今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 篠村恭久 川西市医師会メディカルセンター

監修: 上村直実 国立国際医療研究センター 国府台病院

著者校正/監修レビュー済:2024/11/27
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、加筆・修正した。以下、主な内容である。
  1. 蛋白漏出性胃腸症を来すまれな遺伝性疾患CHAPLE病(CD55欠損症)の治療に抗C5モノクローナル抗体Pozelimab(商品名VEOPOZ)が有用であることが示され(Ozen A, et al. Lancet. 2024 Feb 17;403(10427):645-656.)、2023年に米国食品医薬品局(Food and Drug Administration:FDA)によりCHAPLE病治療薬として承認された。
  1. クロンカイト・カナダ(Cronkhite-Canada)症候群は、厚生労働省の指定難病となっている。厚生労働省の診断基準を記載した。
  1. Fontan手術後の蛋白漏出性胃腸症に対するインターベンション治療および外科治療に関して追加した。
  1. インターベンション治療:
    ・経皮的に肝臓を穿刺し、カテーテルを介して十二指腸へ続くリンパ管を腸管の漏出部まで塞栓するリンパ管塞栓術が行われていて、蛋白漏出の減少に有効であることが報告されている(Itkin M, et al. J Am Coll Cardiol. 2017 Jun 20;69(24):2929-2937.,Gartenberg AJ, et al. J Am Coll Cardiol. 2023 Jun 27;81(25):2476-2478.)。
    ・また、血行動態を改善する目的として肺動脈へのステント留置や側副血管へのコイル塞栓、経皮的穿刺・開窓作成術などが行われている(Yoon JK, et al. Korean Circ J. 2022 Aug;52(8):606-620.,Vyas H, et al. Catheter Cardiovasc Interv. 2007 Mar 1;69(4):584-9.)。開窓形成術は、一部の症例で蛋白漏出の改善が得られることが報告されている(Yoon JK, et al. Korean Circ J. 2022 Aug;52(8):606-620.,Vyas H, et al. Catheter Cardiovasc Interv. 2007 Mar 1;69(4):584-9.)。
  1. 外科治療は、インターベンション治療の効果がない場合や困難な場合に選択される。

概要・推奨   

  1. クロンカイト・カナダ(Cronkhite-Canada)症候群に対してステロイド薬治療が推奨される(推奨度1)
  1. ループス関連蛋白漏出性胃腸症に対してステロイド薬治療が推奨される(推奨度1)
  1. 腸リンパ管拡張症患者には、低脂肪食と中鎖脂肪酸(medium-chain triglyceride:MCT)の補充が推奨される(推奨度2)
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  1. Ménétrier病患者にはH. pylori の除菌が推奨される(推奨度2)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
篠村恭久 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:上村直実 : 講演料(武田薬品工業(株),大塚製薬(株))[2024年]

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