今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 金子駿太 JCHO 東京山手メディカルセンター

監修: 金子礼志 国立健康危機管理研究機構(JIHS)国立国際医療センター 膠原病科

著者校正/監修レビュー済:2022/02/02
参考ガイドライン:
  1. 日本皮膚科学会:血管炎・血管障害診療ガイドライン2016年改訂版
  1. 日本循環器学会ほか:血管炎症群の診療ガイドライン2017年改訂版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期的なレビューを行った(変更なし)。

概要・推奨   

  1. 成人で下腿中心の紫斑をみたときには、血小板数と凝固(PT、APTT)測定を行い、正常な場合には皮膚血管炎を疑う。血管炎の証明のために皮膚生検を行うことが推奨される。同時に他臓器病変の有無を確かめる(推奨度2)
  1. 20歳未満の場合に、下腿中心の紫斑で血小板減少や凝固異常がなく、皮膚の血管炎が疑われる場合は、ほとんどがHenoch-Schonlein紫斑病(IgA血管炎)であり、皮膚生検を行う必要はない(推奨度2)
  1. 皮膚生検にて皮膚白血球破砕性血管炎を認めた場合には、過敏性血管炎を考えて薬剤使用歴、先行感染の有無を確認する(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 過敏性血管炎とは、もともと薬剤やウイルス、細菌などに対して免疫系が過剰反応を起こして、主に皮膚の血管に炎症が起こる疾患として定義された。
  1. 皮膚生検にて、皮膚真皮浅層の後毛細血管静脈を病変の首座とし、血管壁や血管周囲に浸潤した好中球に由来した核破砕を特徴とした白血球破砕性血管炎(leukocytoclastic vasculitis)を認める。
  1. 病態にⅢ型アレルギー(免疫複合体)が関与しているとされており、間接蛍光抗体法にて免疫グロブリンや補体の沈着がみられるが、免疫複合体のうち、免疫グロブリンは血管壁からの乖離、炎症細胞による貪食によって48時間後にほぼ消失するため皮膚血管炎の生検は皮疹出現後24~48時間以内の施行が望ましい。
  1. 近年、血管炎のさまざまな原因が明らかになるに伴い、血管炎は病因により分類されるようになったため、過敏性血管炎の名称が使われることは少ない。血管炎の国際分類を定めた会議(Chapel Hill Consensus Conference:CHCC)では1994年に過敏性血管炎は除かれた。最新のCHCC2012では過敏性血管炎は以下に分類される。誘因の推定される続発性血管炎として原因の明らかなものは、薬剤関連免疫複合体性血管炎/薬剤関連ANCA関連血管炎/C型肝炎関連クリオグロブリン性血管炎/B型肝炎ウイルス関連血管炎/HIV関連血管炎/癌関連血管炎、原因が明らかでなく皮膚症状が主体の血管炎は皮膚白血球破砕性血管炎、IgA沈着を認めて皮膚以外にも消化管、腎炎(紫斑病性腎炎)をしばしば生じる血管炎はIgA血管炎/Henoch-Schonlein紫斑病である。
 
Chapel Hill Consensus Conference 2012(CHCC2012)の分類と過敏性血管炎

  1. CHCC2012では、罹患血管径による分類を基本として、病因の明らかなものは別に分類している。過敏性血管炎は薬剤、感染等の誘因が推定される血管炎の中で皮膚症状が主体であるものと、誘因の明らかでない皮膚白血球破砕性血管炎、IgA血管炎が該当する。
  1. 誘因が推定される血管炎はC型肝炎ウイルス関連クリオグロブリン血症性血管炎、C型肝炎以外の感染症関連クリオグロブリン血症性血管炎、B型肝炎ウイルス関連血管炎、薬剤関連免疫複合体性血管炎、薬剤関連ANCA 関連血管炎、癌関連血管炎、HIV関連血管炎等の誘因が含まれる。
  1. IgA血管炎は薬剤や感染などの関連が強いため、過敏性血管炎の特殊型といえる。

出典

J C Jennette, R J Falk, P A Bacon, N Basu, M C Cid, F Ferrario, L F Flores-Suarez, W L Gross, L Guillevin, E C Hagen, G S Hoffman, D R Jayne, C G M Kallenberg, P Lamprecht, C A Langford, R A Luqmani, A D Mahr, E L Matteson, P A Merkel, S Ozen, C D Pusey, N Rasmussen, A J Rees, D G I Scott, U Specks, J H Stone, K Takahashi, R A Watts
2012 revised International Chapel Hill Consensus Conference Nomenclature of Vasculitides.
Arthritis Rheum. 2013 Jan;65(1):1-11. doi: 10.1002/art.37715.
Abstract/Text
PMID 23045170
 
過敏性血管炎に該当する疾患のまとめ

Chapel Hill Consensus Conference(CHCC2012)の分類では、過敏性血管炎の名称は使われておらず、原因により細分化されている。
過敏性血管炎は、皮膚以外の全身症状は少ないとされているが、これら原因ごとの疾患分類では、全身症状を伴う場合がある。共通していることは、皮疹は紫斑が多いこと、病理組織は皮膚白血球破砕性血管炎であること、軽症例では原因の除去や対症療法が主体で免疫抑制療法は必要ないこと。頻度は少ないが重症例では免疫抑制剤併用や血漿交換など集学的な治療が必要になることである。
 
参考文献:
日本皮膚科学血管炎・血管障害診療ガイドライン改訂版作成委員会: 薬剤関連血管炎. 血管炎・血管障害診療ガイドライン2016年改訂版.日皮会誌:127(3),299-415,2017.
Bahrami S, Malone JC, Webb KG. Tissue eosinophilia as an indicator of drug-induced cutaneous small-vessel vasculitis. Arch Dermatol. 2006 Feb;142(2):155-61. PMID: 16490843
Loricera J, Calvo-Río V, Ortiz-Sanjuán F. The spectrum of paraneoplastic cutaneous vasculitis in a defined population: incidence and clinical features. Medicine (Baltimore). 2013 Nov;92(6):331-43. PMID: 24145696

出典

狩野俊和先生提供
 
  1. 全身性血管炎の皮膚症状として白血球破砕性血管炎がみられることもある。ANCA関連血管炎(顕微鏡的多発血管炎、多発血管炎性肉芽腫症、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症)、クリオグロブリン血症性血管炎(特発性、一部は続発性)、蕁麻疹様血管炎、ループス血管炎、リウマチ性血管炎の急性期も同所見をみるため、これらの疾患の除外が必要である。
  1. IgA血管炎は過敏性血管炎の特殊型で、腎や腸管にも血管炎による血尿や腹痛、下血が生じる。糸球体腎炎合併頻度は成人で50~80%、小児で20~50%とされる。男性に多く、季節的には冬季に多い傾向がある。
  1. IgA血管炎の一部は溶連菌感染との関連があり、上気道感染の1~2週後に起きることが多い。小児に多い疾患であるが、成人にも生じる。治療は原因の除去が大事なので、関与が疑われる場合は薬剤中止、細菌感染の場合は抗菌薬投与を行う。
  1. 皮膚血管炎の20~30%で薬剤が関与するとの意見があり、原因薬剤の早期中止により重症化の防止が可能で、薬剤中止のみで寛解する症例もある。過度の免疫抑制療法を避けるため、薬剤関連血管炎は常に考慮する必要がある。ANCAの関与する薬剤関連ANCA関連血管炎と関与しない薬剤関連免疫複合体性血管炎がある。
  1. クリオグロブリンが陽性の血管炎は、多くがHCV陽性であり、C型肝炎関連クリオグロブリン血症性血管炎と呼ばれる。紫斑、関節痛、多発神経障害、腎障害を認める。アルゴリズムアルゴリズム
  1. HBV感染に伴う血管炎は結節性多発動脈炎が多いとされるが、わが国での頻度は少ない。他に皮膚白血球破砕性血管炎や蕁麻疹様血管炎、クリオグロブリン血症性血管炎の報告もある。
  1. 血液悪性腫瘍などに伴って皮膚血管炎が生じることがある。皮膚症状の多くがpalpable purpuraであり、難治性の場合には合併を考慮する必要がある。
  1. 原因が明らかでないものは皮膚白血球破砕性血管炎である。
問診・診察のポイント  
  1. 皮膚以外の全身症状を確認する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
金子駿太 : 講演料(日本イーライリリー(株))[2025年]
監修:金子礼志 : 特に申告事項無し[2025年]

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