今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松本聡子 北海道せき損センター

著者: 須田浩太 北海道せき損センター

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2024/08/21
参考ガイドライン:
  1. 日本排尿機能学会/日本脊髄障害医学会/日本泌尿器科学会 脊髄障害における下部尿路機能障害の診療ガイドライン作成委員会:脊髄損傷における下部尿路機能障害の診療ガイドライン2019年版
  1. A Clinical Practice Guideline for the Management of Acute Spinal Cord Injury: Introduction, Rationale, and Scope, Global Spine J.2017 Sep;7 (3 Suppl):84S-94S.
  1. 日本リハビリテーション医学会 日本リハビリテーション医学診療ガイドライン委員会・神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン策定委員会:神経筋疾患・脊髄損傷の呼吸リハビリテーションガイドライン
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、脊髄損傷専門施設での代表症例を提示した。
 

概要・推奨   

  1. CT、MRI:MRIは脊椎と脊髄の同時評価が可能であり有用性が高い。しかし撮像時間を有するならCTを優先させる(推奨度1)
  1. 神経学的評価:国際基準であるInternational Standards for Neurological Classification of SCI (ISNCSCI) による脊髄損傷評価基準(ASIA Impairment Scaleとも言う)の習得と実施は必須である(推奨度1)
  1. 損傷脊椎の安定性を確認した後の可及的早期からリハビリテーション治療を開始することで、様々な併発症状を軽症化することがある。(推奨度2)

病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 脊髄が損傷され、運動・知覚麻痺や排尿排便障害が生じた状態を指す。完全麻痺と不全麻痺があり、後者の程度はさまざまである。
  1. 頚髄損傷では四肢麻痺、胸腰髄損傷では対麻痺となる。上位(頭側)の損傷ほど麻痺域が広く、特に第4頚髄以上では呼吸麻痺が重症化する。仙髄末端損傷では膀胱直腸障害のみを呈することがある。
  1. 脊椎損傷(脱臼・骨折)に伴うタイプが一般的だが、高度な脊髄圧迫が潜在する症例(脊柱管狭窄症や靱帯骨化症)では脊椎損傷を伴わなくても生じ、非骨傷性脊髄損傷と呼ぶ。
  1. 画像検査で脊椎配列に異常がないようにみえても、脱臼が自然整復された例も存在する。
  1. 原因は、外傷、特に交通事故・転落・転倒が多い。また転移性脊椎腫瘍が進行し脊椎の構造学的破綻を来した場合でも生じ得る。
  1. 日本の高齢化に伴い非骨傷例が増加している[1]
  1. 日本における脊髄損傷の発生頻度は年間49人/100万人と推定され、発生年齢中央値70歳、頚髄損傷88.1%、原因第1位が転倒38.6%だった[2]
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期・状況を確認する。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松本聡子 : 特に申告事項無し[2024年]
須田浩太 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),日本臓器製薬(株),帝人ヘルスケア(株))[2024年]

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