今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 兼松明弘 兵庫医科大学病院 泌尿器科

監修: 松田公志 関西医科大学附属病院 病院長

著者校正/監修レビュー済:2023/05/24
参考ガイドライン:
  1. 緒方 勤、堀川 玲子、長谷川 奉延ほか:性分化異常症の管理に関する合意見解、日本小児科学会雑誌 2008; 112(3), pp.565-578
  1. 日本小児内分泌学会性分化委員会・厚生労働科学研究費補助金難治性疾患克服研究事業 性分化疾患に関する研究班:性分化疾患初期対応の手引き(2011.1策定)、日本小児科学会雑誌 2011; 115, pp.7-12
  1. 性分化疾患初期対応の手引き
  1. Lee PA, Houk CP, Ahmed SF, Hughes IA; International Consensus Conference on Intersex organized by the Lawson Wilkins Pediatric Endocrine Society and the European Society for Paediatric Endocrinology. Consensus statement on management of intersex disorders. International Consensus Conference on Intersex. Pediatrics. 2006 Aug;118(2):e488-500
  1. Lee PA, Nordenström A, Houk CP, Ahmed SF, et al; Global DSD Update Consortium. Global Disorders of Sex Development Update since 2006: Perceptions, Approach and Care. Horm Res Paediatr. 2016;85(3):158-80
  1. 日本小児内分泌学会(性分化・副腎疾患委員会、マススクリーニング委員会)日本マススクリーニング学会 日本小児泌尿器科学会 日本内分泌学会 厚生労働省難治性疾患政策研究事業(副腎ホルモン産生異常に関する調査研究班:21-水酸化酵素欠損症の診断・治療のガイドライン 2021年改訂
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

概要・推奨   

  1. 性分化疾患の治療に当たっては、専門施設におけるチーム医療が必要である(OGJ)。
  1. ほぼ100%男児として養育する疾患は、46,XY DSDのうちでMISの作用異常のあるものと46,XX精巣性DSDである(推奨度2, OGJ)
  1. ほぼ100%女児として養育する疾患は、46,XY DSDのうち、性腺完全発達障害、完全型アンドロゲン不応症(CAIS)、StAR 遺伝子異常、46,XX DSD のうちでMuller管発生異常である(推奨度2, OGJ)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 性分化疾患(disorders of sex development、DSD)は、内性器および外陰部が典型的な男性または女性の表現型をとらない疾患群の総称である。
  1. 46XYでのDSDの頻度は20,000人に1人、卵精巣性DSDは100,000人に1人、精巣または混合性性腺異形成は10,000人に1人、46XX DSDの大部分はCAHのうちの21水酸化酵素欠損症で14,000-15,000人に1人である[1]
  1. 以前は、hermaphroditism(半陰陽)やインターセックスと呼ばれていたが、用語および分類の大幅な改訂のなかで、現在は性分化疾患と呼ばれている。
 
Prader分類

性分化疾患のPrader分類の図
性分化疾患は完全女性型と完全男性型の間のスペクトラムをとる。度数が低いほど女性化が、高いほど男性化がすすんでいる。
 
参考文献:
日本小児内分泌学会 性分化・副腎疾患委員会編:性分化疾患の診断と治療、2017、p9, 図1

 
先天性副腎皮質過形成の外陰部

陰核肥大、腟口の狭小化および陰嚢様大陰唇を認める。

出典

著者提供
 
XX男性(SRY陰性)の外陰部

高度尿道下裂および二分前置陰嚢を認める。

出典

著者提供
 
混合性性腺異形成の外陰部

両性様外陰部。

出典

著者提供
 
  1. 原因は、性腺の発生異常によるものと、性ホルモン(特にアンドロゲン)の作用異常によるものに大別される。
  1. 出生直後に性の決定が必要な疾患もあり、専門家によるチーム医療が望ましい[2](推奨度2, OGJ)
 
性分化疾患の分類

性分化疾患の分類、主に染色体の核型に従うため、いずれの核型も取りうる卵精巣性DSD(disorders of sex development)はすべてに分類される。

出典

Peter A Lee, Christopher P Houk, S Faisal Ahmed, Ieuan A Hughes, International Consensus Conference on Intersex organized by the Lawson Wilkins Pediatric Endocrine Society and the European Society for Paediatric Endocrinology
Consensus statement on management of intersex disorders. International Consensus Conference on Intersex.
Pediatrics. 2006 Aug;118(2):e488-500. doi: 10.1542/peds.2006-0738.
Abstract/Text
PMID 16882788
 
  1. 性分化疾患の治療に当たっては、専門施設におけるチーム医療が必要である(推奨度2, OGJ)(参考文献:[2][3][4]
  1. まとめ:性分化疾患の治療に当たっては、専門施設におけるチーム医療が必要である。
  1. 代表事例:外陰部形成術のしやすさだけで外科系主導で性が決定された場合に、性同一性障害が発生し得ることが報告されている。
  1. 追記:性分化疾患の専門医は希少である。日本小児内分泌学会は中核施設・準中核施設を指定している。
    性分化疾患診療の中核施設・準中核施設マップ
  1. 性分化疾患のような稀少疾患ではエビデンスレベルの高いrandomized study は不可能であり、コホート研究、症例報告、およびエキスパートオピニオンなどに依拠しなければならない。
  1. 難病情報や国内のサポートグループについてはインターネットから情報入手できる。
 
  1. ほぼ100%男児として養育する疾患は、46,XY DSDのうちでMISの作用異常のあるものと46,XX精巣性DSDである(推奨度2, OGJ)(参考文献:[2][3][4]
  1. まとめ:ほぼ100%男児として養育する疾患は、46,XY DSDのうちでMISの作用異常のあるものと46,XX精巣性DSDである。
  1. 代表事例:MISの作用異常疾患は新生児期には気づかれず、正常な男性としての発生に余剰として Muller管由来構造物が発生するものである。XX男性は、性腺として精巣を有しており、外陰部異常が高度であったとしても、女性として養育する選択はないと考えられている。
 
  1. ほぼ100%女児として養育する疾患は、46,XY DSDのうち、性腺完全発達障害、CAIS、StAR 遺伝子異常、46,XX DSDのうちでMuller管発生異常である(推奨度2, OGJ)(参考文献:[2][3][4]
  1. まとめ:ほぼ100%女児として養育する疾患は、46,XY DSDのうち、性腺完全発達障害、CAIS、StAR遺伝子異常など胎生期にアンドロゲンの作用のないものである。46,XX DSDでは先天性副腎皮質過形成、MRKHである。
  1. 代表事例:ほぼ100%女児として養育する疾患は、46,XY DSDのうち、性腺完全発達障害、CAIS、StAR遺伝子異常など胎生期にアンドロゲンの作用のないもので外陰部が女性形をとることに加えて、脳のインプリンティングがないために、ほぼ100%女性として養育される。46,XX DSDのうちではMRKH などのMuller管発生異常は、そもそも思春期まで診断されない。
  1. 代表事例:46,XXの先天性副腎皮質過形成はほぼ100%が女性として養育され、本邦のワーキンググループでは原則として社会的性は女性を提案している[5]
 
  1. 男、女双方の選択もあり得るものとしては、卵精巣性DSD(狭義)、MGD 、5αRD2欠損症、17βHSD欠損症(大部分は女性を選択)、PAIS、Leydig細胞無形成、低形成、総排泄腔外反症(女児としての育成に否定的な意見が多い)がある。(推奨度2, OGJ)(参考文献:[2][3][4][6]
 
  1. 性の決定が必要な症例では、戸籍上の性別の届出を保留する。いったん届け出られた性の変更は医学的理由があれば可能である(J)。(参考文献:[2][3][4]
  1. 戸籍法上は14日以内に届出が必要であるが、医学的に性の決定が必要な場合には、性別を未載として「追完」することが可能であると規定されている。
  1. 新生児が生まれたときに周囲が第一に尋ねるのは性別であり、性分化疾患児を持った親の精神的苦痛は大きい。医療者は十分な情報を両親に提供するとともに、性の決定までのタイムテーブルを明示するべきである。新生児期に性の決定を行ったケースで、3歳ごろに性の再決定を考慮してもよい。
 
  1. 性腺の腫瘍化についてはリスク分類が存在する。Y成分陽性の性腺異形成、精巣が陰嚢内にないCAISなどの高リスク例については、推奨されている性腺摘除が一般的に行われている(OGJ)。(参考文献:[2][3]
 
胚細胞腫瘍の発症リスク

文献1による性腺の悪性化リスクと摘除の推奨度。CAIS(complete androgen insensitivity syndrome)では女性と養育されるために低リスクだが摘除が通常である。

出典

緒方 勤、堀 玲子、 長谷川奉延ら: 性分化疾患症の管理に関する合意見解. 日本小児科学会雑誌, 2008; 112(3).
 
  1. 思春期以降のキャリーオーバーに当たっては、女性では女性婦人科医、男性ではandrologistの関与が望ましい[2][3](推奨度2, OGJ)
 
  1. 個別疾患情報は小児慢性特定疾病情報センターより入手できる。
  1. 小児慢性特定疾病情報センターホームページ:疾患群別一覧
 
  1. 国内のサポートグループがある。
  1. アンドロゲン不応症と性分化疾患のサポートグループ ホームページ
  1. 日本インターセックスイニシアチブ ホームページ
問診・診察のポイント  
  1. 家族歴、妊娠・出産歴、出生時体重などについて問診をとる。

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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
兼松明弘 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:松田公志 : 特に申告事項無し[2024年]

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