今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 藤田将平1) 神戸市立医療センター中央市民病院 総合内科

著者: 黒田浩一2) 神戸市立医療センター中央市民病院 感染症科

監修: 山中克郎 諏訪中央病院 総合診療科

著者校正/監修レビュー済:2022/09/28
参考ガイドライン:
  1. 2017年“American Journal of Gastroenterology”誌
  1. 2005年”Gastroenterology”誌
  1. 2020年“American Family Physician” 誌
  1. 日本消化器病学会:機能性消化管疾患診療ガイドライン2021-機能性ディスペプシア(FD)改訂第2版
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 2017年“American Journal of Gastroenterology”誌や2020年“American Family Physician” 誌のガイドラインに則り、上部消化管内視鏡の適応年齢を警告症状の有無を問わず60歳以上に変更した。

概要・推奨   

  1. 消化不良を訴える患者の診察において、警告症状を聴取することはその後の診療を進めていくにあたって有用であるがその有用性を示す確定的な根拠は示されていない。最新のガイドラインでは、60歳以上では全例に上部消化管内視鏡を推奨し、若年者では警告症状が存在する場合に症例ごとに検討すべしとしている(推奨度1)
  1. 消化不良患者に対する酸分泌抑制薬の経験的投与は、症状の軽減に有用である。プロトンポンプ阻害薬(PPI)が第1選択である(推奨度1)
  1. 内視鏡により検索されていない消化不良患者への初期治療では、ピロリ菌のtest and treat戦略(尿素呼気試験陽性者に対して除菌療法を行う、陰性者はPPIによる経験的治療を行う)は、プロトンポンプ阻害薬(PPI)の経験的投与より効果が期待できる(推奨度2)
アカウントをお持ちの方はログイン
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要と
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲 覧には ご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧に はご契 約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契 約が必 要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります
  1. 消化不良を訴える患者で、上部消化管内視鏡検査を施行しない場合に行うピロリ菌検査は、尿素呼気試験(UBT)または便中抗原検査(fecal antigen test: FAT)が優れている。Helicobacter pylori IgG検査は、感度・特異度で劣るため推奨されない(推奨度1)
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。
  1. 閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となります。閲覧にはご契約が必要となりま

病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 消化不良は、さまざまな病態から起こり、幅広い鑑別疾患を必要とする、多くの人が訴える症状である。有病率(prevalence)は25%程度とされる[1]が、大多数の患者は医療機関を受診することはない[2]。プライマリケア医を訪れる患者の2~5%が消化不良を訴える[3]
  1. 定義がさまざまであり混乱が生じやすい。慢性的な繰り返す上腹部の痛みと不快感(逆流症状が主な症状の場合は除く)、と定義してガイドライン[4][5]は作成されている(RomeⅡの定義)。ディスペプシアとカタカナで記載されることが多い。
  1. RomeⅢ基準が2006年に発表され、食後の腹部膨満感、早期飽満感(early satiation)、心窩部と痛みまたは灼熱感、のいずれかに該当するものを「消化不良(ディスペプシア)」と定義した[6]。胸焼け症状は含んでいない。食後のもたれ感・早期飽満感を有するものを食後愁訴症候群(postprandial distress syndrome、PDS)、心窩部痛・心窩部灼熱感を有するものを心窩部痛症候群(epigastric pain syndrome、EPS)と亜分類している。さらに2016年にRome IV基準が発表され定義がわずかに改定されたが、実際の診療の影響を与えるほどの変更点はなかった[7]。これらの基準は、研究用基準のため、臨床現場になじまない。実際の臨床現場では、1カ月以上続く心窩部痛を主体とした上部消化管症状を「消化不良」とすればよい[8]
  1. 原因疾患は、機能性ディスペプシア(FD)70%、消化性潰瘍性疾患15~25%、逆流性食道炎5~15%、悪性疾患(胃癌、食道癌)2%未満、の4疾患が重要である[9]。そのほか、過敏性腸症候群、胆道系由来の痛み、胃不全麻痺などが原因となることもある。胃癌・食道癌、胃十二指腸潰瘍をいかにしてみつけるかが重要となる。
 
消化不良の鑑別診断

<図表>:消化不良の起因となる薬剤
Am Fam Physician. 2020 Jan 15;101(2):84-88.を参考に作製

出典

著者提供
 
消化不良の起因となる薬剤

消化不良の原因となる薬剤と考えられている。投与量の減量または中止により消化不良が改善する可能性があり、高額な検査を避けられるかもしれない。

出典

O V Bazaldua, F D Schneider
Evaluation and management of dyspepsia.
Am Fam Physician. 1999 Oct 15;60(6):1773-84, 1787-8.
Abstract/Text Dyspepsia, often defined as chronic or recurrent discomfort centered in the upper abdomen, can be caused by a variety of conditions. Common etiologies include peptic ulcers and gastroesophageal reflux. Serious causes, such as gastric and pancreatic cancers, are rare but must also be considered. Symptoms of possible causes often overlap, which can make initial diagnosis difficult. In many patients, a definite cause is never established. The initial evaluation of patients with dyspepsia includes a thorough history and physical examination, with special attention given to elements that suggest the presence of serious disease. Endoscopy should be performed promptly in patients who have "alarm symptoms" such as melena or anorexia. Optimal management remains controversial in young patients who do not have alarm symptoms. Although management should be individualized, a cost-effective initial approach is to test for Helicobacter pylori and treat the infection if the test is positive. If the H. pylori test is negative, empiric therapy with a gastric acid suppressant or prokinetic agent is recommended. If symptoms persist or recur after six to eight weeks of empiric therapy, endoscopy should be performed.

PMID 10537391
 
  1. “American Journal of Gastroenterology”誌、”Gastroenterology”誌、日本消化器学会各種ガイドラインを参照するとよい。
  1. 消化不良についての診療ガイドラインは、2005年に“American Journal of Gastroenterology”誌と”Gastroenterology”誌から発表された[4][5]。どちらにも意思決定のフローが掲載されている。この2つのガイドラインに大きな差はない。その後のevidenceをもとに、2017年に“American Journal of Gastroenterology”誌のガイドラインが改訂された[8]Helicobacter pylori[10]と胃食道逆流症[11]についてのガイドラインは、“American Journal of Gastroenterology”に掲載されている。Helicobacter pylori診療については欧州からも声明が発表されている[12]。日本消化器学会から、機能性ディスペプシアのガイドラインが2021年に発表された[13]。「診断と治療のフローチャート」が参考になる。日本の医療事情に沿った推奨がなされている。
 
鑑別疾患表:
  1. 機能性ディスペプシア
  1. 消化性潰瘍性疾患
  1. 逆流性食道炎
  1. 胃癌または食道癌
  1. 膵癌を中心とした腹部癌
  1. 胆管疾患
  1. 炭水化物吸収不良(乳糖、ソルビトール、果糖、マンニトール)
  1. 胃不全麻痺
  1. 肝癌
  1. 胃の浸潤性疾患(クローン病、サルコイドーシス)
  1. 腸内寄生虫(ジアルジア、ストロンギロイデス)
  1. 虚血性腸疾患
  1. 薬剤
  1. 代謝障害(高カルシウム血症、高カリウム血症)
  1. 膵炎
  1. 全身性疾患(糖尿病、甲状腺障害、副甲状腺障害、結合組織疾患)
問診・診察のポイント  
  1. 「消化不良」と判断する前に、上腹部症状が心疾患、腹壁の筋骨格系疾患、内分泌疾患由来でないか検討する。胸焼けや逆流症状が前面に出ている場合は、「消化不良」ではなくGERDと考えて、診療を進める。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
藤田将平 : 特に申告事項無し[2024年]
黒田浩一 : 特に申告事項無し[2024年]
監修:山中克郎 : 特に申告事項無し[2025年]

ページ上部に戻る

消化不良

戻る