今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 福原秀雄 高知大学医学部泌尿器科学講座

著者: 井上啓史 高知大学医学部泌尿器科学講座

監修: 中川昌之 公益財団法人 慈愛会 今村総合病院 泌尿器科顧問

著者校正/監修レビュー済:2025/03/26
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行い、以下の修正を行った。
  1. 「診断手順」のアルゴリズムを差し替えた。

概要・推奨   

  1. 精巣上体炎は、発病初期には精巣上体に限局する疼痛・腫脹を認め、発熱を伴うことが多い。
  1. 精巣上体炎は、検査においては膿尿および炎症反応の上昇を認める。
  1. 精巣上体炎の治療は重症度に応じての抗菌薬投与、解熱鎮痛薬の投与を行う。
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 精巣上体炎
  1. 精巣上体の急性炎症で、原因微生物としては一般細菌・クラミジア・淋菌などが尿道から精管に逆行性に到達して起こる病気である。
  1. 発生初期には精巣上体に限局する疼痛・腫脹を認め、発熱を伴うことが多い。
  1. 成人の場合の精巣上体炎では、尿路感染症から発症した起因菌は判明するが、小児の精巣上体炎は起因菌や尿路感染症が不明なことがある。
  1. 検査においては膿尿および炎症反応の上昇を認める。
  1. エコー所見は精巣上体の腫大とカラードプラーで血流増加を認める。
  1. 治療はグラム陰性桿菌をメインにカバーする抗菌薬の投与、解熱鎮痛薬の投与を行う。
 
  1. 精巣炎
  1. 精巣炎は、ムンプスによるものが多く、思春期以降の感染で20~30%の割合で精巣炎を起こす。
  1. 主な症状は、発熱、陰嚢腫脹、発赤、疼痛などを認める。
  1. ムンプスによる精巣炎は、基本的には対処療法を実施し、自然治癒を待つ。
 
  1. 受診方法と経過時間
  1. 精巣上体炎の受診方法と経過時間を示す。
  1. 受診方法としては、他科から泌尿器科への紹介受診が多く、発症後平均3日で受診となる。
  1. 精巣捻転症と比べると、受診はやや遅れる傾向を認める。
 
急性陰嚢症の受診方法と経過時間

精巣上体炎は3日の時間経過の後に受診することが多い。

出典

後藤智隆、柿澤至恕:小児急性陰嚢症の臨床的検討.日泌会誌1999;90(7):663-668.
 
  1. 疾患別好発年齢
  1. 精巣捻転、精巣付属器捻転、急性精巣上体炎の3疾患の年齢別の患者数を示す。
  1. 思春期以前は精巣捻転・精巣付属器捻転の発生割合が高く、思春期以降は精巣上体炎の発生率が上昇する。
 
急性陰嚢症の年齢別患者分布1

思春期以降に精巣上体炎は増加してくる。

出典

趙秀孔、佐藤直秀、古谷雄三:手術を施行した急性陰嚢症の臨床的検討.泌尿器科紀要2007;53(6):382.
 
  1. 年齢別疾患発生率
  1. 精巣捻転、精巣付属器捻転、急性精巣上体炎の3疾患の各年齢における発生割合を示す。
  1. 思春期以降は精巣捻転・精巣付属器捻転の割合が減少し、急性精巣上体炎の発生割合の上昇を認める。
 
急性陰嚢症の年齢別患者分布2

20歳以降に急性精巣上体炎が増加してくる。

出典

趙秀孔、佐藤直秀、古谷雄三:手術を施行した急性陰嚢症の臨床的検討.泌尿器科紀要2007;53(6):382.
問診・診察のポイント  
  1. 発熱・陰嚢の腫脹・疼痛の主要症状を認める。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
福原秀雄 : 特に申告事項無し[2024年]
井上啓史 : 未申告[2024年]
監修:中川昌之 : 特に申告事項無し[2024年]

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精巣上体炎、精巣炎

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