0.001). Thirty-day case fatality was 12.9% for CAL and 33.3% for HAL; similarly 90-day case fatalities in the two groups were 15.8% and 55.0%, respectively. In a logistic regression analysis (excluding symptoms and laboratory tests) age >65 years (OR = 2.6, 95% CI: 1.1-5.9) and Charlson comorbidty index > or =2 (OR = 2.7, 95% CI: 1.1-6.5) were associated with an increased risk of death in CAL. We identified no statistically significant predictors of 30-day mortality in HAL.
CONCLUSIONS: Signs and symptoms were less pronounced in HAL compared to CAL. Conversely, 30-day case fatality was almost 3 times higher. Clinical awareness is important for the timely diagnosis and treatment especially of HAL. There is a need for further studies of prognostic factors in order to improve the therapeutic approach to legionellosis and potentially reduce mortality.

PMID 20492639
問診・診察のポイント  
ポイント:
  1. 背景、曝露歴を確認する。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
久保健児 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:上原由紀 : 特に申告事項無し[2025年]

ページ上部に戻る

レジオネラ肺炎

戻る