今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 早野聡史 熊本赤十字病院 内科

監修: 倉井華子 静岡がんセンター感染症内科

著者校正/監修レビュー済:2025/07/23
参考ガイドライン:
  1. 日本神経感染症学会、日本神経学会、日本神経治療学会:単純ヘルペス脳炎診療ガイドライン 2017
  1. 米国感染症学会(Infectious Diseases Society of America):The management of encephalitis: clinical practice guidelines by the Infectious Diseases Society of America
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 前回の改訂から新しいガイドラインは発表されていない。迅速診断検査として髄液マルチプレックスPCRであるFilmArray 髄膜炎・脳炎パネルについて加筆した。
  1. FilmArray 髄膜炎・脳炎パネルは2022年9月に保険収載され、わが国でも使用可能となった。
  1. 従来の検査と比較して、髄液検査における原因微生物判明までのTurn around time(TAT)は、従来の検査法(培養 or PCR) vs FilmArray で中央値4(2-6)日 vs 2(2-2.5)時間と短縮することができる(中嶋 秀. 神経治療学. 2022;39(6):S186-S.)。
  1. 検査精度は、ウイルスに特異的なPCR検査を参照基準として評価され、HSV-1に対する感度75.5% (95%CI:51.2–90.1)、特異度99.9% (95% CI:94.7–100)、HSV-2に対する感度94.4%(95% CI:83.9–98.2)、特異度99.9% (95% CI:99.7–100)であった。
  1. しかし、ヘルペス脳炎の病初期やウイルス量が少ない場合には結果が偽陰性になることがある(Lindström J, et al. Clin Microbiol Infect. 2022 Jan;28(1):79-84.)。したがって、ヘルペス脳炎の可能性が高い場合には、再検査を考慮する。なお、FilmArray 髄膜炎・脳炎パネルの診療報酬として算定できるのは一連の治療につき1回のみである。

概要・推奨   

  1. 発熱・頭痛に意識障害、異常行動、神経巣症状を認める場合には、単純ヘルペス脳炎を含めた髄膜脳炎を鑑別とし、早急な診断のための検査を行うことが推奨される(推奨度1、O)
  1. ヘルペス脳炎に特異的な所見はなく、その他のウイルス性髄膜炎・脳炎でも同様の所見を認めるため、臨床所見・髄液所見より単純ヘルペス脳炎を疑う場合には、PCRなどの確定診断検査を行うことが必要である(推奨度1、O)
  1. 単純ヘルペス脳炎患者の初診時の髄液PCRは、発症72時間以内のごく早期の時期には偽陰性になる可能性がある。臨床所見と画像所見より単純ヘルペス脳炎を疑うが、髄液PCR検査が陰性の場合には3~7日後に再検査を行うことが推奨される(推奨度1、GO)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
早野聡史  : 未申告[2024年]
監修:倉井華子 : 特に申告事項無し[2025年]

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単純ヘルペス脳炎

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