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著者: 冨山誠彦 弘前大学大学院医学研究科脳神経内科学講座

監修: 高橋裕秀 昭和大学藤が丘病院 脳神経内科

著者校正/監修レビュー済:2022/07/20
参考ガイドライン:
  1. American Academy of Neurology:Evidence-based guideline: treatment of tardive syndromes. Bhidayasiri et al., Neurology 81 (2013) 463-9
  1. 日本神経精神薬理学会:統合失調症薬物治療ガイドライン(2017改訂)
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 有効性が確立された薬剤(VMAT-2阻害薬)が登場した。

概要・推奨   

  1. 早期の遅発性ジスキネジア(TDの察知はTDを最小限に抑え、寛解をもたらす可能性を高める。
  1. TD発症の危険因子として、加齢、女性、気分障害、器質的脳疾患の合併、抗精神病薬の総投与量と治療早期の錐体外路症状の合併が挙げられる。
  1. 非定型抗精神病薬は定型抗精神病薬よりもTDの発症は少ない。
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  1. 現時点で治療効果が期待される薬剤として、クロナゼパム、銀杏葉エキス、アマンタジンやその他にビタミンE、ドネペジル、抗てんかん薬のレベチラセタムやガバペンチン、ビタミンB6、メラトニン、Ca拮抗薬などが挙げられているが、これらの有効性は確証されていない(推奨度3)
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病態・疫学・診察 

疾患情報(疫学・病態)  
  1. 遅発性ジスキネジア(tardive dyskinesia、 TD)とは、抗精神病薬に関連して、ゆっくりあるいは遅れて発症する不随意運動のことであり、原因薬剤を中止しても1カ月以上持続し、一旦発症すると難治となることが多い。ジスキネジアばかりでなく、振戦、アカシジアやジストニアを呈する症例もあり、これらを総称してtardive syndromeとも呼ばれる。
  1. tardive syndromeの内訳(参考文献:[1]
  1. 100例のtardive syndromeのタイプは、72%が口~頬~舌のジスキネジア(古典的遅発性ジスキネジア)、30%が遅発性振戦、22%が遅発性アカシジア、16%が遅発性ジストニア、4%が遅発性チック、1%が遅発性ミオクローヌスだった。35%が上記の2つ以上の遅発性不随意運動の組み合わせであった。
  1. TDの出現部位は舌口周辺が最多であり、次いで四肢、躯幹の順に認められる。まれではあるが、舌口部にジスキネジアを有する患者では食道にも併存することがある。ジスキネジアは呼吸や嚥下、会話に影響することがある(推奨度2、O)(参考文献:[2][3][4]
  1. Lauterbachは30例のTD患者において、重症度評価法の異常不随意運動評価尺度(AIMS)を用いてジスキネジアの出現部位を検討した。TDは舌に87%、口周辺に48%、下顎に38%、顔面に21%、上肢に66%、下肢に47%、頚部・躯幹に23%に認められ、舌、口周辺、下顎および顔面を合わせると96.7%に及んだ。
  1. 非定型抗精神病薬(約20%)定型抗精神病薬(約30%)よりもTDの発症は少ない[5][6]しかし非定型抗精神病薬の処方例が増加しており、TDは依然として大きなunmet needsのひとつ[7]
  1. TDは発症すると日常生活を著しく障害し、かつ難治であることは変わりない。
  1. 本症は薬物の副作用という理解だけでなく、薬物治療に伴うmovement disorderとして対処する必要がある。
  1. TD発症の危険因子として、加齢、女性、気分障害、器質的脳疾患の合併、抗精神病薬の総投与量と治療早期の錐体外路症状の合併、が挙げられている[8][9]
  1. TDを起こしやすい要因として、加齢、アルコール乱用依存歴、女性、糖尿病、てんかん、頭部外傷など器質的な脳病変の合併、治療早期の錐体外路症状の合併、また高用量長期間の抗精神病薬の服用などが挙げられている。しかし、性差、糖尿病に関しては否定的な報告もあり、一定の見解には至っていない。喫煙はTDの重症度と相関し、喫煙量が多いほどTDが重症であった(推奨度2、O)(参考文献:[3][10][11][12][13][14]
  1. さまざまな危険因子が報告されているが、そのうち年齢(加齢)は危険因子として統一した見解である。
  1. TDの発生率は若年成人では3〜5%に対し、高齢者では30%と5−6倍であり、高齢者において3年間の追跡調査ではTDの発生率は60%にまで達した。CATIE schizophrenia trialの結果では、人種差、性差、糖尿病、高血圧はTD群と非TD群で有意差を認めなかった。
  1. 従来TDは、抗精神病薬によるドパミン受容体の遮断により、線条体のドパミンD2受容体が過感受性を獲得したことに起因すると考えられてきた[15]。小胞モノアミントランスポーター8-2(VMAT-2)阻害薬の有効性はこれを支持する。定型抗精神病薬は非定型抗精神病薬に比べD2受容体に親和性が高く、解離も遅いために、遅発性ジスキネジア発現リスクが高いとされる[16]
  1. 近年では抗精神病薬による酸化ストレスがTD発症に重要であるとされている。またTD発症に遺伝的要因も関係している。
  1. TDの発症要因は、いまだ明確にされていない。(参考文献:[17][18][19]
  1. 従来よりTDは、抗精神病薬によるドパミン受容体の遮断により線条体のドパミンD2受容体が過感受性を獲得したことに起因すると考えられてきた。
病歴・診察のポイント  
  1. 特徴的症状からTDを疑う:
  1. 常同的で無目的な異常不随意運動で、TDの90%以上が舌、口周囲にみられる。顔面や舌に反復する常同的な比較的素早い動きが特徴的である。

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著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
冨山誠彦 : 特に申告事項無し[2025年]
監修:高橋裕秀 : 特に申告事項無し[2025年]

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