今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤井泰宏 岡山大学病院新医療研究開発センター

監修: 伊藤浩 川崎医科大学総合内科学3教室

著者校正/監修レビュー済:2024/08/07
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『JCS/JSVS 2022年改訂版末梢動脈疾患ガイドライン』を参照に、下記の点を加筆・修正した。
  1. 疫学情報と「さまざまなリスクファクターを念頭に置いた慎重な全⾝管理を要する疾患である」ことを追記
  1. 原因疾患について、塞栓症では「拡張型心筋症」、血栓症では「血管ステント内に発生した血栓」を追加
  1. アルゴリズムを更新
  1. 「コンパートメント症候群」の項目を追加
  1. フォローアップにおける抗凝固治療について記載追加

概要・推奨   

  1. 脈拍の触診や身体所見は精度に欠けるため、急性動脈閉塞が疑われる患者はすべて、症状発現後速やかに末梢の脈拍をドプラーで評価するべきである(推奨度1)
  1. 急性下肢虚血が疑われるすべての患者は、神経と筋肉の不可逆的損傷が数時間以内に起こる可能性があるため、速やかに治療方針の決定をして血行再建術を施行できる血管専門医による診断を受けるべきである。
  1. すべての急性下肢虚血の患者において、即時の非経口抗凝固療法が適応となる。緊急画像診断、治療を受ける予定の患者にはヘパリンを投与すべきである(推奨度1)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 急性動脈閉塞症とは、主幹動脈が、血栓や塞栓により突然閉塞を起こす病態で、閉塞部位と重症度に応じた対応が必要である。
  1. National Clinical Database(NCD)登録症例に基づく日本血管外科学会による血管外科手術アニュアルレポート2014年では、塞栓症が45.0%、血栓症が55.0%である。
  1. 四肢の急性動脈閉塞症は、完全閉塞の場合、6~8時間で筋組織が不可逆変化を起こし切断に至る危険を有し、また、生命への危険が及ぶ場合もあり得る重篤な病態である。
  1. 上腸間膜動脈の急性閉塞症は、腸管壊死を引き起こす可能性があり、急性発症の激しい腹痛では疑う必要がある。(上腸間膜動脈閉塞症について、詳しくは上腸間膜動脈閉塞症・上腸間膜静脈血栓症の項参照)
  1. 閉塞部位を判断するとともに重症度を診断し、観血的治療の時期を逸しないことが肝要である。
  1. 局所治療のみならず、患者の高齢化や併存疾患など、さまざまなリスクファクターを念頭に置いた慎重な全身管理を要する疾患である。
症状兆候  
四肢動脈:
  1. 急性動脈閉塞の症状としては“5P”、すなわち疼痛(pain)、脈拍消失(pulselessness)、蒼白(pallor/paleness)、知覚鈍麻(paresthesia)、運動麻痺(paralysis/paresis)、または、これらに虚脱(prostration)を加えた“6P”がよく知られている)。
  1. 原因にかかわらず肢切断に至る可能性があるが、側副血行路の発達していない塞栓症や外傷によるものでは急激な経過をたどり、血栓症で発達した側副血行が温存されている場合には比較的遅い経過をたどる。下肢においては動脈拍動の有無、動・静脈のドプラシグナルの有無とともに知覚消失や安静時疼痛の存在、筋力低下の有無が肢虚血の可逆性を判別するのに有用な徴候となる。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤井泰宏 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:伊藤浩 : 特に申告事項無し[2025年]

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急性動脈閉塞症

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