今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 森隆三郎 日本大学病院 眼科

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正済:2025/10/15
現在監修レビュー中
参考ガイドライン:
  1. 日本網膜硝子体学会:新生血管型加齢黄斑変性の診療ガイドライン
 
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. これまで加齢黄斑変性(age‒related macular degeneration:AMD)は、2008年に『加齢黄斑変性の分類と診断基準』[1]、2012年に『加齢黄斑変性の治療指針』[2]に基づいて、診断と治療が行われてきたが、2024年に『新生血管型加齢黄斑変性の診療ガイドライン』[3]が掲載された。
  1. AMDの分類が「萎縮型(atrophic)AMD」と「新生血管型(neovascular)AMD」となった(これまでは、「萎縮型AMD」と「滲出型AMD」に分類していた)。
  1. 新生血管型AMD にみられる黄斑部の新生血管を、「脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)」としていたが、黄斑部の網膜血管由来の新生血管も含まれることから、「黄斑新生血管(macular neovascularization:MNV)」となった。
  1. 前駆病変はなくなり、早期AMDと中期AMDになった。
  1. 新生血管型 AMD にPachychoroid neovasculopathy(PNV)を含めた。
 

概要・推奨   

  1. 加齢黄斑変性(age-related macular degeneration:AMD)は加齢に基づく黄斑異常の総称であり、「萎縮型(atrophic)AMD」と「新生血管型(neovascular)AMD」に分けられる[3]
  1. 新生血管型AMD にみられる黄斑部の新生血管は、以前は、「脈絡膜新生血管(choroidal neovascularization:CNV)」としていたが、黄斑部の網膜血管由来の新生血管も含まれることから、「黄斑新生血管(macular neovascularization:MNV)」となっている[3]
  1. AMDは早期AMD、中期AMD、後期AMD、末期AMDに分類される。早期AMD、中期AMDは、以前は前駆病変とされていた病変で[1]、ドルーゼンや網膜色素上皮(retinal pigment epithelium:RPE)異常である[3]
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  1. 新生血管型AMDは、MNVの存在する位置(深さ)で分類し、MNVがRPE下に存在すれば1型MNVで、1型MNVの端部にポリープ状病巣がみられればポリープ状脈絡膜血管症(polypoidal choroidal vasculopathy:PCV)である。わが国の新生血管型AMDの半数以上がPCVである。RPE上から網膜下に存在すれば2型MNV、混在するものは1+2型MNVである。網膜血管から生じたMNVは3型MNVで、網膜血管腫状増殖(retinal angiomatous proliferation:RAP)とも呼ばれる[3]
  1. パキコロイド(厚い脈絡膜)にMNVを伴うPachychoroid neovasculopathy(PNV)を新生血管型AMD に含める[3]
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オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
森隆三郎 : 未申告[2024年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2025年]

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