今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 辻本哲郎 虎の門病院分院 糖尿病内分泌科

監修: 野田光彦 国際医療福祉大学市川病院 糖尿病・代謝・内分泌内科

著者校正/監修レビュー済:2024/09/18
参考ガイドライン:
  1. 日本動脈硬化学会:動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下について加筆・修正した。
  1. フィブラートに関するエビデンスとして、ペマフィブラートが心血管リスクの低下につながらなかったことを報告したPROMINENT trial(Das Pradhan A, et al. N Engl J Med. 2022 Nov 24;387(21):1923-1934.)の文献を追加した。基本的に今までの推奨に変更はない。

概要・推奨   

  1. トリグリセライド(TG血症は検証の余地が残るものの、動脈硬化性疾患、特に冠動脈疾患と関連していることが数多く報告されている。
  1. 高TG血症は、動脈硬化に関連する他の危険因子を同時に伴うことが多く、十分に評価し適宜対応する(推奨度1)
  1. TG値500 mg/dLの著明な高TG血症の場合は、動脈硬化以外にも急性膵炎の発症に注意して診療にあたる必要がある(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 高中性脂肪(トリグリセライド)血症(以下、高TG血症)は、10時間以上の空腹時採血の結果、TG値150 mg/dLを確認して診断する。また、随時採血(非空腹時)ではTG値≧175 mg/dLで高TG血症と診断する
 
脂質異常症:スクリーニングのための診断基準
  1. LDLコレステロール
  1. 140 mg/dL以上:高LDLコレステロール血症
  1. 120~139 mg/dL:境界域高LDLコレステロール血症**
  1. HDLコレステロール
  1. 40 mg/dL未満:低HDLコレステロール血症
  1. トリグリセライド
  1. 150 mg/dL以上(空腹時採血*:高トリグリセライド血症
  1. 175 mg/dL以上(随時採血*:高トリグリセライド血症
  1. Non-HDLコレステロール
  1. 170 mg/dL以上:高non-HDLコレステロール血症
  1. 150~169 mg/DL:境界域高non-HDLコレステロール血症**
 
*:基本的に10時間以上の絶食を「空腹時」とする。ただし水やお茶などカロリーのない水分の摂取は可とする。空腹時であることが確認できない場合を「随時」とする。
**:スクリーニングで境界域高LDLコレステロール血症を示した場合は、高リスク病態がないか検討し、治療の必要性を考慮する。
 
  1. LDLコレステロールはFriedewald(TC - HDL-C -TG/5)の式で計算する(ただし空腹時採血のみ)または直接法で求める。
  1. TGが400 mg/dL以上や随時採血の場合はnon HDL-C(TC -HDL-C)がLDL-C直接法を使用する。ただしスクリーニングでnon-HDL-Cを用いる時は高TG血症を伴わない場合はLDL-Cとの差が+30 mg/dLより小さくなる可能性を念頭においてリスクを評価する
 
(引用:日本動脈硬化学会(編):動脈硬化性疾患予防ガイドライン2022年版. 日本動脈硬化学会, 2022
 
  1. 高TG血症には、体質や遺伝子異常に基づいて発症した原発性(一次性)と、飲酒、肥満、薬剤、糖尿病などによる続発性(二次性)がある。
  1. 食事由来のカイロミクロンや、肝で生成される超低比重リポ蛋白(VLDL)にTGは多く含まれ、血中のTG値はそれらの影響を強く受ける。食事由来のカイロミクロンの増加、アルコールや糖質の過剰摂取によるVLDLの産生増加、糖尿病でインスリン作用不足の状態でリポ蛋白リパーゼ(LPL)作用が低下することによるVLDLやカイロミクロンの代謝遅延、などいずれも高TG血症につながる。
  1. 高TG血症は検証の余地が残るものの、動脈硬化性疾患、特に冠動脈疾患と関連していることが欧米を中心に数多く報告されており[1]、冠動脈疾患の発症頻度が欧米より低いわが国でもTG値と冠動脈疾患の発症率が正相関するとの報告が多い[2]
  1. 高TG血症に対する主な治療目標は、心血管疾患の進展・発症を予防するためである。すべての症例において、TG値<150 mg/dL(空腹時)、TG値175 mg/dL(随時)とすることが勧められる。
  1. TG値、総コレステロール(TC)値、HDLコレステロール(HDL-C)値からLDLコレステロール(LDL-C)値も評価し、冠動脈疾患のリスクに応じて治療方針を決定する。
  1. 高TG血症の治療アルゴリズム:アルゴリズム
  1. 高TG血症は動脈硬化との関連が指摘されているレムナントリポ蛋白の増加[3]、small dense LDL-Cの増加[4]、HDL-Cの低下[5]、インスリン抵抗性[6]などを伴いやすい。
  1. 高TG血症、低HDLコレステロール血症といった脂質異常を伴う病態にメタボリックシンドロームがあり、心血管疾患の成因として重要であり、内臓脂肪蓄積や肥満にも注意して診察する[7]
  1. 著明な高TG血症は、急性膵炎の発症リスクを上昇させるため、TG値500 mg/dLの際はTG値を積極的に低下させることが推奨される[8][9]
  1. Non HDL-C値(TC値-HDL-C値)は、レムナントリポ蛋白やLDL-Cなどの動脈硬化惹起性のコレステロールを含み、管理目標LDL-C値+30(mg/dL)を指標に治療方針の参考にすることができる。Non HDL-C値の管理目標は、高TG血症の場合にLDL-C値の管理目標を達成した後の二次目標であるが、TG値400 mg/dLおよび随時採血の場合はnon HDL-Cか直接法によるLDL-Cを指標にする。
 
  1. 高TG血症は検証の余地が残るものの、動脈硬化性疾患、特に冠動脈疾患と関連していることが数多く報告されている。冠動脈疾患の発症頻度が欧米より低いわが国でもTG値と冠動脈疾患の発症率が正相関するとの報告が多い。
  1. 海外の報告において高TG血症の冠動脈疾患に対するオッズ比は1.7(adjusted odds ratio, 1.72; 95% CI 1.56-1.90)というデータがある[1]
  1. また、日本においても男女ともTG増加により冠動脈疾患に対する相対危険度が増加することが報告されている[2]
  1. 高TG血症の心血管疾患に対するリスクを調査したメタアナリシスでは、男性で1.14(95%CI 1.05-1.28)、女性で1.37(95% CI 1.13-1.66)という結果であった[10]
  1. 追記:高TG血症に対する主な治療目標は心血管疾患の進展・発症を予防するためであるが、高TG血症に対する積極的治療の有効性はまだ十分に確立されていない。
問診・診察のポイント  
  1. 基本的に、自覚症状は認めない。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
辻本哲郎 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:野田光彦 : 特に申告事項無し[2025年]

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高中性脂肪(トリグリセライド)血症

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