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効能・効果/用法・用量 

効能・効果

  • 慢性腎臓病患者における高リン血症の改善

用法・用量

  • 通常、成人には、ビキサロマーとして1回500mg(本剤580mg)を開始用量とし、1日3回食直前に経口投与する。以後、症状、血清リン濃度の程度により適宜増減するが、最高用量は1日7,500mg(本剤8,700mg)とする。

禁忌 

【禁忌】

次の患者には投与しないこと

  • 2.1 本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者
  • 2.2 腸閉塞の患者[非吸収性ポリマーのため、腸管穿孔を起こすおそれがある。][8.1.1、8.1.2、9.1.1、9.1.2、9.1.4、11.1.1参照]

注意 

9.特定の背景を有する患者に関する注意

9.1 合併症・既往歴等のある患者
9.1.1 便秘のある患者
症状が悪化した場合、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。[2.2、8.1.1、8.1.2、9.1.2-9.1.4、11.1.1、11.1.4参照]
9.1.2 腸管狭窄のある患者
非吸収性ポリマーのため、腸閉塞、腸管穿孔を起こすおそれがある。[2.2、8.1.1、8.1.2、9.1.1、9.1.3、9.1.4、11.1.1参照]
9.1.3 腸管憩室のある患者
憩室部位に腸管穿孔を起こすおそれがある。[8.1.1、8.1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1、11.1.5参照]
9.1.4 腹部手術歴のある患者
腸管の癒着等が生じ、腸閉塞を起こすおそれがある。[2.2、8.1.1、8.1.2、9.1.1、9.1.2、11.1.1参照]
9.1.5 痔疾患のある患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.1.6 消化管潰瘍又はその既往歴のある患者
症状を悪化又は再発させるおそれがある。
9.1.7 重度の消化管運動障害を有する患者
症状を悪化させるおそれがある。
9.5 妊婦
妊婦又は妊娠している可能性のある女性には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与すること。
9.7 小児等
小児等を対象とした有効性及び安全性を指標とした臨床試験は実施していない。
9.8 高齢者
消化器症状等の副作用の発現に注意すること。一般に生理機能が低下している。

8.重要な基本的注意

8.1 腸管穿孔、腸閉塞があらわれることがあるので、下記の点に留意すること。
8.1.1 投与開始に先立ち、患者の日常の排便状況を確認すること。[2.2、9.1.1-9.1.4、11.1.1、11.1.4、11.1.5参照]
8.1.2 患者には排便状況を確認させるとともに、便秘の悪化、腹部膨満感等の症状があらわれた場合には、医師等に相談するように指導すること。[2.2、9.1.1-9.1.4、11.1.1、11.1.4、11.1.5参照]
8.2 本剤は、定期的に血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度を測定しながら投与すること。血清リン、血清カルシウム及び血清PTH濃度の管理目標値及び測定頻度は、学会のガイドライン等、最新の情報を参考にすること。低カルシウム血症の発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤やカルシウム製剤の投与を考慮し、カルシウム受容体作動薬が使用されている場合には、カルシウム受容体作動薬の減量等も考慮すること。また、二次性副甲状腺機能亢進症の発現あるいは悪化がみられた場合には、活性型ビタミンD製剤、カルシウム製剤、カルシウム受容体作動薬の投与あるいは他の適切な治療法を考慮すること。

7.用法及び用量に関連する注意

7.1
<透析患者の場合>
投与量は、血清リン濃度が3.5~6.0mg/dLとなるよう、以下の基準を目安に適宜増減する。
血清リン濃度投与量増減方法
6.0mg/dLを超えるビキサロマーとして1回250~500mg(本剤290~580mg)増量する
3.5~6.0mg/dL投与量を維持する
3.5mg/dL未満ビキサロマーとして1回250~500mg(本剤290~580mg)減量する
<保存期慢性腎臓病患者の場合>
投与量は、血清リン濃度を各施設の基準値内に維持するよう適宜増減する。増量幅はビキサロマーとして1回あたりの用量で500mg(本剤580mg)までとする。
7.2 本剤投与開始時又は用量変更時には、1~2週間後を目安に血清リン濃度の確認を行うことが望ましい。
7.3 増量を行う場合は1週間以上の間隔をあけて行うこと。

5.効能又は効果に関連する注意

本剤は血中リンの排泄を促進する薬剤ではないため、食事療法等によるリン摂取制限を考慮すること。

16.薬物動態

16.2 吸収
健康成人10例に14C-ビキサロマー2,500mgを単回経口投与した結果、ビキサロマーは非吸収性であると推察された(外国人データ)。[16.5参照]
16.5 排泄
健康成人10例に14C-ビキサロマー2,500mgを単回経口投与した結果、投与後168時間までに投与放射能の93.2%が糞中に検出された。投与放射能の0.00326%が尿中に検出されたものの血液中に放射能は検出されなかった(外国人データ)。[16.2参照]
16.7 薬物相互作用
16.7.1 エナラプリル、アトルバスタチン及びバルサルタン
健康成人を対象として、キックリンカプセル注)2,500mgを併用したときのエナラプリル、アトルバスタチン及びバルサルタンの薬物動態への影響を検討した。その結果、エナラプリルのCmax及びAUCはいずれも約80%に低下し、アトルバスタチンのCmax及びAUCは約70~80%に低下した。また、バルサルタンのCmax及びAUCは約30~40%に低下した。[10.2参照]
16.7.2 その他の薬剤
健康成人を対象として、キックリンカプセル注)2,500mgを併用したときのワルファリン、ジゴキシン及びシナカルセトの薬物動態への影響を検討した。その結果、ワルファリン、ジゴキシン、シナカルセトの血漿中濃度に対して本剤の影響は認められなかった(外国人データ)。
注)本剤の承認された剤形は顆粒である。

併用注意 

薬剤名等臨床症状・措置方法機序・危険因子
エナラプリル
アトルバスタチン
バルサルタン
[16.7.1参照]
本剤とこれらの薬剤を併用した場合の血中濃度は、エナラプリルでは約80%に、アトルバスタチンでは約70~80%に、バルサルタンでは約30~40%にそれぞれ低下した。これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。本剤はリン酸結合性ポリマーであり、同時に服用した場合、これらの薬剤の吸収を遅延あるいは減少させる。
カンデサルタン シレキセチル
テルミサルタン
オルメサルタン メドキソミル
イルベサルタン
In vitro試験で、本剤とこれらの薬剤の吸着が認められており、これらの薬剤の作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこれらの薬剤の作用を観察すること。本剤はリン酸結合性ポリマーであり、同時に服用した場合、これらの薬剤の吸収を遅延あるいは減少させる。
シプロフロキサシン他のリン酸結合性ポリマーで、同時に服用した場合、シプロフロキサシンのバイオアベイラビリティが低下したとの報告がある。シプロフロキサシンの作用を減弱させるおそれがあるので、併用する場合にはこの薬剤の作用を観察すること。本剤はリン酸結合性ポリマーであり、同時に服用した場合、これらの薬剤の吸収を遅延あるいは減少させる。
甲状腺ホルモン製剤
レボチロキシン
他のリン酸結合性ポリマーとレボチロキシンとの併用患者において、甲状腺刺激ホルモン(TSH)濃度が上昇したとの報告がある。機序不明

重大な副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。
11.1.1 腸管穿孔、腸閉塞(いずれも頻度不明)
これらの病態を疑わせる高度の便秘、持続する腹痛、嘔吐等の異常が認められた場合には、速やかに投与を中止し、腹部の診察や画像検査(単純X線、超音波、CT等)を実施し、適切な処置を行うこと。[2.2、8.1.1、8.1.2、9.1.1-9.1.4、11.1.2、11.1.4、11.1.5参照]
11.1.2 虚血性腸炎(1%未満)
病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[11.1.1参照]
11.1.3 消化管出血、消化管潰瘍(各1%未満)
吐血、下血及び食道、胃、十二指腸、結腸、直腸等の潰瘍があらわれることがある。
11.1.4 便秘・便秘増悪(15%以上)
これらの症状があらわれた場合には本剤の減量又は休薬を考慮し、高度の場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。[8.1.1、8.1.2、9.1.1、11.1.1参照]
11.1.5 憩室炎(頻度不明)
病態が進行し腸管穿孔等の重篤な状態に至らぬよう、異常が認められた場合には、投与を中止し、適切な処置を行うこと。[8.1.1、8.1.2、9.1.3、11.1.1参照]
11.1.6 肝機能障害(頻度不明)
AST、ALT、γ-GTPの著しい上昇を伴う肝機能障害の発現が報告されている。

その他の副作用 

次の副作用があらわれることがあるので、観察を十分に行い、異常が認められた場合には投与を中止するなど適切な処置を行うこと。

1~5%未満1%未満頻度不明
消化器硬便、腹部不快感、腹部膨満、悪心下痢、嘔吐、腹痛、胃炎、痔核、便潜血陽性
皮膚そう痒症発疹
血液血中副甲状腺ホルモン増加
精神神経系下肢静止不能症候群
その他口渇、回転性めまい
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