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著者: 久保かなえ 東京都健康長寿医療センター膠原病・リウマチ科/東京大学医学部附属病院 アレルギー・リウマチ内科

監修: 上阪等 千葉西総合病院 膠原病リウマチセンター

著者校正/監修レビュー済:2022/11/24
参考ガイドライン:
  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)の診療ガイドライン2019
編集:厚生労働科学研究費補助金 難治性疾患等政策研究事業 自己免疫疾患に関する調査研究班、日本リウマチ学会
  1. 2019 update of the EULAR recommendations for the management of systemic lupus erythematosus.
Ann Rheum Dis. 2019 Jun;78(6):736-745. PMID: 30926722
  1. American College of Rheumatology guidelines for screening, treatment, and management of lupus nephritis. Arthritis Care Res (Hoboken). 2012 Jun;64(6):797-808. PMID:22556106
  1. 2019 Update of the Joint European League Against Rheumatism and European Renal Association-European Dialysis and Transplant Association (EULAR/ERA-EDTA) recommendations for the management of lupus nephritis. Ann Rheum Dis. 2020 Jun;79(6):713-723. PMID: 32220834
  1. KDIGO 2021 Clinical Practice Guideline for the Management of Glomerular Diseases. Chapter 10: Lupus nephritis. Kidney Int 2021;100:S1-S276. PMID: 34556256.
  1. EULAR recommendations for women's health and the management of family planning, assisted reproduction, pregnancy and menopause in patients with systemic lupus erythematosus and/or antiphospholipid syndrome.
Ann Rheum Dis. 2017 Mar;76(3):476-485. PMID: 27457513
  1. EULAR recommendations for cardiovascular risk management in rheumatic and musculoskeletal diseases, including systemic lupus erythematosus and antiphospholipid syndrome. Ann Rheum Dis. 2022 Feb 2:annrheumdis-2021-221733. PMID: 35110331
  1. 日本リウマチ学会、日本皮膚科学会による皮膚エリテマトーデスおよび全身性エリテマトーデスに対するヒドロキシクロロキン使用のための簡易ガイドライン(2015.10.20版)
  1. 日本眼科学会によるヒドロキシクロロキン適正使用のための手引き(2016.6.10版)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 新たに認可された薬剤の情報を加え、EULAR, EULAR/ERA-EDTA recommendations, KDIGO guidelinesの最新の内容を踏まえて更新した。

概要・推奨   

  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)で尿所見異常や進行性腎機能障害を認めた場合にはループス腎炎を疑い、禁忌がない限り積極的に腎生検施行を考慮する(推奨度1)
  1. III型、IV型ループス腎炎に対する寛解導入療法では、高用量ステロイド薬に加えシクロホスファミド(CPA)またはミコフェノール酸モフェチル(MMF)を併用する(推奨度1)
  1. 全身性エリテマトーデスの診療ガイドラインおよびACR、EULAR/ERA-EDTA、KDIGOのループス腎炎ガイドラインを参考に、検査や治療方針を検討する(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 全身性エリテマトーデス(SLE)は自己免疫疾患の1つで、細胞核成分に対する抗体により多臓器に障害を及ぼし、慢性の経過で多彩な症状を呈する。
  1. 難病法による令和2年度末のわが国のSLEの医療受給者証保持者数は64,468人で、平成26年度末統計では、男女比は約1:8と女性に多い。15~55歳程度の比較的若年で発症することが多い[1]
  1. SLEにおいてループス腎炎を発症する頻度には人種差があるが、アジア人では約半数であったという報告がある[2]
  1. ループス腎炎は2本鎖DNA(dsDNA)-抗DNA抗体などの自己抗原と自己抗体の免疫複合体が糸球体に沈着し補体を活性化して炎症が生じる免疫複合体型の腎炎である。
  1. ループス腎炎は病理組織所見からInternational Society of Nephrology/Renal Pathology Society (ISN/RPS) 2003分類および2018年改訂によって6型に分類され(表<図表>,表<図表>,表<図表>)、組織型により治療方針や予後が異なる。
  1. ループス腎炎による腎生存率は10年で80~90%程度である[3][4][5]
  1. 抗リン脂質抗体が関与した血栓や微小血管障害の合併を認めることがある。
  1. SLEに、高血圧性腎硬化症や、糖尿病性腎症、薬剤性腎障害などの非ループス腎炎による腎障害が合併することがある[6]
 
ループス腎炎の活動性病変と免疫沈着

ループス腎炎でみられる全節性管内細胞増多、ヒアリン血栓とワイヤーループ病変、壊死性病変、蛍光抗体法による免疫グロブリンの沈着。
a:全節性管内細胞増多
b:ヒアリン血栓とワイヤーループ
c:分節性壊死性病変
d:蛍光抗体法でみたIgG沈着

出典

著者提供
 
  1. 全身性エリテマトーデスの診療ガイドラインおよび米国リウマチ学会(ACR)、欧州リウマチ学会(EULAR)/ERA-EDTA、KDIGOのループス腎炎ガイドラインを参考に、検査や治療方針を検討する(推奨度1)
  1. まとめ:2012年にAmerican College of Rheumatology (ACR) 、European League Against Rheumatism/European Renal Association-European Dialysis and Transplant Association (EULAR/ERA-EDTA) 、Kidney Disease Improving Global Outcomes (KDIGO) の各グループからループス腎炎のガイドラインが発表され、EULAR/ERA-EDTA は2019年に、KDIGOは2021年に改訂された[7][8][9]。2019年に日本から全身性エリテマトーデスの診療ガイドラインが発表された。
  1. 代表事例の説明:ループス腎炎の評価方法、組織型で分けられた治療方法、治療目標、モニタリング、末期腎不全の対応、妊娠への対応などが述べられている。ACRのガイドラインではⅢ型、Ⅳ型、Ⅴ型、妊娠例の治療について図のようなアルゴリズムが提示されている[7]
  1. 結論:疾患活動性の抑制効果、再燃の予防効果、ステロイド薬の減量効果、治療に伴う副作用の軽減、長期的な腎予後・生命予後の改善効果を考慮し、寛解導入療法または寛解維持療法に適した治療を選択する必要があり、ガイドラインを参考にすることを推奨するが、個々の症例に適した治療の検討を十分に行うことが重要である。
  1. 追記:寛解導入治療および寛解維持治療のエビデンスはRCTが蓄積されているが、ステロイドの減量・中止や免疫抑制薬の継続期間についてのエビデンスに課題が残る。寛解導入療法不応例での免疫抑制薬変更の有効性についてのデータは乏しい。難治例に対する治療は確立されていない。リツキシマブのように日本で保険適用外となっている薬剤がある。
 
ACRのガイドラインにおけるⅢ/Ⅳ型、Ⅴ型、妊娠合併ループス腎炎に対する治療アルゴリズム

①Ⅲ/Ⅳ型ループス腎炎に対する寛解導入療法 ② 増殖性病変のない、ネフローゼ域の蛋白尿を伴うV型ループス腎炎の治療 ③ Ⅲ、Ⅳ、Ⅴ型ループス腎炎の妊娠時の治療
PSL; プレドニゾロン
CPA;シクロホスファミド
MMF; ミコフェノール酸モフェチル
AZA; アザチオプリン

出典

Bevra H Hahn, Maureen A McMahon, Alan Wilkinson, W Dean Wallace, David I Daikh, John D Fitzgerald, George A Karpouzas, Joan T Merrill, Daniel J Wallace, Jinoos Yazdany, Rosalind Ramsey-Goldman, Karandeep Singh, Mazdak Khalighi, Soo-In Choi, Maneesh Gogia, Suzanne Kafaja, Mohammad Kamgar, Christine Lau, William J Martin, Sefali Parikh, Justin Peng, Anjay Rastogi, Weiling Chen, Jennifer M Grossman, American College of Rheumatology
American College of Rheumatology guidelines for screening, treatment, and management of lupus nephritis.
Arthritis Care Res (Hoboken). 2012 Jun;64(6):797-808. doi: 10.1002/acr.21664.
Abstract/Text
PMID 22556106
問診・診察のポイント  
SLEに伴う臓器病変の評価:
  1. SLEに伴う臓器病変の評価を行う。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
久保かなえ : 特に申告事項無し[2025年]
監修:上阪等 : 特に申告事項無し[2025年]

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