今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 松井健太郎 帝京大学 整形外科学講座 外傷センター

監修: 箕輪良行 みさと健和病院 救急総合診療研修顧問

著者校正/監修レビュー済:2024/04/03
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 最新の知見をもとに問診・診察のポイントを中心に、加筆・修正を行った。

概要・推奨   

  1. コンパートメント症候群は、緊急手術での減圧が必要になる疾患である。
  1. 早期診断が重要である。
  1. 身体所見(緊満)と症状(損傷程度に見合わない強い疼痛やPassive stretch pain)で診断する。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. コンパートメント(筋区画)症候群は緊急手術を要する疾患である。
  1. コンパートメント症候群では、外傷部位の腫脹が強くなりすぎた結果、問題が生じる。
  1. 原因として、骨折が多く、血管損傷、挫滅症候群、再灌流障害、横紋筋融解、熱傷、外部からの圧迫がある。
  1. 損傷を受けた筋肉などのコンパートメント内部の組織体積が増加し、コンパートメント内圧が上昇し、局所灌流障害などを呈する。
  1. コンパートメントは、骨、筋膜、筋間中隔に囲まれており、それに皮膚を含めたものがコンパートメントの容積を規定している。コンパートメント内には筋、神経、血管が存在する。
  1. 「早期診断」と「緊急筋膜切開による除圧」の可否が予後を左右する。
  1. 適切な治療が行われない場合、筋壊死、拘縮などが生じ、最悪の場合深部感染、切断を要する場合がある。
  1. 四肢いずれにも生じる(下腿、足部、前腕、手部、大腿、上腕)。
  1. 腹部コンパートメント症候群など、四肢以外にもコンパートメント症候群が生じる。
  1. 損傷形態と受傷機転からこの病態を想起し、臨床所見から診断することが重要である。
 
疫学:
  1. 発生数は年間10万人あたり3.1人。原因として最も多いものは骨折(69%)であり、骨折のなかでも脛骨骨幹端部(36%)、橈骨遠位部(9.8%)である。脛骨骨折に伴うコンパートメント症候群の合併率は2.7~11%である。開放骨折などのように開放創があるからといって、減圧されてコンパートメント症候群になりにくいわけではない[1][2][3]。まれではあるが、骨折整復後14~24時間で発症することもある[2][3]。上肢では、橈骨遠位端骨折に合併するもの、小児の顆上骨折がある。骨折に次いで、骨傷のない軟部損傷(23.3%)が多い。抗凝固薬を内服しているものが10%である。
問診・診察のポイント  
問診:
  1. 受傷日時を確認する。

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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
松井健太郎 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:箕輪良行 : 特に申告事項無し[2025年]

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コンパートメント症候群

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