今日の臨床サポート 今日の臨床サポート

著者: 後藤浩 東京医科大学病院

監修: 沖波聡 倉敷中央病院眼科

著者校正済:2025/02/12
現在監修レビュー中
患者向け説明資料

改訂のポイント:
  1. 眼内悪性リンパ腫の病名をより現状に即して硝子体網膜リンパ腫に変更した。
  1. 新しい治療の紹介や保険適用外治療についても明記した。
  1. 2024年12月時点では、国内で中枢神経系原発悪性リンパ腫(PCNSL)に対して行われている治療薬を用いた硝子体網膜リンパ腫発症後のPCNSLの発症抑制効果について治験が行われている。
  1. その他、何カ所か表現を変更した。

概要・推奨   

  1. 眼内の腫瘤性病変は、1)良性、悪性を含む腫瘍性病変と、2)網膜上もしくは網膜下の出血(血腫)に集約される。
  1. 網膜にみられる隆起性病変はしばしば網膜剥離と誤診される。通常の網膜剥離であれば必ず裂孔もしくは円孔が存在するはずである。裂孔や円孔のない‘網膜剥離様’の眼内隆起性病変の診断には慎重を要する。

病態・疫学・診察 

疫学情報・病態・注意事項  
  1. 眼内腫瘤とは眼内の組織、すなわち網膜およびぶどう膜(虹彩、毛様体、脈絡膜)組織に発生する腫瘍や、網脈絡膜の血管障害に起因する出血(血腫)など、眼内に腫瘤を形成する病態の総称である。
  1. 眼内腫瘍は良性と悪性に分類され、悪性腫瘍には原発性のほか、他臓器からの転移などの続発性腫瘍がある。
  1. 眼内腫瘍は良性、悪性のいずれも比較的まれな疾患であるため、診断や治療法を含め、その対応に苦慮することが少なくない。
  1. 眼内の隆起性変化のすべてが腫瘍とは限らない。網膜細動脈瘤やポリープ状脈絡膜血管症の破裂に伴う網膜下血腫などは、眼内腫瘍と誤診されることがある。
  1. 漿液性網膜剝離や黄斑浮腫、網膜上膜などの二次的な変化がなく、視機能にも影響のない良性眼内腫瘍は、経過観察のみで差し支えないことが多い。
  1. 悪性腫瘍は放置すれば視機能のみならず生命予後にも関わるため、迅速かつ的確な診断が求められる。
  1. 治療は、かつては眼球摘出術が主流であった悪性眼内腫瘍についても、最近は治療法の進歩により眼球が温存される症例が増えつつある。
問診・診察のポイント  
  1. 眼内腫瘍の場合、自覚症状はまったくなく、検診などで偶然発見されることもある。

これより先の閲覧には個人契約のトライアルまたはお申込みが必要です。

最新のエビデンスに基づいた二次文献データベース「今日の臨床サポート」。
常時アップデートされており、最新のエビデンスを各分野のエキスパートが豊富な図表や処方・検査例を交えて分かりやすく解説。日常臨床で遭遇するほぼ全ての症状・疾患から薬剤・検査情報まで瞬時に検索可能です。

まずは15日間無料トライアル
本サイトの知的財産権は全てエルゼビアまたはコンテンツのライセンサーに帰属します。私的利用及び別途規定されている場合を除き、本サイトの利用はいかなる許諾を与えるものでもありません。 本サイト、そのコンテンツ、製品およびサービスのご利用は、お客様ご自身の責任において行ってください。本サイトの利用に基づくいかなる損害についても、エルゼビアは一切の責任及び賠償義務を負いません。 また、本サイトの利用を以て、本サイト利用者は、本サイトの利用に基づき第三者に生じるいかなる損害についても、エルゼビアを免責することに合意したことになります。  本サイトを利用される医学・医療提供者は、独自の臨床的判断を行使するべきです。本サイト利用者の判断においてリスクを正当なものとして受け入れる用意がない限り、コンテンツにおいて提案されている検査または処置がなされるべきではありません。 医学の急速な進歩に鑑み、エルゼビアは、本サイト利用者が診断方法および投与量について、独自に検証を行うことを推奨いたします。
薬剤監修について:
オーダー内の薬剤用量は日本医科大学付属病院 薬剤部 部長 伊勢雄也 以下、渡邉裕次、井ノ口岳洋、梅田将光および日本医科大学多摩永山病院 副薬剤部長 林太祐による疑義照会のプロセスを実施、疑義照会の対象については著者の方による再確認を実施しております。
※薬剤中分類、用法、同効薬、診療報酬は、エルゼビアが独自に作成した薬剤情報であり、 著者により作成された情報ではありません。
尚、用法は添付文書より、同効薬は、薬剤師監修のもとで作成しております。
※同効薬・小児・妊娠および授乳中の注意事項等は、海外の情報も掲載しており、日本の医療事情に適応しない場合があります。
※薬剤情報の(適外/適内/⽤量内/⽤量外/㊜)等の表記は、エルゼビアジャパン編集部によって記載日時にレセプトチェックソフトなどで確認し作成しております。ただし、これらの記載は、実際の保険適応の査定において保険適応及び保険適応外と判断されることを保証するものではありません。また、検査薬、輸液、血液製剤、全身麻酔薬、抗癌剤等の薬剤は保険適応の記載の一部を割愛させていただいています。
(詳細はこちらを参照)
著者のCOI(Conflicts of Interest)開示:
後藤浩 : 講演料(参天製薬(株),千寿製薬(株)),奨学(奨励)寄付など(参天製薬(株),千寿製薬(株),HOYA(株))[2025年]
監修:沖波聡 : 特に申告事項無し[2025年]

ページ上部に戻る

眼内腫瘤

戻る