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著者: 内田宗志 産業医科大学若松病院 整形外科

監修: 酒井昭典 産業医科大学 整形外科学教室

著者校正/監修レビュー済:2022/05/25
参考ガイドライン:
  1. 日本整形外科学会日本股関節学会:変形性股関節症診療ガイドライン 改訂第2版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 変形性股関節症診療ガイドラインに則って見直しを行った

概要・推奨   

  1. 股関節唇損傷は、変形性股関節症の前駆病態として、その発生機序が明らかとなってきた。
  1. 画像診断と鏡視下手術の発展により容易に診断が可能である。 
  1. 股関節唇損傷は、大腿骨寛骨臼インピンジメントや寛骨臼形成不全と合併されることが多く、骨形態も注意深く診断する必要がある(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 股関節唇は、寛骨臼の周囲を環状に付着している繊維軟骨である。大腿骨頭を環状に被覆し、シーリングすることで、股関節を安定させる機能を有する。
 
股関節唇の解剖

a:股関節唇の横断面 b:股関節唇の関節鏡像

出典

Michael T Freehill, Marc R Safran
The labrum of the hip: diagnosis and rationale for surgical correction.
Clin Sports Med. 2011 Apr;30(2):293-315. doi: 10.1016/j.csm.2010.12.002.
Abstract/Text The treatment of labral pathologic condition of the hip has become a topic of increasing interest. In patients undergoing hip arthroscopy, tears of the acetabular labrum are the most commonly found pathologic condition and most common cause of mechanical symptoms. Although a labral tear may occur with a single traumatic event, often another underlying cause may be already present, predisposing the individual to injury. This article discusses the structure and function of the acetabular labrum, the diagnosis of labral injury through physical examination and imaging modalities, and the current treatment options, including labrectomy, labral repair, and reconstruction.

Copyright © 2011 Elsevier Inc. All rights reserved.
PMID 21419957
 
股関節唇の肉眼解剖

股関節の大腿骨頭を脱臼させた状態。

出典

著者提供
 
  1. 股関節唇損傷は、その繊維軟骨が損傷し、股関節痛や引っかかり感を呈する病気である。
 
股関節唇損傷の関節鏡写真

股関節鏡から確認された上方股関節唇損傷および軟骨解離の所見

出典

著者提供
 
  1. そのほとんどが、股関節の骨形態異常(臼蓋形成不全、Legg-Calve-Perthes病、大腿骨頭すべり症、Femoroacetabular impingement 股関節インピンジメント)に起因する。MRなどの画像診断や関節鏡が発展した今もなお、診断が難しく見逃されることが多い。臼蓋縁の関節唇近傍の軟骨損傷が合併していることが多い。
 
臼蓋形成不全の病態メカニズム

股関節唇損傷の原因となる臼蓋形成不全

出典

著者提供
 
  1. Legg-Calve-Perthes disease
  1. ペルテス病の病態説明
  1. 成長期に大腿骨頭の骨化核の虚血性壊死を生じる病気。3年程度の経過で最終的に骨壊死は自然に治癒するが、骨頭変形などによって股関節に永続的に障害を残すことが多い病気。
  1. 成人したのち、大腿骨頭のペルテス変形によってインピンジメントをおこし、二次性FAIになり股関節唇損傷の原因と成ることが多い。
 
Legg-Calve-Perthes disease

出典

Canale & Beaty: Campbell’s Operative Orthopaedics, 11th ed. Mosby, 2007
 
Femoroacetabular impingement

Femoroacetabular impingementのメカニズム cam とPincer
股関節唇損傷の原因となるFAI

出典

著者提供
 
  1. 多くは緩徐に症状が進行するが、頻度としては少ない(9%)ものの外傷を契機に発症することもあり、詳しい病歴の聴取が必要である[1][2]
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 発症時期を確認する。〔いつから、どのように〕

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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
内田宗志 : 未申告[2024年]
監修:酒井昭典 : 講演料(旭化成ファーマ(株),帝人ヘルスケア(株))[2025年]

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股関節唇損傷

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