今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 平和伸仁 横浜市立大学附属市民総合医療センター 腎臓・高血圧内科/血液浄化療法部

監修: 岡田浩一 埼玉医科大学 腎臓内科

著者校正/監修レビュー済:2025/05/29
参考ガイドライン:
  1. ヨーロッパ腎臓学会(ERA)、欧州高血圧学会(ESH):ERA、ESHによる臨床実践報告書(ERA/ESH2023)
  1. 日本高血圧学会:高血圧治療ガイドライン2019(JSH2019)
  1. 日本小児腎臓病学会:腎血管性高血圧診療ガイドライン2017
  1. 国際高血圧学会:高血圧診療ガイドライン2020(ISH2020)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 『ERA/ESH2023』より本レビューに関連のある項目を「概要・推奨」へ追記した。
  1. 「問診・診察のポイント」をより具体的な記載に改めた。
 

概要・推奨   

  1. 安静30分採血による血漿レニン活性(PRA)値は、必ずしも腎血管性高血圧の診断に有用ではない(推奨度2)
  1. 腎動脈狭窄を疑ったときは、腎動脈超音波検査(Duplex超音波法)を行う(推奨度1)。ただし、小児においては、狭窄部位が腎実質内や第2分枝より遠位部で認めることが多く、診断確定のためには有用といえない(推奨度3)
  1. 症例によってはMRAあるいは造影CTを行い、腎動脈狭窄を検索する。ただし、腎機能がeGFR 30 mL/分/1.73 m2未満ではガドリニウムやヨード造影剤の使用を避け、非造影MRAを選択する(推奨度2)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 腎血管性高血圧は、全高血圧患者の1%程度である。しかし、急速、重度、あるいは治療抵抗性高血圧の10~40%を占めるといわれている。
  1. 腎動脈の狭窄が原因で、腎灌流圧の低下によりレニンの過剰産生を生ずることにより発症する。
  1. 若年者では線維筋性異形成が、中・高年者では粥状動脈硬化が狭窄の原因となることが多い。
  1. 高レニン、高アルドステロンを呈する病態であり、低カリウム(K)血症および代謝性アルカローシスを生ずる。
  1. 重症高血圧や治療抵抗性高血圧を示す場合が多く、腹部血管雑音の有無に注意し、腎動脈ドプラ超音波検査がスクリーニング検査として有用である。
  1. 狭窄側の腎機能改善の可能性があれば、経皮的腎動脈形成術(PTRA)の適応を検討する。PTRAは、血圧管理には有用であるが、生命予後および腎機能の改善のエビデンスは十分でない。
 
  1. 腎動脈狭窄を疑ったときは、腎動脈超音波検査(Duplex超音波法)を行う(推奨度1)
  1. duplex超音波法は非侵襲的な検査であり、慢性的な腎動脈の狭窄があると腎の萎縮が起こる。左右の腎臓の大きさに差が1.5cm以上あれば有意な萎縮と考えられ、慢性的な狭窄が疑われる。腎動脈の血流速度(duplex超音波法)の測定により腎動脈狭窄を診断できるため、スクリーニング法として推奨されている[1][2]。動脈造影検査と比較して、腎動脈狭窄の診断に対する感度は84~98%、特異度は62~99%とされている[2]。メタ解析によると造影CT検査およびガドリニウム造影MRA、3D-MRAに比較するとROCカーブで劣る[3]が、duplex超音波法は非侵襲的であることに有用性が勝っているうえ、低コストである。特にpeak systolic velocityを指標とすると、感度85%、特異度92%と高い精度が得られる[4]。ただし、正確な診断には検査の熟練を要する。
 
腎血管性高血圧のドップラー所見

右腎動脈の狭窄により、狭窄位の収縮期最高流速が180 cm/秒以上を示す。

出典

Sudheer Gokhale. Doppler Ultrasonography in Renovascular Hypertension.Genitourinary Ultrasound I Doppler Ultrasonography in Renovascular Hypertension.Ultrasound Clinics, 2010-07-01, Volume 5, Issue 3, Pages 337-353, p346 Fig9 , Elsevier,2010.
 
腎動脈狭窄の腎動脈造影所見

右腎動脈の狭窄と狭窄後拡張

出典

Maarten W. Taal, Glenn M. Chertow, Philip A. Marsden, Karl Skorecki, Alan S.L. Yu, and Barry M. Brenner:Renovascular Hypertension and Ischemic Nephropathy.Brenner & Rector's The Kidney, Ninth Edition Chapter 47, 1752-1791, p1761 FIGURE 47-11 Saunders.
 
腎血管性高血圧の腎大動脈造影所見

a:右腎動脈起始部の狭窄所見
b:PTRAにより拡張し血流が改善している。
c:メディケア受給者における腎動脈ステント留置術の施行数

出典

Maarten W. Taal, Glenn M. Chertow, Philip A. Marsden, Karl Skorecki, Alan S.L. Yu, and Barry M. Brenner:Renovascular Hypertension and Ischemic Nephropathy.Brenner & Rector's The Kidney, Ninth Edition Chapter 47, 1752-1791, p1779 FIGURE 47-24 Saunders.
 
腎動脈狭窄の腎大動脈造影所見

両腎動脈起始部の狭窄
 

出典

Karl Skorecki MD, FRCP(C), FASN, Glenn M. Chertow MD, Philip A. Marsden MD, Maarten W. Taal MBChB, MMed, MD, FCP(SA), FRCP and Alan S.L. Yu MD: Brenner & Rector's The Kidney, Tenth Edition, p1567-1609, Figure 48.1(a), Elsevier.
 
腹部大動脈縮窄症(mid-aortic syndrome)の腎血管造影所見

腹部大動脈縮窄症に伴い右腎動脈起始部が狭窄(上腸間膜動脈[SMA]も狭窄しており、下腸間膜動脈[IMA]が発達している)。

出典

Kjell Tullus, Eileen Brennan, George Hamilton, Rozanne Lord, Clare A McLaren, Stephen D Marks, and Derek J Roebuck:Renovascular hypertension in children,Lancet, The, 2008-04-26, Volume 371, Issue 9622, Pages 1453-1463,p1460 Figure 8.
 
腎動脈狭窄のMRA所見

両側腎動脈起始部に狭窄を認める。

出典

Hong Lei Zhang, Thomas A. Sos, Priscilla A. Winchester, Jing Gao, and Martin R. Prince:Symposium on Renovascular Disease Renal Artery Stenosis: Imaging Options, Pitfalls, and Concerns.Progress in Cardiovascular Diseases, 2009-11-01, Volume 52, Issue 3, Pages 209-219,p212 Fig 3,Elsevier.
 
腎動脈狭窄のCTアンギオグラフィ(CTA)所見

両側の腎動脈近位部に狭窄を認める。

出典

Imran Saif, Dare Seriki, Roger Moore, and Alexander Woywodt:Midaortic Syndrome in Neurofibromatosis Type 1 Resulting in Bilateral Renal Artery Stenosis.American Journal of Kidney Diseases, 2010-12-01, Volume 56, Issue 6, Pages 1197-1201,p1199 Figure 3,National Kidney Foundation.
 
腎血管性高血圧のCTアンギオグラフィ(CTA)所見

a、b:右腎動脈の部分的血流の低下所見(腎梗塞)
c:左腎動脈狭窄に伴う左腎血流低下

出典

Stephen C. Textor:Current Approaches to Renovascular Hypertension.Hypertensive Disease: Current Challenges, New Concepts, and Management Current Approaches to Renovascular Hypertension.Medical Clinics of North America, 2009-05-01, Volume 93, Issue 3, Pages 717-732,p720 Fig1,Elsevier.
 
問診・診察のポイント  
  1. 若年高血圧患者においては、線維筋性異形成の可能性を考慮する。特に女性では、頻度が高くなるので注意する。

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薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
平和伸仁 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:岡田浩一 : 講演料(アステラス製薬(株),協和キリン(株),第一三共(株),アストラゼネカ(株),日本ベーリンガーインゲルハイム(株),小野薬品工業(株),ファイザー(株),田辺三菱製薬(株),鳥居薬品(株)),研究費・助成金など(バイエル薬品(株),中外製薬(株))[2025年]

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