今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 入澤篤志 獨協医科大学医学部 内科学(消化器)

監修: 下瀬川徹 みやぎ県南中核病院企業団

著者校正済:2025/11/26
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. Ohtsuka T, Fernandez-Del Castillo C, Furukawa T, et al. International evidence-based Kyoto guidelines for the management of intraductal papillary mucinous neoplasm of the pancreas. Pancreatology. 2024;24(2):255-270. PMID: 38182527
  1. 日本膵臓学会:膵仮性嚢胞の内視鏡治療ガイドライン2009. 膵臓. 24: 571-593, 2009.
  1. 日本膵臓学会:急性膵炎診療ガイドライン2021 第5版. 金原出版. 2021.
  1. 日本消化器内視鏡学会:被包化膵壊死(WON)に対する内視鏡診療ガイドライン. 日本消化器内視鏡学会雑誌. 2025.
  1. 日本膵臓学会:膵癌診療ガイドライン 2022年版. 金原出版. 2022.
  1. 日本消化器病学会:慢性膵炎診療ガイドライン2021 改訂第3版.南江堂. 2021.
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)において、2024年の『IPMN国際診療ガイドライン』に基づき、診療方針をアップデートした。
  1. 分枝膵管型IPMNについては、治療方針を決定するために以下のhigh risk stigmataと呼ばれる悪性を疑う所見を十分に理解する。
    (1)膵頭部病変に合併する閉塞性黄疸、2)造影される5 mm以上の壁在結節あるいは充実成分、3)主膵管径10 mm以上、4)細胞診の疑診、あるいは陽性
  1. 膵嚢胞の鑑別診断アルゴリズムを更新した。
  1. 『急性膵炎診療ガイドライン2021』および『被包化膵壊死(WON)に対する内視鏡診療ガイドライン(現在策定中)』に基づき、急性膵炎後の膵局所合併症の治療方針について加筆修正を行った。
  1. WONは、炎症性被膜に囲まれた壊死性貯留であり、通常、壊死性膵炎発症4週以降に形成される。なお、急性膵炎後にみられる嚢胞性病変のほとんどはWONとされている。
  1. 急性膵炎後のWONや慢性仮性嚢胞の有症状例は、治療することが勧められる。また、WONの治療対象例には、EUS下経消化管的穿刺ドレナージが第1選択として推奨される。
  1. なお、『WONに対する内視鏡診療ガイドライン』は現在策定中であり、近日中に公開される予定である。

概要・推奨   

  1. 膵嚢胞は、嚢胞を構成する上皮の有無により仮性嚢胞と真性嚢胞に大別され、さらには腫瘍性嚢胞と非腫瘍性嚢胞に分類される。
  1. 膵嚢胞が発見された患者には、大きさにかかわらず腫瘍性嚢胞の鑑別のために画像による精密検査を行うことが勧められる(推奨度2)
  1. 膵嚢胞の精密診断には、造影CT、MRI(MRCP)、EUS(造影EUSを含む)が勧められる(推奨度2)
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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
入澤篤志 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:下瀬川徹 : 特に申告事項無し[2025年]

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