今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 森友寿夫 大阪行岡医療大学 行岡病院手外科センター

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2024/10/02
患者向け説明資料

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 橈骨・尺骨間の安定化には、遠位では三角線維軟骨複合体(TFCC)、近位では輪状靱帯、さらに前腕骨間膜などの軟部組織が重要な役割を果たしている。前腕が正常な回旋運動を行うには、これらの軟部組織が機能していることと、橈骨・尺骨の解剖学的な形状が保たれている必要がある[1]
 
三角線維軟骨複合体(TFCC)

TFCCは橈骨と尺骨をつなぐ重要な支持組織で、橈骨のS状切痕に起始し尺骨の茎状突起から小窩にかけて付着する。

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  1. Galeazzi脱臼骨折は橈骨骨幹部骨折と遠位橈尺関節(DRUJ)脱臼の合併である。TFCCおよび尺側手根伸筋腱腱鞘が破綻している。尺骨茎状突起骨折を伴う場合もある。
 
Galeazzi脱臼骨折

Galeazzi脱臼骨折は橈骨骨幹部骨折と遠位橈尺関節(DRUJ)脱臼の合併である。通常、橈骨遠位骨片の掌側転位に尺骨頭の背側脱臼を伴う。尺骨茎状突起骨折を伴う場合もある。

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Galeazzi骨折変形治癒の3次元CT画像1

橈骨短縮、DRUJ脱臼を認める。

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Galeazzi骨折変形治癒の3次元CT画像2

遠位から見ると尺骨頭の背側脱臼を認める。

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  1. 橈骨遠位骨片の不安定性が非常に強く橈骨骨折と尺骨頭の脱臼に対する観血的治療の適応となることが多い。
  1. 橈骨骨折だけを治療して、尺骨頭の脱臼を放置すれば前腕回旋障害が残ることがあり注意を要する。
問診・診察のポイント  
  1. 受傷機転を確認する:スポーツなど、転倒による受傷機転が多い。手関節背屈位での前腕回内位強制、あるいは手関節背外側への直達外力によって生じる。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
森友寿夫 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共(株))[2025年]

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Galeazzi脱臼骨折

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