今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 大島久二 東京医療保健大学

監修: 上阪等 千葉西総合病院 膠原病リウマチセンター

著者校正/監修レビュー済:2024/10/02
参考ガイドライン:
  1. 日本骨代謝学会:グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2023
  1. 日本麻酔科学会医薬品ガイドライン第3版第4訂(2019/9/5)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『グルココルチコイド誘発性骨粗鬆症の管理と治療のガイドライン2023』を参照し、治療薬剤につき加筆・修正した。
  1. 『日本麻酔科学会医薬品ガイドライン』を参考とし、ステロイドカバーについての具体例を加筆した。
  1. 『薬剤関連顎骨壊死の病態と管理:顎骨壊死検討委員会ポジションペーパー2023』を参照し、骨粗鬆症治療時の注意点につき加筆した。

概要・推奨   

  1. グルココルチコイド(ステロイド)は投与する全ての患者に程度は異なるが副作用が出る。
  1. 原則としてグルココルチコイドの副作用は用量依存性である。
  1. プレドニゾロン換算5 mg/日以下でも数カ月~数年以上使用する場合、あるいは耐糖能異常などの病態がある場合には、各副作用を念頭に置いて診療にあたる必要がある(推奨度1
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧には

総論 

グルココルチコイド治療の概要  
  1. グルココルチコイド(ステロイド)は副腎皮質から分泌されるホルモンが原型である。
  1. グルココルチコイド長期投与患者では、突然の中止は離脱症候群を引き起こす可能性があり、患者教育と内服不可能時の対処が必要である。
  1. 1日の投与量で記載されることが多いが、投与間隔(分3など)が重要である。
  1. 治療開始時に、必要十分量の投与が重要であり、病態に応じて減量速度を考慮し、必要であれば維持量を継続する。
 
グルココルチコイドの種類と代謝(参考文献:[1][2][3][4]
  1. プレドニゾロンは最もよく用いられる合成グルココルチコイドである。グルココルチコイドの種類による違いはミネラルコルチコイド作用(塩分貯留作用)の有無と受容体への親和性、半減期であり、抗炎症効果を基に各薬剤使用量を換算して使用している。また、抗結核薬であるリファンピシンは肝臓でのグルココルチコイド代謝を促進するため、プレドニゾロンでは2倍の投与量を必要とするが、副作用は効果と同程度と考える。
 
グルココルチコイドの種類とその特徴

出典

伊藤澄信編:頻用薬・常用薬上手に使っていますか? P.184~189、日本医事新報社, 2009
 
グルココルチコイドの投与方法(参考文献:[3][5][6][7]
  1. 1日量を分割して投与するほど効果も高いが、副作用も同じ程度高くなる。また、1日おきに朝1回で投与する隔日投与法では、抗炎症効果は連日投与に比べて劣るが副作用も少ない。
 
グルココルチコイド治療の実際の投与法

出典

著者提供
 
グルココルチコイドの中止方法
  1. グルココルチコイドを1週間以上継続して使用する場合には、離脱症候群を防ぐため、ゆっくり減量する。
  1. 健常人では、プレドニゾロンで約3 mg/日の生理的分泌があるので、5 mg/日以下は数カ月ごとに1日1~2.5 mgずつ減量する。
 
グルココルチコイドの用量
  1. グルココルチコイドの特徴は、日常臨床において超大量から少量までのきわめて幅広い用量を使用することである。便宜的に、ステロイドパルス療法(メチルプレドニゾロン1,000 mg/日)は超大量と呼び、プレドニゾロンで40 mg/日以上ないし体重1 kg当たり1 mg程度を大量、5 mg/日以下を少量、その中間を中等量と呼ぶことが多い。
グルココルチコイドの副作用と対応  
  1. 投与するすべての患者に程度は異なるが副作用が出る。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
大島久二 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:上阪等 : 特に申告事項無し[2025年]

ページ上部に戻る

グルココルチコイド(ステロイド)の副作用

戻る