今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 久保田敏信 国立病院機構名古屋医療センター 眼科

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正済:2025/06/10
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 定期レビューを行った(変更なし)。

概要・推奨   

  1. 眼窩蜂巣炎の重症度の分類はCT検査所見に基づく(推奨度1)
  1. 眼窩炎症疾患が疑われたとき、CT画像検査は強く推奨される(推奨度1)
  1. 乳幼児と複視、視力低下がみられる大人は、入院がおそらく推奨される(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 眼窩とは眼球周囲の組織で、眼窩炎症疾患は眼窩に炎症が生じる疾患群である。
  1. 眼窩炎症疾患には、眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症がある。<図表>
  1. 眼窩蜂巣炎は片眼性急性炎症性の疾患で幼児から成人まで罹患する。細菌感染が原因で、抗菌薬によって加療する[1][2]
  1. 特発性眼窩炎症は片眼性急性炎症性の疾患で、あらゆる年代の大人に発生する。原因が不明で、ステロイド薬によって加療する。
  1. 眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症の症状・徴候はきわめて類似していて、鑑別がしばしば困難である。
  1. 眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症の鑑別は、主にCT画像検査所見に基づく。
  1. 眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症は速やかな治療が必要である。
 
眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見

眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症は鑑別がしばしば困難である。眼窩蜂巣炎のCT検査所見は<図表>を、特発性眼窩炎症のCT検査所見は<図表>を参照されたい。
a:6歳男児の眼窩蜂巣炎。血清生化学的所見では白血球数6,900/ul(正常値3,500~8,500/ul)、眼脂培養は陰性であった。アンピシリン点滴で治癒した。
b:15歳女児の特発性眼窩炎症。ステロイドパルス療法(ソル・メルコート 1日1000mg 点滴 3日間)で治癒した。
c:53歳女性の眼窩蜂巣炎(Group I:CT検査所見は<図表>のa)。モダシンの点滴静注(1日 2~4g 2週間)で治癒した。
d:58歳男性の特発性眼窩炎症。ステロイドパルス療法(ソル・メルコート 1日1000mg点滴3日間)で治癒した。

出典

久保田敏信:眼窩蜂巣炎.眼科診療クオリファイ10.眼付属器疾患とその病理,大鹿哲郎編,中山書店,2012;213-217.
Kubota T: Orbial Myostis. In: Jan Tore Gran ed. Idiopathic Inflammatory Myopathies-Recent Development In Tech, 2011: 123-142.[http://www.intechopen.com/articles/show/title/orbital-myositis/ In Techホームページ]
 
眼窩蜂巣炎のCT検査所見

5歳未満の小児は、上気道炎からの感染経路も考慮する。5歳以上は経皮、経結膜の感染もあるが、多くは副鼻腔炎からの感染の波及である。
a:53歳女性の眼窩蜂巣炎。びまん性陰影が左眼瞼のみにとどまっている状態(Group I)。眼瞼の所見は<図表>眼窩蜂巣炎(a、c)と特発性眼窩炎症(b、d)の眼瞼所見のcを参照。
b:58歳男性の眼窩蜂巣炎。副鼻腔炎が眼窩内に波及している(Group II)。
c:右上の状態からさらに眼窩内に波及した状態。眼瞼の状態は<図表>(眼窩蜂巣炎の眼瞼、CT画像検査所見)を参照。
d:12歳女児の眼窩蜂巣炎(Group III)。眼瞼の状態とMRI検査所見は<図表>(眼窩蜂巣炎の眼瞼所見、CT 、脂肪抑制T2強調MRI画像所見)を参照。

出典

著者提供
 
特発性眼窩炎症のCT検査所見

特発性眼窩炎症は、それぞれの眼付属器に特異的に炎症を引き起こすことが特徴である。特発性眼窩炎症に副鼻腔炎を伴っていないことに注目。しかし、副鼻腔炎はありふれた疾患であり、慢性副鼻腔炎を合併した眼球周囲型の特発性眼窩炎症は、CT検査で類似するかもしれない。
a:涙腺型、b:びまん型、c:視神経周囲型、d:眼球周囲型、e:眼窩先端部型、f:眼窩筋炎型

出典

Kubota T: Orbial Myostis. In: Jan Tore Gran ed. Idiopathic Inflammatory Myopathies-Recent Development In Tech, 2011: 123-142. [http://www.intechopen.com/articles/show/title/orbital-myositis/ In Techホームページ] 
 
  1. 眼窩蜂巣炎が疑われたとき、血算とCRPや血沈はルーチンとして施行することはおそらく推奨される(推奨度2O)
  1. 眼窩炎症性疾患の血液生化学所見を検討した文献によると、小児の眼窩蜂巣炎はより重篤例で白血球数が上昇する[6]。5歳未満は上気道感染から眼窩へと波及するため、副鼻腔の所見が乏しい。ただし、重症度の判定は理学所見と画像検査所見の組み合わせによる重症度の診断のほうが鋭敏である。さらに、成人の眼窩蜂巣炎は約50%のみで白血球数が上昇する[7]。また、炎症の状態は視診で評価できる。これらにより血算や炎症の数値は、眼窩蜂巣炎を含んだ眼窩炎症性疾患において参考所見にとどまる。
 
  1. 初期検査として、眼窩蜂巣炎の起炎菌を同定する方法として、眼脂や鼻腔粘膜からのぬぐい液の採取は強く推奨される。しかし、それらから同定できる可能性は50%未満である(推奨度2O)
  1. 眼窩蜂巣炎の起炎菌の同定に関するメタ分析によれば血液培養による検出は4%、眼脂培養や鼻腔粘膜からの培養による検出は50%、外科加療による膿からの検出は75%であるというエビデンスがある[8]。眼脂や鼻腔からの採取は比較的容易であることより、初期検査として推奨される。しかし常在菌の混入の可能性や検出率が50%未満であることを考慮したほうがよい。外科加療による起炎菌の同定は、眼窩蜂巣炎がより重篤例、血液培養から検出される症例は非常に重篤例、あるいは他の病巣(例:感染性心内膜炎からの眼窩への波及)が考慮される状態である。
 
  1. 眼窩蜂巣炎の重症度の分類はCT検査所見に基づく(推奨度1O)
  1. 眼窩蜂巣炎の場合、副鼻腔炎、骨膜下膿瘍、眼球の形状の変化がみられる。そして、その重症度分類は画像検査所見に基づく[3]
 
眼窩蜂巣炎の状態の分類

眼窩蜂巣炎の重症度はⅠ~Ⅴに分類される。Ⅰは細菌感染とそれによる炎症が眼瞼のみにとどまっている段階、Ⅱ~Ⅳは眼窩内に進展し、眼症状を引き起こしている段階、Ⅴは眼窩から頭蓋内や髄膜に進展した段階である。

出典

久保田敏信:眼窩蜂巣炎.眼科診療クオリファイ10.眼付属器疾患とその病理,大鹿哲郎編,中山書店,2012;213-217.
 
  1. 眼窩炎症疾患が疑われたとき、CT画像検査は強く推奨される(推奨度1OM)
  1. 眼窩炎症性疾患のとき、CT画像検査所見は有用な情報を提供する。第1に、眼窩蜂巣炎と特発性眼窩炎症の鑑別がかなり可能である。特発性眼窩炎症の場合、それぞれの眼付属器(例:涙腺、外眼筋)に肥厚やびまん性陰影の所見がみられる[4]。一方、眼窩蜂巣炎の場合、副鼻腔炎、骨膜下膿瘍、眼球の形状の変化がみられる。<図表><図表>
 
  1. 理学所見と眼窩CT検査所見でも、眼窩蜂巣炎か特発性眼窩炎症の診断が困難なとき、そして眼窩蜂巣炎が考慮され、さらに眼窩内に膿の形成が考慮されたとき、脂肪抑制T2強調冠状断MRI検査所見はおそらく推奨される(推奨度2O)
  1. 眼窩炎症性疾患の場合、脂肪抑制T2強調冠状断MRI検査所見では、眼窩蜂巣炎は膿の局在を同定できる。さらに膿の同定は診断、手術の適応、さらに起炎菌の検出率を高める。一方、特発性眼窩炎症はそれぞれの眼付属器に限定した炎症の局在を示す[4]
 
眼窩炎症性疾患の鑑別を必要とする疾患。リンパ管腫による眼瞼腫脹

14歳男児の右眼瞼の病変(a)。突然に右眼瞼が腫脹した。炎症所見はない(b)点と<図表>(眼窩蜂巣炎の眼瞼所見、CT、脂肪抑制T2強調MRI画像所見)との違いに注目。MRI検査所見は特徴的で、冠状断(T1、T2強調画像:c、d)にて内部が不均一である。
a:右眼の眼瞼腫脹がみられる。発赤がない点に注目。
b:CT検査所見で、腫瘤性病変とそれによる眼球圧迫がみられる。
c:水平断(T2強調画像)で、腫瘤性病変は低信号と高信号を伴った不均一な病態である。
d:水平断(T1強調画像)で、腫瘤性病変は低信号と高信号を伴った不均一な病態である。

出典

著者提供
 
眼窩蜂巣炎の眼瞼所見、CT 、脂肪抑制T2強調MRI画像所見

12歳女児の眼窩蜂巣炎(グループIII)(a)。CT検査所見では眼窩内のびまん性の陰影病変を示し、眼球が下方に圧排されている(b)。MRI検査所見(c、d)では硝子体と等信号所見(矢印)を示し、膿を形成している。<図表>(眼窩炎症性疾患の鑑別を必要とする疾患。リンパ管腫による眼瞼腫脹)との違いに注目。骨膜下に膿瘍があるため、膿がドーム状である(b、d)。加療は切開排膿を施行し、培養は嫌気性菌を示した。

出典

久保田敏信:眼窩蜂巣炎.:眼科診療クオリファイ、10. 眼付属器疾患とその病理:中山書店許諾、改変転載
久保田敏信:小児眼瞼眼窩手術の特殊性.新ES NOW、6 きれいな小児眼科手術:メディカルビュー社;2011.p14-17.許諾、改変転載
問診・診察のポイント  
  1. 眼窩炎症疾患の診断は眼球周囲の理学的所見と画像検査所見に基づく。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
久保田敏信 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2025年]

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眼窩炎症疾患(眼窩蜂巣炎を含む)

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