今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 谷口正実 国立病院機構 相模原病院 臨床研究センター

監修: 長瀬隆英 東京大学名誉教授

著者校正済:2025/07/09
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本アレルギー学会:喘息予防・管理ガイドライン2024
  1. Kowalski ML, Agache I, Bavbek S, et al: Diagnosis and management of NSAID-Exacerbated Respiratory Disease (N-ERD)-a EAACI position paper. PMID: 30216468
  1. 厚生労働省:重篤副作用疾患別対応マニュアル:非ステロイド性抗炎症薬による喘息発作(アスピリン喘息、解熱鎮痛薬喘息、アスピリン不耐喘息、NSAIDs 過敏喘息)平成18年11月(令和4年2月改定)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った。主な改訂点は以下となる。
  1. 『喘息予防・管理ガイドライン2024』に合わせ、図版を修正した。
  1. 従来、国内では「アスピリン喘息」、国外では「AERD」が中心であったが、アスピリンだけに対する過敏症状と誤解されるのを避けるため現在では、国内では「NSAIDs過敏喘息」、国外では「N-ERD、NSAID-ERD」が中心となりつつある。
  1. NSAIDs過敏喘息の半数は重症で気道外症状も呈しやすい。気道炎症とその病態について、私見を加えた図版を追加した。
  1. N-ERDの最近の病態解明の進歩について、病態図や文献を追加した(Laidlaw TM, et al. J Allergy Clin Immunol, 2023)。
  1. 抗IgE抗体であるオマリズマブがN-ERDに奏効する機序を図版として示した(Hayashi H, et al. Allergol Int, 2025)。
  1. 症例報告として「典型的なNSAIDs過敏喘息症例」を追加した。

概要・推奨   

  1. NSAIDs過敏喘息は、国内ではアスピリン喘息、国際的にはAERD、N-ERDなどと呼ばれ、シクロオキシゲナーゼ(COX)1阻害作用のあるNSAIDsによる強度の上下気道閉塞(喘息増悪+好酸球性副鼻腔炎悪化)を特徴し、成人発症喘息の5~10%、重症成人喘息の20~30%を占める[1][2]
  1. 特徴的臨床像として、ほぼ全例で嗅覚低下、鼻茸を伴う好酸球性副鼻腔炎を合併する[1][2]
  1. 特徴的病態として、システィニルロイコトリエン過剰産生、マスト細胞の持続活性化などがある[2]
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  1. 非アレルギー学的機序による不耐症であるため、血液検査や皮膚検査では診断不可能であり、確定診断には内服負荷試験がゴールドスタンダードであるが、その施行は専門施設に委ねる[1][2]
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  1. なお、オマリズマブは重症のN-ERDに併存する気道外症状(掻痒感を伴う皮疹、狭心痛、上腹部痛)に著効し[3][4]、デュピルマブは重度の気道症状(重症の気道閉塞、重度の鼻茸症状)により有効である。
  1. NSAIDs投与により気道閉塞が悪化した場合は時に致死的であり、十分な酸素投与と(マスト細胞活性化を抑制する)アドレナリン少量(0.1~0.2 mL)筋注を迅速に行ったあとに、点滴ルートを確保し、補液、気管支拡張薬投与などを行うが、静注用ステロイドの急速投与は禁忌であり、点滴投与もしくは内服投与とする[1][2]
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  1. 本症に安全なNSAIDsとしてセレコキシブとアセトアミノフェンがあるが[5][6]、両者ともに従来の添付文書では本症に禁忌であったが(医学的根拠なし)、2023年10月にアセトアミノフェン1回300 mgのみ処方可能となった。その根拠は、著者が以前、学会発表したN-ERDに対して500 mg投与で肺機能低下を認め、それ未満の投与では問題がなかったデータが根拠となっている。
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
谷口正実 : 講演料(GSK,サノフィ(株),アストラゼネカ(株)),研究費・助成金など(英国GSK)[2025年]
監修:長瀬隆英 : 特に申告事項無し[2025年]

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