今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 上野誠 神奈川県立がんセンター 消化器内科(肝胆膵)

監修: 下瀬川徹 みやぎ県南中核病院企業団

著者校正済:2025/05/29
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本膵臓学会:膵癌診療ガイドライン 2022年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正した。
  1. 切除可能境界型膵癌についての記載を行った。
  1. 切除可能境界型膵癌では、明確なレジメンの推奨はないが、術前治療が提案されている。
  1. 局所進行切除不能膵癌、遠隔転移膵癌の1次薬物療法について記載を行った。
  1. 局所進行切除不能膵癌におけるJCOG1407試験では、ゲムシタビン(GEM)+ナブパクリタキセル併用療法とmodified FOLFIRINOXが各々良好な成績を報告した(Ozaka M, et al. Eur J Cancer. 2023 Mar;181:135-144.)。両療法の毒性を考慮すると、ゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法を行うことが多いが、プラチナ感受性なども考慮する必要がある。
  1. 遠隔転移膵癌に対する1次治療としては、GEM+ナブパクリタキセル併用療法とmodified FOLFIRINOXが行われる。JCOG1611試験では、GEM+ナブパクリタキセル併用療法がmodified FOLFIRINOXに対し、やや上回る成績を示した。※学会での発表のみ

概要・推奨   

  1. 膵癌の治療選択において、切除可能であれば、まず切除手術を検討する。
  1. 膵癌切除後の術後補助療法は、S-1(テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム配合剤)が第1選択の治療である。また術前補助療法として、ゲムシタビン(GEM)+S-1を2サイクル(6週間)行うことで、全生存期間の延長が確認されている。切除可能境界型膵癌では、明確なレジメンの推奨はないが、術前治療が提案されている。
  1. 局所進行切除不能膵癌におけるJCOG1407試験では、ゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法とmodified FOLFIRINOXが各々良好な成績を報告した。
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病態・疫学・診察 

イントロダクション  
  1. 膵癌は膵臓から発生した悪性腫瘍であり、病理組織学的には膵管上皮から発生する浸潤性膵管癌(腺癌)が90%以上を占める。そのほか、内分泌腺に由来する膵内分泌腫瘍や膵管上皮から発生し、膵管内発育と粘液産生を特徴とする膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)、粘液性嚢胞腫瘍、腺房から発生する腺房細胞癌などがあるが、いずれも稀な腫瘍である。がんの統計によると、わが国における膵癌の年間罹患数は2019年で43,865人、年間死亡数は2020年で37,677人と罹患数と死亡数が比較的近い。切除可能例は20~30%に過ぎず、切除例、非切除例を含めた5年生存率は10%未満であり、悪性腫瘍の中でも飛びぬけて予後不良の疾患である。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
上野誠 : 講演料(小野薬品工業(株),中外製薬(株),アストラゼネカ(株),大鵬薬品工業(株),エーザイ(株),日本セルヴィエ(株),MSD(株)),研究費・助成金など(大鵬薬品工業(株),アストラゼネカ(株),日本セルヴィエ(株),小野薬品工業(株),インサイト・バイオサイエンシズ・ジャパン合同会社,中外製薬(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),ノバルティスファーマ(株),アステラス製薬(株),DFP,アムジェン(株),(株)カイオム・バイオサイエンス)[2025年]
監修:下瀬川徹 : 特に申告事項無し[2025年]

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