今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 川崎恵吉 昭和大学横浜市北部病院 整形外科

監修: 竹下克志 自治医科大学整形外科

著者校正/監修レビュー済:2025/05/29
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、下記について記載した。
  1. 都市型コホート調査のROADスタディにて、手指変形性関節症(HOA)の有病率は男性84.6%、女性93.9%、severe HOA有病率は男性43.8%、女性67.8%で、年齢、性別がHOA、severe HOAの両方の危険因子で、Quick DASH値は女性で有意に高かったことが報告されている(小島伊知子, ほか. 日手会誌. 2024;40(4):393-396.)。
  1. Erosive Osteoarthritis(EOA)の研究報告、ミューカスシストと呼ばれる皮膚の嚢腫(水ぶくれ)がある場合の手術・保存的治療についての研究報告を記載した。
  1. DIP関節とPIP関節の変形性関節症に対する関節固定術後に隣接関節症変化を認めた症例はなかったことが報告されている(銭谷俊毅, ほか. 日手会誌. 2024;41(3):247-250.)。

概要・推奨   

  1. 保存的加療が原則である。
  1. 罹患指の安静や外固定、装具、運動療法、投薬(対処療法)。 
  1. それでも改善がなければ手術を考慮する(関節固定、骨棘切除、人工関節置換術等)。
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  1. 欧米では、ヘバーデンを含む手の変形性関節症の治療ガイドラインが発表されている[1]
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. ヘバーデン結節(Heberden nodes)は手指の遠位指節間(DIP)関節に生じる変形性関節症(炎)で骨棘、骨性隆起と関節裂隙の狭小および関節変形を伴う。
  1. 一般に40歳代以降の女性に好発し示指と中指に好発する。発生は加齢とともに増加する。
  1. DIP関節背側の中央の伸筋腱付着部を挟んで2つの結節ができるのが特徴である。
  1. 慢性のDIP関節腫脹から始まり、除々にDIP関節の変形と手の繊細な動きができなくなり器用に手を使えなくなる(巧緻障害)。原因に遺伝的素因があるとされているが証明されておらず原因は不明である。
  1. 1802年にHeberdenがこの小隆起を報告したので、Heberden結節と称されている。
  1. 近位指節間(PIP)関節に発症した変形性手指関節症をブシャール結節(Bouchard nodes)という。
  1. 児玉らは、大規模住民コホートROADスタディから、手の変形性関節症の罹患関節の関節ごとの有病率は、DIP関節が最多で、続いて母指IP、PIP、母指CMC、MCP関節の順であった、と報告している。<図表>[2]
  1. 小島・児玉らの都市型コホート調査の第4回ROADスタディでは、手指変形性関節症(HOA)の有病率は男性84.6%、女性93.9%、severe HOA有病率は男性43.8%、女性67.8%で、年齢、性別がHOA、severe HOAの両方の危険因子で、Quick DASH値は女性で有意に高かった、と述べている(Kellgren Lawrence(KL)分類Grade 2以上をHOA、KL分類Grade 3以上をsevere HOAと定義し、1カ所以上の関節にHOAがある場合にHOAあり)[3]
  1. 欧米人に比べ中国人は、母指、示指、中指の有病率が高く、箸の使用との関連が指摘されている。
  1. 本疾患は閉経後女性に好発することから、近年エストロゲンとの関係が指摘されている。エストロゲンのレセプターが滑膜組織内に存在するとも言われ、エストロゲンの減少は腱や関節の腫脹を来すと考えられている。
  1. 閉経移行期の以降の女性に対するホルモン補充療法が手指の関節痛に効果があるかどうかは現在のところ不明。
  1. 「今日の治療指針」では、代替療法として、比較的初期の炎症症状を有する症例にエクオール(大豆に含まれるイソフラボンから体内で産生される物質で、エストロゲンに似た化学構造物である)を挙げている。
  1. 下江らは、45~60歳の更年期世代の女性の手・手指疾患の26例(変形性関節症15例を含む)にエクオールを使用し、手指の症状は61.5%(16/26例)の症例で改善がみられた、と報告している[4]
問診・診察のポイント  
  1. 外傷・膠原病・関節リウマチなどの既往歴、家族歴の有無について聞く。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
川崎恵吉 : 講演料(久光製薬(株))[2025年]
監修:竹下克志 : 講演料(第一三共(株))[2025年]

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手指の変形、ヘバーデン結節

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